
新型コロナウイルス感染症の第3波がやってきている日本。
予防が定着してきている面がある一方で、気の緩みが出てきている人もいるかもしれません。
そのままでは、新たな感染拡大につながってしまう可能性があります。
今回は、改めて現在わかっている新型コロナに関する情報・知識と、プラスαで実施したい感染予防のアイデアをご紹介します。
新型コロナに関する最新知識
11月27日時点での感染者数
厚生労働省が 11月27日時点で発表した、「新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識」によると、
日本では全人口の約 0.08%にあたる約96,000人が新型コロナウイルス感染症と診断されています。
ただ、この数字は医療機関を受診した人のみになるので、無症状の人を含めた数字は把握することができません。
そしてご存知の通り、11月に入って一気に増加し、11月27日時点では約135,000人になっている状態です。
こうしてみて見ると、たった1ヶ月で1.5倍近くにまで増加したことがわかります。
また、感染者を世代別に見ると、20代がもっとも多くなっています。
10月末時点の重症化と死亡の割合
重症化率・死亡率共に、年代によって差があります。
年齢が高くなるにつれて割合が高くなり、60代以上でその差はより顕著になります。
・重症化する人の割合(6月以降〜10月末にかけて診断された人)
約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)
・死亡する人の割合
約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)
高齢者以外で重症化しやすい人
重症化しやすいのは、高齢者だけではありません。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満などの基礎疾患のある人は、
重症化しやすいと考えられています。
また明確には言えないものの、妊婦さんや喫煙歴のある方も重症化しやすいと言われているので、注意が必要です。
感染者が他者に感染させてしまう期間
新型コロナウイルスの感染者が他者に感染させてしまう可能性があるのは、
発症の2日前から発症後7~10日間程度と考えられています。
また特に、発症の直前と直後にウイルスの排出量が高くなるようです。
症状が出ていない人でも感染させる可能性があるのかないのか、また可能性が低いのかどうかは明確にわかっていません。
そのため、例え無症状であったとしても陽性が判明した場合は、感染自粛に努める必要があります。
感染拡大に注意が必要な場面
何度も注意喚起が繰り返されているように、感染のリスクが高まるのは3密(密閉・密集・密接) の環境です。
さらに3密の中でも、これまでの感染状況をもとに、もう少し詳細な5つの場面を示して注意が促されています。
場面①飲酒を伴う懇親会等
お酒が入ると気分が高揚し、注意力も低下してしまいます。
そして大きな声になりやすいため、さらに飛沫が飛びやすい状況になります。
また、 敷居などで区切られている狭い空間は十分な換気ができない場合もあり、
大勢で長時間滞在するとことでも、感染リスクは高まります。
さらに、回し飲みや箸などの共用、大皿からの取り分けについても感染のリスクを高める要因となります。
場面②大人数や長時間におよぶ飲食
場面①と重なるところが多いですが、時間が長くなればなるほど、やはり感染リスクが高まります。
また人数が多くなればなるほど、大声になりやすく飛沫が飛びやすくなります。
場面③マスクなしでの会話
マスクなしで、近距離で会話をすると、飛沫感染やマイクロ飛沫感染での感染リスクが高まります。
昼カラオケなどでの感染事例が確認されていて注意が必要である他、車やバスで移動する車内でも注意が必要とされています。
車内の感染対策については、最近の実験により、車内で2方向窓を開けて換気をしても飛沫が広がるという結果が出ており、
窓を閉め自動車についている換気機能をオンにする方が良いという情報もあります。
場面④狭い空間での共同生活
学生寮などでは、狭い空間で共同生活を送ります。
長時間にわたり閉鎖的な空間が共有され、トイレなどの設備も共有されることから、感染が疑われる事例が多くなっています。
また、家庭内感染も増加していることから、日常生活の中にも多くの感染リスクがあることがわかります。
場面⑤居場所の切り替わり
居場所が切り替わる場面において、気の緩みや環境変化によって、感染リスクが高まることがあります。
例えば、オフィスを出て休憩室や喫煙室に入った時、
スポーツジムで更衣室に入った時などの場面に注意が必要とされています。
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新型コロナウイルス感染症のワクチンについて
国内外で多数の研究が精力的に行われており、過去のワクチンと比べて早いペースで開発が進められています。
既に臨床試験を開始されているものもあり、緊急承認に向けた動きも加速しています。
そして、11月末時点ではあと少しで認可が下りる国が出てきそうなところまできています。
これらのワクチンが発症や重症化を予防できるかについては、まだ明確にわかっていません。
そして、日本人が接種する場合の安全性についても確認が進められているところです。
オフィスで感染予防をするためのアイデア
オフィスでの感染予防でも、3密を避けて、咳エチケットを実行することは重要なポイントです。
リモートワークやウェブ会議の実施、パーテーションの設置やレイアウト変更、
換気と消毒などの工夫は、取り入れている企業も多いと思います。
オフィス内でのマスク着用や手洗いの徹底なども引き続き実施していく必要があります。
ここでは、もう少し細かい部分に注目して、各企業が行っているプラスαで実施したい感染予防のアイデアをご紹介したいと思います。
これはまだやっていない!というものがあれば、是非取り入れてみてください。
オフィスへの土足入室をやめる
新型コロナウイルスの感染経路として、靴底が危険であるという報告があるそうです。
出入り口で手指の消毒をしているだけでは、不十分かもしれません。
そこで取り入れたいのが、土足入室をやめることです。
これまで土足で入っていたところに裸足で…というわけにもいきませんから、
スリッパや室内履きに履き替えるようにすると良いと思います。
ウイルス感染予防だけではなく、靴の締め付けから解放されるというメリットもありますよ。
ただし、靴を脱いだ後の手はきれいに洗うか、しっかり消毒しましょう。
鞄をおくロッカーを設置する
鞄は床に置くこともあり、ウイルスの付着が懸念されます。
鞄は室内に持ち込まず、玄関先に鞄収納用のロッカーを設置したり、
個人ロッカーがある場合は除菌した上でそこに収納をするようにします。
来客対応時の担当やエリアを限定する
不特定多数の人のオフィスへの出入りは、できるだけ避けたいです。
そこで、来客対応エリアを一番出入り口に近い会議室までなどで限定します。
また郵便や宅配便といった荷物の受け取りについても、中まで運び入れてもらうことはせずに、
玄関先で受け取る方が良いです。できれば、来客の対応をする人も決めておくと良いでしょう。
トイレは蓋を閉めてから流す
ハンドドライヤーの使用を停止している企業は多いと思いますが、
あとひとつ簡単に追加できるのが蓋を閉めてから流すことです。
トイレを流すときには、思った以上に水が飛び散っているため、
蓋を開けたままだと便座、床、壁、そしてトイレットペーパーといった備品にまで菌がついてしまう可能性があります。
蓋付きトイレは閉めてから流すように注意喚起しましょう。
使い捨てのデスクパッド用紙を使う
共用しているデスクはもちろん、個人のデスクであっても消毒作業が大変で
つい疎かになってしまっているところもあるかもしれません。
そこでお勧めしたいのが使い捨てのデスクパッド用紙を使うことです。
多少コストはかかりますが、使い終わったら捨てるだけで簡単な上に、感染予防の面でも有効です。
共用デスクは利用履歴をつける
フリーアドレス制のオフィスや、会議室などの共用デスクは、誰がいつ使ったのかを記録しておきましょう。
感染経路の確認に役立ちます。
コピー機などの利用担当を決める
コピー機などの大型備品も、多くの人と共用することが多いと思います。
こうした備品も感染リスクがあり、できるだけ共用を避けたいところです。
複数台ある場合は、一人一人利用できるコピー機を決めておくことで感染拡大が予防できます。
またできれば、コピー機を使う担当者を設けることで、より徹底した感染予防になります。
喫煙室の人数制限や設置場所変更
喫煙室はつい気が緩みがちになる空間の一つである上に、かなり狭いスペースであることが多いです。
タバコを吸うだけなら多少人数が多くても大丈夫だと思っていても、
マスクを外したままでちょっとした会話を交わすことになる場合も多々あります。
余裕のある人数で利用制限を設けるか、できれば設置場所を屋外に変更しましょう。
休憩室の飲み物やお菓子は、食べきり飲み切りに変更
休憩室に飲み物やお菓子をおいている場合、思い切ってやめてしまうか、各自で飲み切れる、食べ切れる形での設置にしておきましょう。
飲み物やお菓子を取る前の消毒も忘れないようにしてください。
コップは各自保管か紙コップで使い捨て
各自のコップを休憩室においている場合があると思いますが、各自で保管するようにした方が安心です。
もしくは、紙コップで使い捨てにしてしまうのも一つの方法です。
オフィスの加湿をする
夏は湿度が高いですが、冬はどうしても乾燥してしまいます。
空気が乾燥していると飛沫の飛ぶ量が増えてしまうことに加え、身体側の防御機能も低下してしまいます。
加湿をして、湿度をできるだけ60%以上に保ちましょう。
ドアノブレバーを配布する
オフィスのドアは、不特定多数の人が何度も触れる可能性があり、頻繁な消毒でも限界があります。
そこで、従業員一人一人にドアノブレバーを配布しておき、
ドアやエレベーターボタンなどを、それを使って利用してもらうようにしましょう。
個人では利用している人がいるかもしれませんが、会社としてルールにしてしまった方が感染予防に繋がります。
最後に
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いている今、
正しい知識を身につけ、これまで行ってきた感染対策を改めて確認し、徹底して行うことがまずは大切です。
その上で、無理のない範囲で追加で取り入れられる感染対策があれば、是非取り入れていきましょう。

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