業務用エアコンを長年使用し続けていると、不具合が目立つようになってきます。業務用エアコンが何年使えるのか、気になっている方は多いかもしれません。そこで、この記事では耐用年数に関する基本的な知識や業務用エアコンの耐用年数について解説します。寿命を延ばす方法や、現実的な買い替えタイミング
についてもお話ししますので、オフィスに設置している業務用エアコンがいつまで使えるのか気になっている場合は、是非参考にしてみてください。
3種類の耐用年数
業務用エアコンの寿命・耐用年数について解説する前に、耐用年数の基本的な概要についてお伝えします。
耐用年数とは、償却性の資産が使用に耐えうる年数のことです。実際には3種類の耐用年数があり、状況に応じて使い分けられます。以下では「法定耐用年数」「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」という3種類の耐用年数について解説します。
法定耐用年数
法定耐用年数は会計処理で参照する耐用年数であり、物品に応じて定められています。法定耐用年数は会計処理のときに用いるだけではなく、寿命の指標としても認識されています。ただし、実際に法定耐用年数で寿命を迎えるとは言い切れません。業務用エアコンを使える期間は、使用状況や環境に大きく依存します。
物理的耐用年数
物理的耐用年数は部品ごとに設定されている耐用年数であり、メンテナンスを行うことで本来のパフォーマンスを維持できる期間を意味します。業務用エアコンの部品にも物理的耐用年数が定められています。例として、フィルターの物理的耐用年数は5年、防振ゴムは10年です。
定期的なメンテナンスを継続している限り、物理的耐用年数の期間内は特に問題なく使えると考えられています。こちらも、物理的耐用年数が経過したからといってただちに寿命を迎えるわけではありません。
経済的耐用年数
経済的耐用年数とは、ランニングコストの増大から買い替えを検討しなければならなくなるまでの年数です。少し不調が見られる程度であれば、メンテナンスを続けながら使用をしていく選択肢もあるでしょう。しかし、メンテナンス費用がかさみ、買い替えのほうがお得になると考えられる場合は、経済的耐用年数が経過したと言えます。経済的耐用年数は法定耐用年数や物理的耐用年数のように設備によって決まっているものではありません。利用方法や利用環境で長寿命化できます。
業務用エアコンの寿命と法定耐用年数
業務用エアコンの寿命と法定耐用年数についてお話しします。
寿命と法定耐用年数の違い
法定耐用年数が減価償却費を決算書に計上する際に参照されます。言いかえれば、税法上で定められた寿命です。ただし、実際に使用している設備は法定耐用年数で寿命を迎えるとは限りません。実際の寿命は、手入れの頻度や稼働状況、使用環境などさまざまな要素に左右されます。法定耐用年数よりも短期間で寿命を迎える場合もあれば、法定耐用年数を大幅に超えても問題なく使えるケースがあるでしょう。法定耐用年数はあくまで寿命の目安として考えることが大切です。
一般的な業務用エアコンの寿命
業務用エアコンは、一般的にどの程度の期間使えると考えるべきなのでしょうか。上記のとおり、使用状況や環境によって異なるため、一概に寿命を決めることはできません。しかし、一般的に業務用エアコンの寿命は10~15年だと考えられています。設置から10年以上経過している場合は、不具合が多くなったり空調効率が悪くなることが考えられます。そうした場合は、買い替えを検討してもよいでしょう。
業務用エアコンの法定耐用年数
- 業務用エアコンの法定耐用年数は以下のように定められています。
- 建物に設備として導入されている業務用エアコン(22キロワット超):15年
- 建物に設備として導入されている業務用エアコン(22キロワット以下):13年
- 備品として導入されている業務用エアコン:6年
設備・備品を分類する基準となるのはダクトの有無です。
業務用エアコンの寿命・耐用年数が短くなる要因
業務用エアコンの寿命・耐用年数は使い方によって大きく変わります。以下のような使い方は寿命を縮める要因になるため、注意が必要です。
メンテナンスをしていない
業務用エアコンは定期的なメンテナンスを行うことを前提として設計されています。そのため、適切な手入れをせずに使い続けていると、法定耐用年数よりもはるかに短い期間で使えなくなってしまうことがあります。5年程度で空調効率が悪くなってきた、音がうるさいなどの機能低下が見られる場合は、メンテナンス不足かもしれません。
悪条件で使用している
使用する環境によっては、業務用エアコンの寿命が短縮されます。特に好ましくないのが、飲食店や工場です。油分やホコリが業務用エアコンの内部に侵入するため、内部の劣化が通常よりも早く進んでしまいます。こうした環境では、メンテナンス頻度を多くするなどして少しでも劣化を防ぐことが大切です。
長期間使用していない
長期間使用しない場合も、業務用エアコンの劣化が進むケースがあります。そもそも設備を利用する機会が少ない場合は、年間をとおして業務用エアコンが利用されないこともあるでしょう。1年以上使っていない場合、内部の劣化から故障してしまいやすくなります。空調の必要がない場合、3カ月に1度程度は試運転を行いましょう。
業務用エアコンを長持ちさせるためのポイント
業務用エアコンを可能な限り長く使い続けるためには、どんなことを心がけるべきなのでしょうか。
意識していただきたいのは、メンテナンスとクリーニングをこまめに行うことです。業務用エアコンの状態に関わらず、定期的にメンテナンスを実施しましょう。
このような予防保全を行っている場合とトラブルが確認されてから対応する事後保全しかしていなかった場合では、寿命が2倍程度変わると考えられています。事後保全を行うと一時的に状態が回復しますが、その後の寿命が大きくのびることはありません。業務用エアコンを長く良い状態で使い続けるためには、予防保全を徹底することが大切です。
2~3年に1度は、業者による定期点検が必要です。
加えて、利用者側でも日常的に清掃などを行うことをおすすめします。特にフィルターには汚れがたまりやすいため、頻繁にチェックして清掃を行いましょう。工場・飲食店に代表されるような業務用エアコンにとって悪条件となる環境では、2~3週間に1度程度の感覚でフィルターの清掃を行うと理想的です。
フィルターを清掃する際は、付着しているホコリを掃除機で取り除きましょう。細かい部分のホコリや油汚れを除去するには、中性洗剤と歯ブラシが役立ちます。水分がついたまま放置するとカビが繁殖するため、ドライヤーやタオルで乾かすことも忘れずに。
利用者側で日常的なメンテナンスを行うことは大切ですが、汚れを取り除ききれないこともあります。特に、フィルターから奥の部分は、一般的な方では清掃が困難です。メンテナンス作業難しく感じる場合は、無理をせず業者にサポートを依頼してください。
また、異音や空調効率の低下など問題を感じた場合は、放置せずなるべくはやく業者に相談しましょう。
対策が遅れると、業務用エアコンの寿命を大幅に縮めてしまう可能性があります。
業務用エアコンの買い替えタイミング
上記のように、一般的に考えられている業務用エアコンの寿命は10~15年です。また、業務用エアコンのメーカーはそれぞれ、部品の保有期間を定めており、保有期間が過ぎた部品に関してはメーカーが在庫を確保していない可能性があります。
また、注目していただきたいのが現在使用している業務用エアコンの冷媒です。R22冷媒が使用されている業務用エアコンは、可能な限り早く買い替えることをおすすめします。
R22は、温室効果ガスが使用されている冷媒です。少ない容積で高い冷凍能力を実現できることから、2000年以前の業務用エアコンでは一般的な冷媒として使用されていました。しかし、環境への悪影響から生産量の削減が進み、ほとんどのメーカーは新しい冷媒への移行を済ませている状況です。
R22の冷媒が使われているエアコンは、オゾン層破壊、地球温暖化への影響から2019年末で国内製造が全廃されています。したがって、部品の欠品により修理できなくなることが予想されます。
冷媒がわからない場合は、室外機に貼り付けてあるシールを確認してください。型式などと並び、使用されている冷媒の種類が記載されています。特に2000年以前に製造された業務用エアコンの場合にはR22が使用されている可能性が高く、現在も市場の30%のエアコンにはR22が使用されていると言われています。
まとめ
業務用エアコンの耐用年数・寿命は10年が目安です。10年以上使っている業務用エアコンは、空調の効きが悪くなる、異音がする、電気代が高くなるなど、問題が目立つようになります。また、適切なメンテナンスを行っていない場合、10年たたずに寿命が来てしまう場合があります。業務用エアコンの寿命をのばすためには、利用者による日常的なメンテナンスと、プロによる定期的なメンテナンスが必要です。
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資格
一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391
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