Googleアナリティクスを利用している方であれば、UAの終了アナウンスにともない対応が必要になったGA4の情報収集を急いでいるのではないでしょうか。
現状では、まだUAを利用しているWeb担当者が多く、情報が少ない状況です。
しかし、UAと比較すると大きく機能拡張されていることから、移行によってさまざまなメリットを享受できます。
こちらでは、GA4の概要や移行タイミングの目安について解説します。
GA4とは
GA4とは、2020年10月にリリースされたGoogleアナリティクスの最新バージョンです(2022年5月現在)。
正式名称は「Google アナリティクス4 プロパティ」といいます。
2013年にリリースされ、長らく利用されてきたUA(ユニバーサルアナリティクス)以降、7年ぶりのアップデートとなります。
最大の特徴は2019年に実装された、「アプリ+ウェブ プロパティ」の改良版となるプロパティが追加されている点です。
また、Googleの機械学習モデルによるデータ予測機能の実装、ユーザーのプライバシーに配慮したデータ収集方法の実装など、変更が加えられています。
実際には、UAからの単なるバージョンアップではなく、プロパティの追加によりまったく新しい計測方法を実現しています。
UAとは実施できるアクセス解析が大きく異なるため、従来のGoogleアナリティクスとは別物の製品と考えてもよいでしょう。
Googleアナリティクスのプロパティとは
Google アナリティクスを活用するうえで知っておかなければならないキーワードのひとつがプロパティです。
Googleアナリティクスのプロパティとは、データを収集・分析するための単位のことで、通常はドメインごとにプロパティを作成します。
Googleアナリティクスでは、1アカウントで50のプロパティを作成可能です。
ただし、異なるプロパティ間をまたいでデータ分析を行うことはできません。
GA4のリリースにより、現行のGoogleアナリティクスでは、以下の2種のプロパティを利用できます。
- UA(ユニバーサルアナリティクス プロパティ)
- GA4(Google アナリティクス 4 プロパティ)
ユニバーサルアナリティクスからGA4への変更ポイント
ユニバーサルアナリティクスからGA4には、どのような変更点が加えられているのでしょうか。
以下では具体的な変更ポイントについて解説します。
基本的なコンセプトの変更
従来のUAではブラウザ単位でのデータ測定が行われていました。
しかし、現在は1人のユーザーが複数のインターネットデバイスを所持していることも少なくありません。
このことから、ブラウザ単位でのデータ測定ではユーザーの正確な行動を把握しているとは言えず、アンマッチな時代となっています。
一方、GA4ではユーザーにフォーカスしてデータを取得できるようにコンセプトが変更されています。
そのため、たとえデバイスが違っていても同一のユーザーとしてデータを計測することが可能になりました。
また、プライバシー保護の観点からGA4ではIPアドレスの保存が行われません。
これは、インターネットユーザーのセキュリティ意識が世界的に向上しているためです。
このように、GA4ではコンセプトの大幅な変更が加えられています。
UAからGA4への主な変更点まとめ
UAからGA4への具体的な変更点を表でまとめました。
変更要素 | UA | GA4 |
---|---|---|
データ計測対象 | Webサイト | Webサイトとアプリ |
対応デバイス | 主にデスクトップPC | マルチデバイス |
データ計測の方法 | Cookieベースでの計測 | イベントでの計測 |
特筆すべき点は、データの計測方法がCookieベースからイベントベースに変化した点です。
「イベント」とは、「ページ・画面の読み込みとは関係ないユーザー行動」のことを指します。
この変更により、ダウンロードボタンのクリックやスマホ画面でのスクロール量といったデータも計測可能になっています。
イベントによる計測が実装された背景には、ユーザー行動の変化があります。
近年ではアプリで動画などのコンテンツを視聴するユーザーも少なくありません。
しかし、通常のインターネット利用とは異なり、アプリにはページという概念がありません。
また、数十秒の動画視聴と長時間の動画視聴をどちらも同じ1つのページビューとして計測すると、不都合が生じてしまいます。
こうした行動の変化にともない、より正確にユーザーの行動を把握するために生まれたコンセプトがイベントです。
GA4への移行は今すぐ?保留?
現状、GoogleアナリティクスではUAとGA4、2つのプロパティが用意されています。
ユーザーは、UAとGA4のどちらのプロパティを使うのか選ぶことが可能です。
無料版のUAのサービス提供は2023年7月1日に終了することが発表されています。
現状、UAを利用している場合、GA4の利用を検討しているかどうかにかかわらず、将来的にはUAから移行するか、Googleアナリティクス以外のツールを利用するか、選択しなければなりません。
問題は、移行を急ぐべきなのか、あるいはUAのサービス提供終了まで移行を保留すべきなのか、という点です。
以下では、早めにGA4へ移行すべきケースと移行を保留してもいいケースを紹介します。
早めに移行すべきケース
毎年、通年でのデータを計測し、前年のデータを比較している場合は、GA4への移行を早めに済ませておきましょう。
2023年7月からはUAが使えなくなるため、その時点で1年前のGA4で計測したデータがなければ前年データの比較ができなくなります。
前年比データからWebサイトの改善案を打ち出している場合、遅くとも2022年6月にはGA4への移行を済ませておくべきでしょう。
移行を保留してもいいケース
それほど詳細にWebサイトのデータ計測を行っていない場合や、年次のデータ比較を行っていない場合は、急いでGA4への移行をする必要はないでしょう。
また、UAの終了からしばらくたてば、ビジネスシーンでのGA4の活用例が出揃ってくると考えられます。
豊富な情報をもとにスムーズに設定を行いたい場合も、移行を急ぐ必要はないと考えられます。
GA4の導入方法
実際にGA4を導入するまでの手順について解説します。
UAを導入済みの場合、新規でGoogle アナリティクスを解説する場合に分けて解説しますので、参考にしてください。
UAを導入済みの場合
UAを導入済みの場合は、以下の手順で簡単にGA4を導入できます。
- Googleアナリティクスの画面で「管理」をクリックし「GA4設定アシスタント」をクリック。
- 「新しいGoogleアナリティクス4プロパティを作成する」の「ようこそ」をクリック。
- 続いて、「プロパティの作成」をクリック。
- 「GA4プロパティを確認」をクリックすると、新しいタブが開き管理画面が表示される。
新規でGoogleアナリティクスを開設する場合
これまでGoogle アナリティクスを利用したことがない場合は、以下のような手順でGA4を導入します。
- Googleアカウントを用意する。
- 「Googleアナリティクス」のサイトにアクセスし、ログイン。
- アカウントの登録・作成を行う。
- Googleアナリティクスの管理画面から「プロパティを作成」をクリック。
- 必要情報を入力。
- 詳細オプションにて、「Google アナリティクス4とユニバーサルアナリティクスのプロパティを両方作成する」にチェックを入れる。
- データストリームの設定に移行する。
GA4導入後の設定
GA4の導入後は「データストリーム」「データ保持」「データフィルタ」「イベント設定」「コンバージョン設定」について設定しておくことをおすすめします。
データストリーム
GA4では、以下のようなユーザー行動の測定を個別設定なしで簡単に行えます。
- ページビュー設定
- スクロール数
- 離脱クリック
- サイト内検索
- 動画エンゲージメント
- ファイルのダウンロード
設定画面の「データストリーム」より、各項目のデータ取得をON/OFFで簡単に切り替えできます。
データ保持
設定の「データ保持」より、データの保持期間を設定できます。
初期設定では、2カ月です。
最長で14カ月まで設定できるため、必要に応じて保持期間を変更してください。
データフィルタ
設定の「データフィルタ」から、任意のイベントを除外、あるいは追加できます。
特定のIPアドレスによるイベントを除外できるため、自分のアクセスを計測したくない場合などに便利です。
イベント設定
Webサイトの運営目的にあわせて、任意に計測するイベントを追加できます。
設定の「イベント」の「イベントを作成」ボタンをクリックしてください。
必要事項を入力すると、その内容がカスタムイベントとして送信されます。
把握したいユーザーのアクションに応じて設定してください。
コンバージョン設定
設定の「コンバージョン」より、コンバージョンとして認識するイベントを選択可能です。
新しいコンバージョンイベントを追加することもできます。
まとめ
UAの終了アナウンスにともない、Web担当者の方はGA4への移行を迫られています。
こちらの記事では、UAからGA4への変更点を具体的に解説しました。
2023年7月移行はGA4の利用を余儀なくされますが、それまではデータ計測の方針によって様子を見てもいいでしょう。
情報が充実していないなか無理に移行を進めると、担当者に負担が生じることも考えられます。
今すぐ移行すべきか、あるいは保留すべきか、柔軟に検討してください。
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