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2022-08-05 13:51:38

電気代を削減できる?電子ブレーカーの特徴と一般的なブレーカーとの違い

電気代を削減できる?電子ブレーカーの特徴と一般的なブレーカーとの違い

ブレーカーといえば、過剰な電力使用を検知して電流を遮断する安全装置として認識している方が多いでしょう。
設備を守るために導入されているブレーカーですが、その仕組みから電気代を増大させる原因になっていることも少なくありません。
そうした従来のブレーカーの問題をクリアした新しいタイプのブレーカーが、電子ブレーカーです。
この記事では、この電子ブレーカーの概要や一般的なブレーカーの違い、導入によって得られる電気代削減効果などについて解説します。


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電子ブレーカーとは

電子ブレーカーとは、施設に設置されるブレーカーの一種です。
ブレーカー内に電流を測定するCPUが内蔵されています。
このことから、プログラミングによる細かな電流の制御が可能です。
設置には条件があり、一般家庭で電子ブレーカーが導入されることはありません。
一方、工場などでは電子ブレーカーが広く採用されており、電気代の節約に貢献しています。

電子ブレーカーと通常のブレーカーの違い

電子ブレーカーにはどういった特徴があるのでしょうか。
電子ブレーカーの特徴を、通常のブレーカーと比較して解説します。

通常のブレーカーの原理

ブレーカーの役割は、規定の電力使用を超えた時に電流を遮断することです。
そのため、一般家庭で電子レンジ、ドライヤーなど、電力消費が大きい機器を同時に使った際には、ブレーカーが落ちて電気が使えなくなることがあります。

一般的な家庭に設置されている通常のブレーカーは、規定されている上限を超える電力仕様を検知すると、すぐに電気を遮断します。
この機能は、設備に過度の負担がかかるのを防ぐための安全機能です。
しかし、その家庭や施設での日常的な電力使用ですぐにブレーカーが落ちてしまう場合は、不都合が生じてしまいます。

こうした事態に対処するためには、契約内容の変更が必要です。
契約容量を大きくすることでブレーカーが落ちにくくなります。
ただし、電気の契約では電力消費が少ない場合も決まった基本料を支払わなければなりません。
このことから、通常のブレーカーは電気代コスト節約の点では大きな課題を抱えています。
また、通常のブレーカーは電気で発生する熱によって電流の遮断を判断する熱感知式が採用しています。
熱は外気の影響を受けるため、正確な測定は困難です。
このことから、通常のブレーカーは環境によって動作がアバウトな点も問題として指摘されています。

電子ブレーカーの原理

電子ブレーカーは、CPUによって電流値と動作時間を細かく測定し、電流を制御します。
内部の電流を正確に測定し、常に危険がないか確認しながら制御するのが特徴です。
通常のブレーカーとは異なり、上限を超える電流が検知されたとしても、すぐに電流を遮断することはありません。
この機能により、契約容量を一時的な電力消費の上限に合わせて設定する必要はなくなります。
このことから、電子ブレーカーの設置は電気代の節約に有効だと考えられています。

電子ブレーカーのメリット・デメリット

電子ブレーカーの設置によるメリットとデメリットについて解説します。

電子ブレーカーのメリット

電子ブレーカーのメリットは、上記の通り電気代が安くなることです。

通常、ブレーカーが落ちるのを防ぐために契約容量を大きくしなければなりません。
特に、工場などでは急に電力が遮断されると故障や従業員のケガにつながる機械も多いことから、大きめの容量で契約しなければならないケースが大半です。
しかし、実際には上限まで電力を使うような場面は少なく、日常的に支払っている電気の基本料金が無駄になっていることがあります。

一方、電子ブレーカーの場合はCPUで電流の細かな制御を行うため、無駄に契約料量を大きくする必要がなくなります。
製品によってはブレーカーの作動前に通知してくれる機能が搭載されているため、機械の使用を調節することも可能です。

電子ブレーカーのデメリット

一方で、電子ブレーカーの導入には以下のようなデメリットも指摘されています。導入に際しては注意が必要です。
 

容量の選定が難しい

電子ブレーカーは契約容量の範囲内で適切に電力を使用できるようになる仕組みです。
契約容量が小さすぎる場合は、電子ブレーカーを使用していてもブレーカーが落ちてしまいます。
対して、契約容量を適正容量よりも大きくすると、電子ブレーカー導入による恩恵は受けられません。
適正な容量の選定は、慎重なシミュレーションが必要な難しい作業です。
 

悪徳業者が存在する

電子ブレーカーの本体価格や導入費用は、容量によって大きく変わることはありません。
しかし、設置事業者のなかにはこのことを明かさず、導入メリットだけを根拠に高額な請求をしてくる悪徳業者が存在します。
事業者の選定には慎重な判断が必要です。
 

導入コストがかかる

導入コストの高さも電子ブレーカー導入のデメリットとして挙げられます。
買い取りであれば、50万円前後の費用が発生します。リースであれば、月々1万円程度の支払いが必要です。
この費用負担に題してどの程度の導入メリットがあるのか、慎重にシミュレーションを行ってから導入を決める必要があります。


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電子ブレーカーでどれくらい電気代を削減できる?

電子ブレーカーの導入によってどれだけ電気代を削減できるのでしょうか。
電気ブレーカーを導入したある施設の例を見てみましょう。
 

電子ブレーカー導入前 電子ブレーカー導入後
契約容量 40kW 27kW
基本料金 4.7万円 2.8万円

【出典】電子ブレーカーとは?仕組みや価格、耐用年数などを解説
https://business.enechange.jp/blog/electronic-breaker

上記のとおり、電子ブレーカーを導入したとしても契約容量の選定には慎重な判断が必要です。
契約容量は施設の電力使用状況によって異なります。
しかし、一般的には電子ブレーカーの導入によって契約容量・基本料金は半分前後になる見込みです。
 
この施設では、電子ブレーカーの導入によって年間23万円の基本料金削減に成功しています。
導入費用として55万円発生しているため、2年間で回収可能です。
また、一般的に電子ブレーカーの耐用年数は10年程度と考えられているため、導入費用の回収以降も8年程度はこの基本料金を維持できるでしょう。

電子ブレーカーを導入するための条件は

電子ブレーカーは、低圧電力向けの設備です。
 
低圧電力とは契約電力が50kW未満の施設のことで、小規模な事務所や工場、マンションなどが該当します。
契約電力50kWの契約は「高圧電力」に分類され、電子ブレーカーの導入はできません。
 
電子ブレーカーを導入できるか確認したい場合は、まず自社施設が低圧電力で契約しているか調べてみましょう。
また、屋上に高圧受電設備(キュービクル)があるかどうかで判断する方法もあります。
低圧電力の契約の場合、屋上に高圧受電設備は設置されていません。
 
低圧電力の契約は、電灯契約と動力契約の2種に分類されます。
電灯契約は一般家庭を主な対象とした電気利用が少ない施設向けの契約です。
対して、動力契約は大型機器の稼働を想定した法人向けの契約です。
 
さらに、動力契約は負荷設備契約と主開閉器契約の2種に分類されます。
電子ブレーカーを導入するためには、主開閉器契約に変更しなければなりません。

電子ブレーカーの導入で電気代が安くなるかどうかは慎重な考慮が必要

電子ブレーカーは無条件に電気代が安くなる設備だと思われがちです。
しかし、条件によっては期待していた電気代削減効果が得られないこともあるため、導入に際しては慎重な判断が求められます。
電気代削減効果を期待して電子ブレーカーの導入を検討している場合は、以下のような注意点についてもおさえておきましょう。

負荷設備契約のほうがお得な場合もある

負荷設備契約は使用する電気機器の総容量から一定の電力を契約する方式です。
電気の使用状況にかかわらず、常に一定の電気代を支払います。
 
電子ブレーカーを導入するためには、主開閉器契約が必要です。
負荷設備契約では電子ブレーカーを導入できません。
 
ただし、設備の電力使用状況によっては負荷設備契約のほうがお得な場合があります。
24時間機器をフル稼働させるような施設では、負荷設備契約を継続したほうがお得です。

電力使用規模が小さすぎると導入費用を回収できない

前提として、電子ブレーカーはある程度電力使用が多い施設向けの設備です。
電力使用規模が小さすぎる場合は必然的に電気代削減効果も小さくなります。
そのため、そうした施設では明確な電気代削減効果を実感できないケースがほとんどでしょう。
 
例として、電気ブレーカーの導入によって契約容量を下げられるようになり、月々の基本料金が3,000円安くなったと考えてみましょう。
年間の削減効果は36,000円足らずです。
電気ブレーカー導入には50万円程度の初期費用がかかるため、10年経過しても導入費用を回収できないことになります。
 
このことから、電子ブレーカーの導入を検討している場合は、当該施設の電力使用量と照らし合わせたコストシミュレーションを行うことが重要です。
 
一般的に、契約電力が10~15kWであれば、電子ブレーカー導入による明確な電気代削減効果が得られ、現実的に投資額を回収できると考えられています。

まとめ

導入に際していくつかの注意点はあるものの、電子ブレーカーの導入によって電気代の削減効果を得られることは確かです。
現状、容量の大きいプランで契約している施設であれば電子ブレーカーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
契約容量の小さいプランへの変更が可能になり、月々のランニングコストが大きく減少するかもしれません。

 
ただし、業者は慎重に選ぶことをおすすめします。容量の設定には経験と技術が必要です。
ノウハウがない業者を利用すると適正ではない容量を設定され、ブレーカーが頻繁に落ちてしまうかもしれません。
また、導入メリットばかり押し付けて契約を無理やり迫る業者、高額な導入費用を請求してくる悪徳業者にも気をつけましょう。

 
スターティアでは、電子ブレーカーの導入サポートを実施しています。
 
電気基本料の削減方法について検討している企業様は、ぜひご相談ください。
 

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