オフィスの印刷業務を効率化させる上で、「複合機」の活用が欠かせません。
業務上、月間印刷枚数が多くなる場合は、適切な印刷速度の業務用複合機を導入しましょう。
今回は、複合機の基礎知識や選び方、主要メーカーについてご紹介します。
複合機とは?
複合機とは、コピー(複写)機能や印刷機能、スキャン機能、FAX機能など、オフィスワークに欠かせない機能を多数備えるOA機器のことです。
まずは複合機の基礎知識をおさらいするとともに、家庭用プリンターとの違いを解説します。
複合機とプリンターの違い
複合機とプリンターの大きな違いは、機能面にあります。
プリンターは、印刷に特化したOA機器であり、PCやスマートフォンから送信されたデータを紙に出力します。
対照的に、複合機は印刷だけでなく、コピーやスキャン、FAXなどの機能が一台に集約されています。
多種多様なタスクを一台で処理できることから、複合機はオフィススペースを効率よく活用できるOA機器といえるでしょう。
また、さまざまなコスト面にも違いがあります。
プリンターは印刷に特化しているため、本体価格や印刷コストは低めです。
一方の複合機は高価であり、設置費用や印刷コスト、メーカーサポートなどの保守費用も割高です。
ただ、長期的に見ると複数のOA機器を個別に購入する必要がないため、費用対効果の高さがうかがえます。
複合機の種類
一般的に複合機は「インクジェット」と「レーザープリント」の2つに大別されます。
インクジェットは、微細なインクの滴を紙に吹きつける印刷方式です。色の再現性に優れており、写真やカラー印刷を得意とします。
一方のレーザープリンターは、ドラムと呼ばれる「感光体」にレーザーを照射し、トナーという粉を吹きつけ、熱・圧力で紙に定着させて印刷します。
インクジェットよりも印刷品質や印刷速度に優れるため、ビジネス文書などを大量に印刷する際に重宝します。
インクジェットとレーザープリントは、それぞれに長所と短所があります。
利用環境や業務内容、用途などを考慮し、自社に最適な方式を選ぶことが大切です。
複合機の主な機能
今一度、複合機の主要機能についてご紹介します。
コピー機能・プリント機能(印刷機能)
コピー機能は、紙の資料を複写する機能で、オフィスワークにおける資料作成や書類の複製に使われます。
そして印刷機能は文字通り、インクジェットまたはレーザーにより、取り込んだデジタルデータを紙に印刷する機能のことです。
複合機の印刷の仕組みについて、インクジェットを例に見ていきましょう。
まず、印刷は帯電・露光・現像・転写・定着といった5つの工程で行われます。
インクジェットの印刷方式には、「ピエゾ方式」と「サーマル方式」の2種類があり、それぞれ印刷の仕方が違うのです。
ピエゾ方式では、「圧電素子(ピエゾ素子)」と呼ばれる特殊な素子を用います。
この素子は電圧に反応して体積が変わる性質を持ち、それを利用してインクの粒子をノズルから噴出させるのです。
対してサーマル方式は、ノズル内のインクを加熱して気泡を生成し、それがインクを押し出してノズルから噴出させる仕組みです。
これらの仕組みにより、デジタルデータを紙に印刷することが可能となっています。
スキャン機能
スキャン機能とは、紙ベースの原稿を読み取り、デジタルデータに変換する機能のことです。
具体的には、原稿を複合機の原稿ガラスまたは自動原稿送り装置(ADF)にセットしてスキャンします。
スキャンされたデータは通常、PDF・JPEGなどのファイル形式で保存されます。
複合機と接続したPCやオンラインストレージのフォルダに直接保存する機能もあり、業務効率を大きく向上させるでしょう。
直接共有フォルダやデスクトップに保存できる便利な機能も備わっています。
スキャン機能はオフィスワークのあらゆるシーンで重宝します。
たとえば、会議資料や報告書をスキャンし、参加者全員にメール送信することで、情報共有をスムーズに行えます。
FAX機能
FAX機能は、取り込んだ原稿データを様々な機器にFAXで送る機能です。
複合機でFAXを利用する方法は、大きくわけて3つあります。
ひとつは、通常のFAX機器と同じく、電話回線を介してFAXを送信します。
大抵の場合、複合機の操作パネルで送信先のFAX番号を入力します。
2つ目は、ビジネスフォンの主装置を介して複合機に接続する方法です。
通常の電話回線を使う方法に比べ、通信コストを抑えやすいのが魅力でしょう。
3つ目インターネットFAXサービスを利用する方法です。
複合機をインターネットに繋ぐことで、PDFなどにデータ化した原稿データを様々なデバイスに直接送信できます。
複合機とは?|主要メーカーの特徴
ここでは、複合機の主要メーカーにおける機種の特徴を解説します。
シャープ(SHARP)
「シャープ」の複合機は、総合的なバランスを重視した機種が多く、大量印刷の必要が少ない中小企業や個人事業主におすすめです。
具体的には、使いやすさ・耐久性・デザイン性・印刷品質・印刷速度・セキュリティ機能において、いずれも高水準を誇ります。
軽量ボディと省スペース設計により、オフィス空間を有効活用できる機種が多数あります。
セキュリティ面では、一部機種にICカードによるユーザー認証やデータの自動消去機能が備わっており、機密性の高い資料も安全に扱えるでしょう。
富士フイルム(旧富士ゼロックス)
「富士フイルム」はレーザープリンターや複写機などの製造販売に加え、文書管理のコンサルティングサービスを提供するメーカーです。
その複合機は印刷精度や色彩の再現性が高く評価されており、デザイン系の企業における導入実績が多数あります。
製品ラインナップは多岐にわたり、静音タイプや顔認識機能を備えた機種が人気です。
キヤノン(CANON)
「キヤノン」の複合機は、印刷品質や操作性、コストパフォーマンス、保守メンテナンスに定評があります。
印刷コストを抑えながらクリアに印字できる機種が多いため、大量のビジネス文書を刷る頻度の多いオフィスに最適です。
また、同社は全国に約200の保守拠点を設置しており、トラブル発生時は迅速なサポートが得られます。
リコー(RICOH)
「リコー」の複合機は、印刷品質と印刷速度のバランス、そしてコストパフォーマンスに優れる機種が豊富です。
たとえば、同メーカーの複合機には指定した2色のみ使用する「2色プリント機能」を備えており、視認性の高い印刷を低コストで行えます。
さらに、原稿や希望する仕上がりに応じて画質を微調整する「画像調整機能」などもあり、コスト削減に有効でしょう。
コニカミノルタ(KONICA MINOLTA)
「コニカミノルタ」の複合機は、耐久性と印刷品質、デザイン性に定評があります。
その洗練されたデザインから、オフィスのインテリア性を重視するデザイン事務所や設計事務所において高く評価されています。
同メーカーの複合機は「Postscript3互換」を標準搭載しており、Windows PCとMacの両方で利用できます。
この互換性により、デザイン事務所などで一般的なMacとの相性に優れます。
実売価格20万円から400万円と幅広い価格帯で、多様なビジネスニーズに応えているメーカーです。
日本の複合機は世界トップクラス?
IT専門調査会社である「IDC」が2020年に公表した統計データによると、コピー機・複合機のメーカー別導入率は、以下の通りです。
- 1位:リコー
- 2位:キヤノン
- 3位:コニカミノルタ
- 3位:4位:富士フイルム
- 5位:京セラ
上記は2020年時点における「世界のオフィス」を対象とした導入率です。
上位5社すべてが国内メーカーで、世界市場の過半数を日本のコピー機・複合機メーカーが独占している状況にあります。
複合機とは?自社に最適な機種を選ぶポイント
ここでは、自社に最適な業務用複合機の選び方を3つのポイントから解説します。
スペックで選ぶ
複合機選びでは、印刷品質や対応する用紙サイズ、ネットワーク接続機能の有無などが重要ですが、そのほかにも考慮すべきポイントがあります。
たとえば、印刷速度です。
月間印刷枚数から逆算することで、自社に最適な印刷速度がわかります。
具体的にいうと、月間印刷枚数が5,000枚程度の場合、1分間に25枚程度を印刷できる「25枚機」がおすすめです。
なお、用紙サイズに関しては、主にA4を使う場合はA4複合機がよいでしょう。
A3印刷を頻繁に行う場合は、A3複合機が適しています。
導入方法で選ぶ
業務用複合機の導入方法は「リース」「レンタル」「一括購入」の3つにわかれますが、もっとも一般的なのはリースです。
業務用複合機のリース契約では、リース会社が所有する複合機を一定期間借りる形になります。
契約期間は3〜6年で、基本的に中途解約はできません。
リースの場合、所有権はリース会社にあるため、期間終了後は基本的に返却が必要です。
また、所有権がリース会社にあるため、減価償却や固定資産税などの手続きが不要になります。
各種コストはもちろん、運用にともない事務負担まで軽減できるのが魅力です。
予算やランニングコストで選ぶ
印刷速度が速い機種は本体価格が高く、印刷コストも割高です。
最新機種は印刷速度も早いですが、社内ニーズや用途によっては、オーバースペックになる可能性があります。
ランニングコストをできるだけ正確に算出し、予算内で導入できるメーカー・機種かの複合機を選びましょう。
業務用複合機とは?|主な導入事例は?
スターティアでは、業務用複合機のリース/レンタルサービスを提供しております。
ここでは、当社サービスをご検討いただいた企業様のお声をご紹介します。
「カカハウス株式会社」様の導入事例
「カカハウス株式会社」様は、リフォームや賃貸物件の仲介事業、リノベーション・コンバージョン事業を手がける企業様です。
開業当時、複合機を中心とするオフィスのインフラ設備に悩まれておりました。
「新設法人でもリース契約ができる」といった条件で業者を探した結果、スターティアにご相談いただいたとのことです。
弊社担当者が月間印刷枚数や各種ご要望を伺い、最適な複合機をご提案させていただきました。
【関連ページ】
https://www.41copy.jp/voice/voice56/
「株式会社三永商社」様の導入事例
「株式会社三永商社」様はアクセサリーや輸入雑貨の卸売・小売事業、デザイン事業をされている企業様です。
創業当時から数年間、家庭用のインクジェットプリンターとFAXの併用により、印刷業務を処理されておられました。
しかし、用紙の使いわけやインクの問題から業務効率が低下し、たびたびトラブルも起きていたと伺っております。
新たにデザイナーが入社し、印刷ニーズが増加した際、当社の複合機リース/レンタルサービスをご検討いただいたとのことです。
弊社担当者がご提案させていただいた新型複合機により、印刷の順番待ちがなくなり、ミスやトラブルも大きく減ったと喜びのお声を頂戴しております。
【関連ページ】
https://www.41copy.jp/voice/voice53/
まとめ
現代のオフィスワークに欠かせない複合機は、社内環境や用途、予算に応じて自社に最適な機種を選びましょう。
新オフィス開業にともない複合機を導入される企業様、リース期間満了などで入れ替えを検討されている企業様は、スターティアの「コピー機・複合機リース/レンタルサービス」をご検討ください。
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【著者・監修者企業】
弊社はパソコン周り、オフィス環境、法律の改正、コスト削減など、ビジネスに関わるお困りごとの解決策を提供する当サイト「ビジ助channel」を運営しています。
資格
一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391
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