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2021-07-02 11:00:42

中小企業向けDX特集②<業種別で見るDX>業種別の取り組み状況やITツールについて解説 (DX 業種)

中小企業向けDX特集②<業種別で見るDX>業種別の取り組み状況やITツールについて解説 (DX 業種)

どの業種にも必須のDXとは?

DXは特定の業種に限って推進されているわけではなく、今後どの業種にも必須となるといえます。
まずは簡単に、DXとは何かについておさらいしましょう。

「DX」とは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション」の略称です。
経済産業省が発表した『「DX 推進指標」とそのガイダンス』では

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

と定義づけられています。

アナログをデジタルに置き換える、例えば紙で保管していたデータをデジタル化する、
といったようなことだけではDXとはいえません。
デジタル化したデータを活用して新しいサービスや製品を提供して世の中を変革し、
デジタル化により業務プロセスや企業文化を変革させて競争優位性を確保できた時に、初めてDXだということができます。

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【業種別】 DXの取り組み状況やDX例(ITツール)

DXは、業種を問わず取り組むことが推進されています。
実際のところ完全にDX化ができている企業はどの業種にもほとんどいないのが現状で、
DXに向けて少しずつ動き始めているところだといえるでしょう。
この章では、小売業、製造業、建設業、物流業、飲食業の業種別に、DXに向けた取り組み状況やDX例(ITツール)について
ご紹介します。

小売業のDX

DXの取り組み状況

小売業のDXへの取り組みは、他業種に比べて遅れているといわれています。
これまでにシステムの標準化が進んでいないことや、小売業自らが何か変革を起こすのではなく上流工程に依存してきた業界構造が、
DX推進への障壁となっています。
また、小売業の知識と、ITの知識の両方を持ち合わせた人材が少ないことも影響しているようです。
小売業がDX推進を図っていくためには、外部に委託するのではなく小売業のなかでIT人材を採用・育成していくことが求められます。
個々に取り組むことができるDXもありますが、小売業全体の課題でもあるため、将来的にはサプライチェーン各社が
協力してDX化を進めていく必要がありそうです。

消費者ニーズが変化しモノが売れない時代になっていることや、ECサイトでの購入が主流になりつつあることを考えても、
今後早急なDX化が求められるでしょう。

DX例(ITツール)

・在庫管理システム
小売業にとって、発注ミスや過剰在庫は致命傷です。
在庫管理システムを導入し、データを収集してAIによって自動発注ができるようになれば、
発注ミスや売れ残りを減らすことができます。少ない人員で在庫管理ができることで人件費が削減でき、
余剰在庫の保管にかかる費用も削減できるでしょう。

・OMO(Online Merges with Offline)
OMOとはオンラインとオフラインの融合のことです。
ECサイトで購入する人が増えているとはいえ、もちろん実店舗で買い物を楽しみたい人もいます。これまではオンライン(ECサイト)はオンライン、オフライン(実店舗)はオフラインでマーケティングなどを実施することが多かったのですが、今後はオンラインとオフラインの顧客情報を一元化して、そのデータを活用していくことが求められます。
例えば、より多くの情報から最適な商品の提案を受けられることや、オンライン店舗とオフライン店舗の会員情報やポイントが異なっていたものを一元化することは、お客様にとっても価値となり売り上げ向上にもつながります。

製造業のDX

DXの取り組み状況

製造業のDXへの意欲は非常に高まっており、推進も他業種と比べて進んでいるといえます。
国内で特に多いのは、「工場のデジタル化」です。これは、いわゆる「スマートファクトリー」を作るという取り組みのこと。
予知保全(予兆保全)や不良品チェックを、ロボットやAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などを活用して行うことが、
これにあたります。
IoTとは何かというと、主に離れた場所からモノの状態を確認したり、モノ同士がお互いにデータをやり取りすることを指します。

日本は今後少子高齢化がますます進んでいくことになりますから、製造業では特に労働力の減少に向き合っていかなければなりません。
ただ人を集めるだけではなく、技術の継承も必要となりますから、ますますDX化の推進が求められることになるでしょう。

国内では、製造業の現場主義の風潮が足かせとなっている部分があり、まだこのように工場内の改善にとどまっていますが、
海外ではアメリカの「Industrial Internet」に代表されるような、バリューチェーン全体を見渡した取り組みが進んでいます。
今後日本も、工場同士をつないだり、企画・製造・販売などのプロセスを含めたDXを進めていくことになるのではないでしょうか。

DX例(ITツール)

・スマートファクトリー
スマートファクトリー化が実現すれば、工場内の機器や設備をインターネットに接続しして遠隔地からの操作や自動化を可能とし、
集めたデータを分析して最適化していくことができます。こうして予知保全(予兆保全)や不良品チェック、多品種少量生産や
需要変動に応じたフレキシブルな生産が可能となることで、少ない人員でも競争力を高めることができます。

・プラットフォーム化
ITを活用してプラットフォームを構築することで、受発注や部品調達の手間と時間を削減することができるシステムの
活用が増えています。見積もり作成の手間が省け、納期も短くできることから、顧客の満足度を高めることができます。

建設業のDX

DXの取り組み状況

建設業は、近年オリンピック関連事業などにより需要が高まっていました。
しかし新型コロナの影響は建設業も例外ではなく、民間企業による建設投資額は減少しています。
とはいえ政府による投資(主に土木)は続いていることから、今後下落していくことが予測されるものの、
一定の需要は続くと考えられるでしょう。

建設業は長きにわたって人材不足の問題と、技術継承の問題を抱えています。
今後若手の採用を強化し、育てていく必要があるといえます。このような課題がある中、
建設業はBIMの導入などで比較的DX化が進んでいるものの、土木業に関しては他の業種と比べても
DXの推進が遅れているといわれており、今後早急な対応が求められています。

DX例(ITツール)

・BIM/CIMの導入
BIMは、コンピューター上に作成した3次元の建物に、コストや仕上げなどのデータを追加し、
建築の設計〜維持管理までの全ての工程でこれらの情報を活用するワークフローです(CIMは土木版)。
BIM/CIMの導入により3次元モデルを活用できれば、アナログな二次元図面よりも早く正確に作成できる上に、
図面の理解も深まります。熟練技術者がどの情報をどのように判断したのかもわかるようになるので、
次世代への技術継承に役立ちます。

・高性能通信の導入
5G回線などで高性能な通信ができるように情報通信機器を整備すれば、これまで建設現場で行わなければならなかった
監督業務や材料の発注業務などを遠隔地(本社や自宅など)でも行えるようになり、業務効率化が進められます。
さらにIoT(モノのインターネット)を活用すれば、重機の遠隔操作も可能となり、
さらなる業務効率化が進み、安全性も確保されます。

物流業のDX

DXの取り組み状況

物流業界のDXへの意欲は高まりを見せているものの、まだまだアナログな対応が多い状態であり、
他業種と比べるとDXの推進はやや遅れている状況です。

日本では、荷物を送る際に臨機応変な対応力を求められることが多いことから、企業としてもそれに応えるべく
努力する傾向にあります。個別に対応をするには、ある程度アナログ対応が必要なことも多く、
これまでの対応から変革しようという気持ちになりにくいのです。

アメリカなど欧米諸国では、きめ細やかな対応よりもとにかく安く目的地まで荷物を運ぶことを重視しているため、
DXによるシステム化が適しており、スムーズなDX化が進んだと考えられます。

日本の物流のDX推進を阻むもう一つの要因として、現場主義の考え方があります。
規模が大きな会社ほど経営者と現場との距離が遠いため、現場への影響が大きい改革が行いにくいといえます。
とはいえ、物流業は近年小口配送が急増したことやスピード配送が当たり前になってきたことにより、
物流の複雑化と従業員の不足が大きな課題となっているため、DX化による解決が望まれます。

DX例(ITツール)

・AIによる配達効率化
小口配送急増の負担を軽減する方法として、AIによる配達効率化が挙げられます。
配達先の不在により再配達が必要となってしまうことが、大きな課題です。これを解決するために、
顧客の注文情報や配送状況などのデータを収集し、AIによって分析することにより、在宅の可能性が高い時間に合わせて
配達をするという方法が取り入れられています。注文情報や配送状況などのデータ以外にも、
各家庭の電力使用値を表すスマートメータを活用した不在予測システムの開発も進んでいるようです。

・倉庫業務の運用システム
物流業では、配送だけでなく倉庫内作業の軽減も必要不可欠です。
倉庫内作業の運用システムの導入は、倉庫内作業の手間を軽減するだけでなく、ヒューマンエラーを削減することもできます。
例えば、ロボットによるピッキング業務の自動化によって業務効率化が可能です。
その他、IoTを活用した在庫情報の共有によって、生産計画の精度向上にも寄与できます。

飲食業のDX

DXの取り組み状況

飲食業は新型コロナの影響を強く受けている業種であり、新型コロナをきっかけとしてDXへの取り組みが
急速に進みましたが、まだ十分とはいえない状況です。
ITの活用という点では、インスタグラムやツイッターのようなSNSを活用したマーケティング・集客や、
キャッシュレス決済の導入は進んでいますが、その次の段階へと進んでいる企業・店舗が少ないといえます。

実店舗での体験は、デジタル化では代替できないと考えられていたことも、これまでDX化が大きく進まなかった
要因の一つでしょう。飲食業といえば実店舗での食体験が当然メインだったわけですが、
新型コロナによってそういうわけにもいかない状況が突然やってきました。
スマートフォンで注文・決済を完了でき、様々な飲食店の料理を手軽に利用できるようになった
デリバリーシステムは、飲食業におけるDXの一つの大きな進化といえますね。

DX化により実店舗を安心安全に利用できるようにすることに加えて、デジタルを駆使した新しい食体験を生み出すことに
取り組む企業が、今後は増えていくでしょう。

DX例(ITツール)

・顧客管理システム
顧客接点やリピーターの獲得にはアナログ対応がベストと感じるかもしれませんが、データの収集と活用が欠かせません。
顧客管理システムを導入することで顧客対応の質が高まりリピーターの獲得に期待ができます。
またデータの収集が進めば、来店予測ができるようになる可能性もあり、
食材のロス削減や最適な人員配置にもつながります。

・EC活用やサブスクリプションシステム導入
飲食業のDXはデリバリーにとどまらず、店舗独自のECサイト展開や、サブスクリプションサービスにまで広がっています。
お店の味をECサイトで購入して楽しめるような仕組みや、サブスクリプションアプリなどの導入によって
サブスクリプションスタイルで運営すると店舗も生まれています。

まとめ

今回ご紹介してきたように、現状での取り組み意識は業種によって差があるものの、どのような業界の課題解決にも
DXの推進が活かされる可能性があります。DX化が進まない要因には、ITに対する苦手意識や、古くからの風潮が重視されすぎている
ことも含まれており、これらは早急に変えていく必要があるといえるでしょう。

DX化を進める手段の中でも、教育システムや、勤怠管理システムなどの導入については、業種問わずに取り組むことが可能です。
最終的な目標はビジネスモデルの変革や競争優位性の確立ですが、
まずはこうした社内の改革からスタートすることは有効だといえます。
自分たちが実際に業務のデジタル化の有効性を感じられたら、DXに向けて大きく舵を切る勇気も出てくるかもしれません。

DX化は、中小企業だからこそ小回りが効いて取り組みやすいという側面もあります。
「今のままでなんとかなっている」と思っても、それはいつまで続くかわかりません。
変化の激しい時代においていかれないように、一歩ずつDXに向かって進んでみてはいかがでしょうか。

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資格

一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391

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