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2018-02-20 12:00:16

著作権の保管期間が70年に

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先日、「政府は、小説や音楽の著作権の保護期間を、現行より20年長い「作者の死後70年」にする著作権法の改正案を今国会に提出する方針」との報道がありました。

現在は、小説や音楽の著作権の保護期間は、作者の死後「50年」です。50年が経過すると、著作権が切れて、誰でも自由に利用することができます。ちなみに、著作権が切れた作品のことを、パブリック・ドメイン(PD)と呼びます。たとえば、ベートーヴェンやショパンが作曲した楽曲は、自由に演奏することができますし、自分の演奏をCDにして販売することも自由です。最近の例でいうと、江戸川乱歩の小説もパブリック・ドメインになりましたので、インターネット上で公開する等、自由に使うことができます。

昨年、「JASRACが音楽教室から著作権使用料を請求する」という報道があった際、よく誤解されていたのですが、JASRACは、音楽教室でベートーヴェンやショパンの楽曲を教えることについて著作権使用料を請求しようとしているわけではありません。
音楽教室は、クラッシックなどのパブリック・ドメインだけでなく、ポップスのような著作権が切れていない楽曲を教えることもあるので、その部分について著作権使用料を請求すると主張していたわけです。

著作権が切れるということは、作品の自由な改変も可能になります。
たとえば、ショパンの楽曲をダンスミュージックに編曲したり、江戸川乱歩の作品をアニメ化することも可能です。

しかし、注意しなければならない点が2点あります。

1点目は、音楽の「原盤権」というものです。
たとえば、ショパンの楽曲が収録されたCDは、そのレコーディングをしたレコード会社が「原盤権」という権利を管理しています。そして、原盤権の保護期間は、そのCD発行の翌年から50年間です(なお、外国で収録されたCDの保護期間には複雑な論点があります)。ですので、いくら楽曲の著作権が切れていたとしても、原盤権が切れていない限り、そのCDをインターネットで公開すると、レコード会社の「原盤権」を侵害することになります。著作権が「楽曲」の権利だとすると、原盤権は「音源」の権利だと思ってください。

2点目は、「二次的著作物」というものです
たとえば、江戸川乱歩の小説が映画化された場合、その映画は、江戸川乱歩の小説の「二次的著作物」に当たります。
二次的著作物には、二次的に創作された部分について、別個に著作権が発生します。映画の著作権の保護期間は、公開の翌年から70年間です。ですので、映画の著作権が切れていない限り、江戸川乱歩の映画作品をインターネットなどで公開したり、映画作品に依拠してアニメ化したりすると、その映画会社の著作権を侵害することになります。

このように、著作物となる作品には、もともとの著作者が持つ著作権だけでなく、レコード会社や、映画会社など、様々な第三者の権利が含まれていることがあります。ですので、作品を利用する際には、誰にどのような許諾を得なければならないか、慎重に判断する必要があります。

以上

ここに紹介したい人物の写真を入れて下さい
弁護士
高木 啓成

映像・音楽事業、メディア事業、デザイン事業など、主にエンターテイメントに
関わるクライアントに、法律顧問のご依頼を受けています。
顧問先より労務の相談も多く受け、労働事件についても豊富な経験があります。
Web:https://axiomlawoffice.com/

メディア関連

■2007年
新日本法規出版 e-hokiコラム連載
会社の法律がなんでもわかる本 共著

■2009年
初級ビジネスコンプライアンス 「社会的要請への適応」から事例理解まで:共著

■2013年
ダンスの振付の著作権に関する取材

■2014年
ゴーストライターの法的問題に関する取材
ASKA氏逮捕に関する取材
TBSラジオ 情報番組「森本毅郎・スタンバイ!」
東京新聞「こちら特報部」
テレビ朝日 情報番組「グッド!モーニング」
動画投稿サイトでの楽曲利用の法的問題 日経BP社「日経パソコン」

■2015年
商標法の改正に関する取材
エンタメ法務や、自身の経歴に関する取材
音楽ストリーミングに関する取材
JASRACの法的措置に関する取材
エイベックスのJASRAC離脱
歌詞盗作疑惑に関する取材

■2016年
テレビ放送での楽曲使用に関する取材

■2017年
日本テレビ「NEWS ZERO」出演
産経新聞 取材
フジテレビ「直撃LIVEグッディ!」
東京MXテレビ「ニュース女子」
「週刊新潮」4月13日号
読売新聞9月9日付け夕刊

その他、多数

所属団体・活動等

2007年 第二東京弁護士会環境保護委員会
2008年 第二東京弁護士会法律相談員(現職)
2012年 日本司法支援センター相談員(現職)

取り扱い案件

企業法務一般、著作権を中心とした知的財産権問題、プロバイダ責任制限法関連事件、労働問題、借金問題、交通事故、遺産相続、債権回収、借地借家問題、不動産取引、刑事弁護、刑事告訴・告発。映像・音楽・ゲーム等の制作会社、出版社、音楽事務所等の顧問業務、作家個人の代理人など。

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