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2023-12-05 09:00:30

VPN構築の基礎知識!セキュアな拠点間通信を低コストで実現しよう

VPN構築の基礎知識!セキュアな拠点間通信を低コストで実現しよう

セキュアな社内ネットワークの構築に欠かせない仕組みが「VPN」です。
リモートワークが増加した昨今、業務でVPNを活用する企業も増えたことでしょう。
そこで今回は、VPN構築の基礎知識を解説します。

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VPN構築の基礎知識

VPNは、仮想の専用回線を利用し、セキュリティレベルの高い社内ネットワークなどを構築する技術です。
まずは、VPNの特徴や仕組みから見ていきましょう。

VPNとは?

VPN(Virtual・Private・Network)は、インターネットなどの公開されたネットワークを利用して、仮想的なプライベート・ネットワークを構築する技術です。

VPN上ではドラフィックデータが暗号化されるため、第三者による不正アクセスやサイバー攻撃、情報漏リスクなどから保護されます。

そもそも、この仕組みは通信事業者が有するインフラを使い、複数の拠点の間で安全なデータ通信を行うために開発されました。
国内外に多数の拠点を有する企業、外部から自社システムにアクセス頻度が多い企業にとって、VPNは欠かせない仕組みといえるでしょう。

主なVPNの種類

VPNには「インターネットVPN」「エントリーVPN」「IP-VPN」「SSL-VPN」といった4つの種類があります。

ここでは、各VPNの種類と特徴をご紹介します。
 

インターネットVPN

インターネットVPNとは、パブリック・インターネットを活用して構築される仮想の専用ネットワークです。

低コストでVPNを構築したい企業、使用デバイス数が少ない企業に最適なVPNとされます。

一般的には、接続したい拠点に特別なルーターを設置し、パブリック・インターネットを介して暗号化通信を行います。
アクセス権さえあれば遠隔地からも接続でき、物理的な距離に依存しないメリットがあります。

ただし、パブリック・インターネットを使用する場合は、高度なセキュリティ対策が必要です。
 

IP-VPN

IP-VPNは通信事業者の閉域ネットワークを活用することで、拠点間のセキュアな通信を実現するVPNの一種です。
原則、通信事業者の閉域ネットワークは契約者限定で利用できるため、必然的にセキュリティが高まります。

また、IP-VPNにはMPLS(Multi・Protocol・Label・Switching)という技術が採用されています。
この技術は、通常のIPヘッダー情報に変わって短い「ラベル」を使うため、高速なルーティングが可能となります。

IP-VPNはたびたび、オーソドックスなインターネットVPNと比較されます。
IP-VPNとインターネットVPNの主な違いは、セキュリティレベルと導入コストにあります。

IP-VPNは閉域ネットワークを利用するため、サイバー攻撃による被害や情報漏えいリスクを限りなく抑えられます。

一方のインターネットVPNはパブリックな通信回線を使用するため、常にセキュリティリスクにさらされます。
UTM (総合脅威管理)の導入をはじめ、社内ネットワークの徹底したセキュリティ対策が求められます。

ただ、IP-VPNの導入には相応のコストが必要です。
初期費用はもちろん、契約後の利用料金も割高なので、コスト面はインターネットVPNに軍配があがるでしょう。

 

SSL-VPN

SSL-VPNはSSL(Secure・Sockets・Layer)技術を採用したVPNの一種です。

Webブラウザが持つSSL技術を活用することで、特定のソフトウェアのインストールが不要となり、ネットワーク設定も容易となります。
さらにID/Password認証に加え、電話やメールによる多要素認証に対応します。

ユーザーごとに細かくアクセス権利を設定できルーターめ、近年はリモートワークを導入する企業でSSL-VPNを構築する傾向が見られます。
SSL-VPNでは、パブリック・インターネットまたは専用回線、どちらを介した通信においても暗号化できます。

接続方式は「リバースプロキシ方式」「ポートフォワーディング方式」「L2フォワーディング方式」にわかれ、それぞれ異なる性質を持ちます。
SSL-VPNはリモートやテレワークで重宝しますが、セキュリティリスクも存在するため、適切な導入・運用が求められます。

 

エントリーVPN

エントリーVPNは、これまでのインターネットVPNやIP-VPN、SSL-VPNのメリットを活かした、新しい仕組みのVPNサービスです。

このVPNは、パブリック・インターネットを利用しますが、閉域網を形成するためにセキュアな通信を可能にしています。
ただし、エントリーVPNでは「フレッツ網」などインターネット回線を使うので、帯域の保証がなく、通信速度がやや不安定な傾向にあります。

VPNにおいても高速かつ安定したデータ通信を求める場合、エントリーVPNは不向きかもしれません。

VPN構築の手順や必要機器

一般的にVPNは、以下の手順に沿って構築します。
 

  1. 必要機器の準備
  2. VPN設定
  3. データの暗号化・カプセル化・トンネリング
  4. VPN接続の確立

 
まず、「インターネットVPN用ルーター」をはじめとする専用機器を用意します。
この専用ルーターは、パブリック・インターネット上でセキュアなデータ通信を行うために欠かせません。

また、一部のデバイスで「L2TP/IPsec」や「OpenVPN」などのプロトコルを使用する場合、「VPNクライアントソフト」が必要です。
デバイスやOSによりVPNに使えるプロトコルが異なるため、事前にリサーチすることをおすすめします。

次に、VPN設定を行います。
VPN設定は「クライアントサイド」と「サーバサイド」にわけられます。
クライアントサイドでは、プロバイダーの情報を筆頭に、VPNに接続するための情報を入力しましょう。

一方、サーバサイドでは、接続を許可するクライアント情報やセキュリティ設定など、VPNサーバーそのものの設定をします。
それが終わったら、データの暗号化・カプセル化・トンネリングを行います。

カプセル化はデータを特定のパケットに包むこと、暗号化は、「IPsec」などの暗号化プロトコル(たとえばIPsec)を使用して、データを安全な形に変換することをいいます。

そしてトンネリングは、仮想的な通信路を拠点間に設けることです。
最後に、クライアントとサーバー間でVPN接続が確立されれば、利用可能となります。

これらがVPNの基本的な構築手順で、ほかのタイプは使用するルーターや回線の種類、データの転送技術・転送方法が変わります。

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VPN構築のメリット・デメリット

ここからは、VPN構築のメリット・デメリットをご紹介します。

VPN構築のメリット

 

通信内容が暗号化される

VPNでは送信元と受信先で認証を行った後、暗号化された通信を行います。
認証と暗号化を駆使することで、情報漏洩や改ざん、第三者による情報の傍受リスクが大幅に軽減されます。
万が一通信を傍受されても、その内容を分析するのは極めて困難です。
機密性の高いデータのやりとりが発生する企業において、暗号化は事実上必須の仕組みといます。
 

モバイル端末などでリモートアクセスができる

VPNの導入により、社内ネットワークへのリモートアクセスが簡単になり、場所にとらわれない働き方が可能です。
たとえば、外出先からスマホで社内のメールサーバーにアクセスし、そのままメールの送受信や閲覧ができるのです。
 

低コストでセキュアな拠点間通信を実現できる

VPNはパブリック・インターネットを基盤として仮想の専用線を構築します。

そのため、物理的に設置する専用回線に比べると、導入・運用コストを大幅に削減できるのです。

専用回線の設置は総じてコストがかかり、とりわけ拠点が遠隔地にある場合は、費用が増加します。

一方のVPNは導入の初期費用が安価で、距離による費用の変動もありません。
低コストでセキュリティな通信網を構築できる、優れた仕組みといえます。

また、VPNは専用ルーターやゲートウェイ、クライアントソフトがあれば比較的簡単に構築できます。
導入および運用の手間が少ないのもまた、大きな魅力といえます。

VPN構築のデメリットや注意点

ここでは、VPN構築のデメリットや注意点をご紹介します。
 

通信速度が低下する可能性

VPNを利用することで、通信速度が遅くなる場合があります。

理由は多岐にわたりますが、暗号化処理やサーバーまでの距離、プロバイダーの速度制限、セキュリティソフトの影響などが挙げられます。

とりわけインターネットVPNなどは、多くのユーザーが同時に接続するとサーバーの負荷が増え、通信速度が低下しやすいでしょう。
 

定期的なアップデート・保守が必須

VPN対応ルーターやクライアントソフトウェアをアップデートし、常に最新の状態に保つことが大切です。

これにより、新たなセキュリティ脅威に対処したり、既知の問題や脆弱性を修正したりできます。
また、VPNは構築後の保守も重要です。

VPNの接続ログをしっかりと監視し、異常な接続を発見したら速やかに対応することが求められます。
 

一部のVPNは導入コストが高い

通信速度や安定性、セキュリティ強度に定評があるIP-VPNなどは、導入コストが割高です。
サービスとして優れているのは間違いありませんが、用途や拠点数によっては、オーバースペックになる可能性があります。
「自社に最適なVPNはどれか?」をしっかりと比較検討し、費用対効果に優れるものを選ぶことが大切です。

VPN構築で考慮すべきセキュリティ対策とは?

VPNの種類によってセキュリティ強度に差があります。
セキュリティレベルの高いVPNを構築するには、通信事業者が独自に構築した閉域網を利用するIP-VPNやエントリーVPNを選ぶといいでしょう。
ここでは、VPN構築で考慮すべきセキュリティ対策について、簡単にご説明します。

デバイスのセキュリティ対策の徹底

ネットワークに接続する以上、社用PCなどのデバイスにおけるセキュリティ対策は必須です。

セキュリティ対策が不十分なデバイスでVPNに接続すると、その一台を機に、マルウェアなどがネットワーク内に広がる可能性があります。

とりわけ近年はリモートワークが普及し、さまざまなデバイスで社内ネットワークにアクセスする機会が増えました。
VPNも漏れなく、十分なセキュリティ対策を施したデバイスでの接続が求められます。

セキュリティリスクを持ち込まない運用

VPNの運用方法や、社内のITリテラシーに問題がある場合、セキュリティが脆弱な状態になることがあります。
従業員のセキュリティ意識を高める、テレワーク時にVPN接続を徹底する、二要素認証を導入するなどして、適切な運用方法を心がけましょう。
ユーザーがセキュリティリスクを持ち込まないよう、正しい運用を心がけることが大切です。

まとめ

システムの脆弱性を狙ったサイバー攻撃が増えている今、VPNなどを活用したセキュアな社内ネットワークの構築が重要となりました。
構築そのものは比較的簡単で、ITスキルのある人材がいればスムーズでしょう。

一方で、VPN構築のプロフェッショナルに依頼すれば、よりセキュリティレベルが高く、自社に最適化した社内ネットワークを構築できます。

スターティアでは、リモートワーク・テレワーク・在宅勤務のためのネットワーク環境構築サービスを提供しています。

新たなVPNの構築はもちろん、既存環境の通信速度や安定性の改善、セキュリティレベルの強化など、包括的なサポートを行っています。
VPNに関するお悩みは、スターティアが解決いたします。
ぜひ一度お問い合わせください。

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