コロナ禍で利用者が急増したものの一つにサブスクリプションがあります。
音楽や動画配信の利用が一般的でしたが、今やそれらに留まらず、さまざまなサブスクリプションが登場しています。
あなたの企業で取り扱っている商品やサービスでも、サブスクリプションを活用できるかもしれません。
そこで今回は、サプスクリプションとは何かについて解説するとともに、人気のサブスクリプションをご紹介します。
サプスクリプションとは
サブスクリプションとは、利用期間に対して対価を支払うビジネスモデルです。
厳密には少し異なるのですが、日本では「定額制サービス」と同等の意味で定着してきています。
ユーザーが利用する際には、「商品」や「サービス」に対してお金を支払うのではなく、
一定期間利用できる「権利」に対してお金を支払います。
月額1,000円で動画見放題、1週間500円で音楽聴き放題などのサービスがこれにあたります。
単位は月単位や週単位に限らず、四半期や年単位のものもあります。
ほとんどのサブスクリプションは、解約しなければ自動的に更新される仕組みになっています。
レンタルサービスと同じではないか?と思うかもしれませんが、
レンタルは特定の商品やサービスを一定の期間借りることであり、
期間内に別の商品やサービスと入れ替えることは基本的にできません。
例えば、レンタルで『A』というDVDを1週間借りると、1週間でその『A』しか見ることができません。
しかし、サブスクリプションで「1週間DVDを見る」という権利を購入した場合は、
何度でも新しいDVDに変更することができるというわけです。
ただしサブスクリプションの中には、ユーザーの意思で商品を選ぶことができないサービスもありますのでご注意ください。
サブスクリプションが人気の理由(ユーザー目線)
なぜこれほどにまでサブスクリプションの人気が高まっているのか。まずはユーザー側から見た人気の理由について解説します。
モノ消費よりコト消費
近年、多くのモノを持っていること(モノ消費)よりも経験や体験(コト消費)に価値を感じる人が増えてきています。
モノを購入するとそれを置く空間が必要となり、処分する際には手間もかかり、それを無駄だと考える人もいます。
こうした背景から特定のものを購入するのではなく、定額制で必要なモノやサービス(コト)を
必要な時に利用することができるサブスクリプションの人気が高まっているのです。
手軽に利用できる
サブスクリプションでは、一定期間内はどれだけ利用しても支払う費用は変わらないため
好きなものを好きなだけ使うことができます。
購入するとなると高額でなかなか手が届かないようなモノであっても
購入するのと比較するとはるかに安い金額で利用することが可能です。
万が一商品が気に入らなかったとしても、サービスの利用を中止したり、別の商品に取り換えたりすることもできます。
常に最新のものが利用できる
テクノロジーが発展するスピードは、日に日に増してきています。
車や家電製品なども、毎年新しい機能を持った商品が登場していますよね。
そうなると長期間同じものを所有するのではなく、その時々の最先端のものを使いたい、というニーズが出てきます。
サブスクリプションはこうしたニーズにも合致しているのです。
おうち時間が増えた
最後にご紹介するのは、コロナ禍特有の理由です。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの人がステイホームを実施しました。
おうち時間に楽しめるものを求めて、多くの人がサブスクリプションの動画や音楽視聴をはじめとしたサービスを利用したのです。
2020年春の緊急事態宣言によって、一気にサブスクリプションの利用者が増えたようです。
2021年に入って、またも緊急事態宣言下での生活を強いられることになっていますし、
解除された後も一定数の人は、まだまだおうちで過ごす時間が長くなることが予想されます。
サブスクリプションが人気の理由(企業目線)
ユーザーに人気があるということは、そこに商機があるということですが
企業側がサブスクリプションを提供する理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
継続的な売上が立てやすい
サブスクリプションは売り切り型ではなく、継続型のビジネスモデルです。
そのため、解約者は当然出てくるものの「利用者数×サービス単価」で、ある程度売り上げの試算ができます。
事前にどのくらいの売り上げが上がるのかが読みやすいことは新たな商品やサービスへの投資につながり、
より魅力的な商品やサービスをユーザーに提供しやすくなるため、ユーザーが離脱しづらく、新たなユーザーを獲得しやすくなります。
長期的かつ安定的な利益を得やすいビジネスモデルといえます。
新規ユーザーを獲得しやすい
購入してもらうよりも安い価格で商品やサービスを利用できることから、新規ユーザーを獲得しやすいです。
初月無料、数カ月無料といったキャンペーンなどを実施することで、さらにユーザーを獲得しやすくなります。
金額が少額であればあるほど、ある程度の満足が得られれば、そのまま継続してもらえる可能性も高くなります。
ターゲットユーザーが広がる
特に高額商品の場合、購入という形式ではターゲットにならなかった人でも、
サブスクリプションならばターゲットユーザーになる可能性があります。
また、購入するほどの魅力を感じていない場合も、利用ハードルが低いサブスクリプションであれば
「ちょっと試してみよう……。」というユーザーが出てくる可能性があります。
ユーザーデータをリアルタイムで取得できる
利用状況などのユーザーデータを継続的に入手できるため、そのデータを分析することで
より魅力的な商品やサービスを展開することができます。
例えば音楽や動画、ゲームなどのコンテンツ販売では、
データからどのようなジャンルがユーザーから求められているかを判断し、
今後どこに力を入れていけば満足度が上がるのかを予想できます。
コンテンツだけではなく、どのプランの利用者が多いのか
どのプランの離脱者が多いのかなどを分析することで、より魅力的なプラン設計をすることも可能です。
参入障壁が低い
サブスクリプション市場は、音楽、動画、ゲームといったコンテンツの提供サービスのイメージが強く、
自分たちの取り扱っている商品やサービスでは無理だと思う人も多いかもしれません。
しかし考え方次第で、さまざまなジャンルの商品やサービスがサブスクリプション化できるのです。
実際にどのようなサービスがあるかは、次の章でご紹介します。
人気のサブスクリプション
音楽、動画、ゲーム、本(漫画・雑誌)などのサービスはよく知られていると思いますので、
今回は近年注目度が上がってきている人気のサブスクリプションをご紹介します。
フードロスにも貢献!食事系サブスクリプション
食事系サブスクリプションには、大きく分けて宅配型と来店型があります。
宅配型では月々2,000円や5,000円といった定額で、健康食品やスイーツ、人気ベーカリーのパンなどが届きます。
中にはインスタ映えを意識したお皿やカトラリーがセットになった商品もあります。
宅配型の場合は、注文に対して商品を用意して発送するため、企業側で食材の無駄が発生せず、フードロスにも貢献できるといわれています。
来店型では、月々6,000円程度で1日1個アイスクリーム食べ放題、月々9,000円程度でラーメン1日1杯食べ放題、
月1,000円で200円のマカロンを毎日ひとつ無料、月々4,000円程度で1来店につきコーヒー1杯無料などがあります。
先に料金を支払ってもらうことがメリットとなるサービスもあれば、そのサービスが来店のきっかけになるものもあります。
新しさも安全性も得られる!自動車系サブスクリプション
高額購入品の一つである自動車。今自動車のサブスクリプションが話題となっています。
購入するには手続きが煩雑で時間がかかり、手放す時も手間がかかります。
また、保険やメンテナンスなどの費用についても気にしなくてはなりません。
しかしサブスクリプションであれば、手軽に新しい自動車に乗ることができ、手放すのも簡単。
自動車の場合、数カ月〜数年の期間で契約し基本的に途中解約できませんが、
初期費用を抑えて最新の安全性が高い車に乗れるというのは、大きな魅力ではないでしょうか。
もともとカーリースとして利用している人は一定数いましたが、
サブスクリプションとして新たにリリースされたことで注目され、利用者が増えています。
カーリースと自動車サブスクリプションに大きな違いはなく、提供する会社のサービスの違いによるところが大きいです。
どちらかというと、後者には任意保険やメンテナンス費用まで含めたプランなどが用意されていることが多く、より手軽に利用できるのではないでしょうか。
自動車以外にも、自転車、タクシー、飛行機、電車などの乗り物系サブスクリプションサービスがあります。
クローゼットがスッキリ!ファッション系サブスクリプション
代表的なサービスは、月10,000円程度でその人に合わせてスタイリストが選んだ全身コーディネイト(3点)が届き、
返却すれば何度でも新しいコーディネイトの洋服が届くというシステム。
クリーニングの必要もなく、似合わなかったりサイズが合わなかったりしてタンスの肥やしになる心配もありません。
最新の服を好きなだけ着られる上に、クローゼットをスッキリさせることができます。
最近ではメンズファッションのサブスクリプションも登場し、中にはジャケットを届けてくれるサービスもあるようです。
洋服だけではなく、バッグや時計、アクセサリーやネクタイといった小物や、ファッション関連ではコスメや香水などのサブスクリプションサービスもありますよ。
コロナ禍でも安心!学び系サブスクリプション
2020年春、新型コロナウイルスの影響で多くの学校が休校になりました。
その時からさらに注目を集めたのが、この学び系サブスクリプションです。
月々2,000円程度で複数教科の授業動画が見放題のサービスや、月々10,000円程度で個別指導が受けられるサービスなどがあります。
ターゲットは子供だけではありません。大人向けにビジネス知識の講座や、ビジネス英会話講座、資格取得講座の動画が見放題など、実にさまざまなサービスがあります。
最後に
サブスクリプションは、ユーザーにも企業にもメリットがあるビジネスモデルといえるでしょう。
音楽や映画の配信だけにとどまらず、実にさまざまなジャンルの商品やサービスがサブスクリプションで提供されています。
貴社で取り扱う商品やサービスでも、サブスクリプションに応用ができないか一度検討してみてはいかがでしょうか?
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【著者・監修者企業】
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資格
一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391
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