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2021-03-10 15:00:11

今話題の電子契約とは?メリットとデメリットを解説

今話題の電子契約とは?メリットとデメリットを解説

リモートワークが増えたことによって、紙の契約書の取り扱いが難しくなり、大きな注目を浴びている電子契約
利用してみたいとは思っていても、まだ一歩踏み出せていない会社も多いのではないでしょうか。
電子契約とはどういったものなのか、そのメリット・デメリットと併せて解説します。

電子契約について動画解説!

契約書の役割について

そもそも、契約書の役割とはなんでしょうか。
多くの場合、口頭でも契約は成立しますが、それだけでは後になって何らかのトラブルが生じる可能性が高くなります。
そのため『どのような契約を取り交わしたのか』ということを、証拠として残すのが契約書の役割です。
これまでの一般的な書面契約では、紙に契約内容を書き、そこに印鑑を押すことで、互いがその内容に合意したことを示します。
その後、契約書は書棚などに物理的に保管されます。

電子契約とは?

従来は紙面で作成していた契約書を電子ファイルで作成し、そのデータをインターネット上で受け渡し、
互いに印鑑の代わりに電子署名や電子サインを施すことで契約を締結するというのが電子契約です。
電子契約において印鑑の代わりとなる方法は当事者署名型(電子署名)と立会い型(電子サイン)の2パターンがあります。

当事者署名型(電子署名)

当事者署名型は、電子署名、電子証明書、タイムスタンプを用いた電子契約で認証の手間がかかり、
費用は電子サインと比べて高くなりますが、法的効力の高い本人認証が可能です。

立会い型(電子サイン)

立会い型は、電子サイン(+タイムスタンプ)を用いた電子契約で、メール認証を始めとした認証とシステムログを利用して本人であることを担保します。
当事者署名型と比べ導入は手軽ですが法的効力は弱くなります。
とはいえ、現状一般化しつつあるサービスの一つといえるでしょう。
ただし、タイムスタンプがなく電子サインのみの場合、文書を印刷して保存しなければ電子帳簿保存法違反となる可能性があるので注意が必要です。

書面契約と電子契約の違い

電子契約も『どのような契約を取り交わしたのか』を証拠として残す、という役割は紙面の契約書と同じです。
先ほどもお伝えしたように、口頭でも多くの契約は成立しますので、証拠として残すものが紙面でも電子ファイルでも問題はありません。
作成された電子ファイルデータは、その後サーバーに保管されます。
電子契約書という表現が使われることがありますが、電子ファイルは書面ではないため、正確には『電子契約』が適当です。
書面契約と電子契約には、以下のような違いがあります。

書面契約 電子契約
書類媒体 書面 電子データ(PDF)
署名方法 印鑑または印影、署名 電子署名または電子サイン
証明 契印・割印 認定タイムスタンプ
相互確認 原本の郵送、持参による受渡 インターネット通信
保管方法 書棚など サーバー
印紙 必要 不要

電子契約に関する法律

電子契約を利用する際に注意したい点の一つが、『法的な効力』です。
ここでは、電子契約に関する法律をご紹介します。

電子帳簿保存法(1998年7月施行)

正式名称は『電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律』です。
企業や個人事業者が紙で管理していた会計記録(契約書や発注書、領収書等)は書面で7年間保存することが義務付けられています。
しかし全て書面で保存することは非効率的であり無駄が多いので、『真実性の確保』『可視性の確保』など一定の保存要件を満たすことで、
例外的に帳簿書類を電子データで保存することを認めたのが、この法律です。
電子契約を導入する際には、電子帳簿保存法に対応したシステムであるかは必ず確認しましょう。

電子署名法(2001年4月施行)

正式名称は、『電子署名及び認証業務に関する法律』です。
契約書は、本人の意思で作成された文書である(文書の真正性)という証明が必要です。
民事訴訟法第228条4項では「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」とされているため、
この法律だけでは電子署名の場合成立しないことになってしまいます。
そこで施行されたのが電子署名法です。
「電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定する。」と定められていることから、電子署名がなされている文書でも、本人が署名したのと同等の法的効力が与えられることになるのです。

IT書面一括法(2001年4月施行)

正式名称は、『書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律』です。
IT書面一括法は顧客保護などの観点から、従来は書面交付や書面による手続きが義務付けられていた法律を一括で改正し、
顧客などの承諾を条件に電子メールをはじめとした電子的連絡手段による手続きで代替できることを定めた法律です。
政府が押印廃止を進めていることにより、2001年時点で除外されていた書面についても適用されるよう、方改正案が、国会に提出予定となっています。

e-文書法(2005年4月施行)

『民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律』と
『民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律』の通称がe-文書法です。
電子文書法とも呼ばれています。
この法律により、法人税法や会社法、商法、証券取引法などで保管が義務づけられている文書や
会計帳簿、請求書、領収書、見積書などについて、紙文書だけでなく電子化された文書ファイルでの保存が認められるようになりました。

電子契約のメリット

業務効率化

最も大きなメリットはこの業務効率化でしょう。
従来の書面契約では、以下のようなプロセスとたどる必要があります。
・文書を印刷、製本(袋とじ)
・契約書作成企業側の押印
・先方に郵送
・先方が押印して返送
・作成企業側に到着
この方法では、契約締結まで1週間以上かかることも少なくありません。
さらに完成した書面は物理的に書棚などに保管されるため、必要になった際に探し出すのにも手間がかかります。
一方、電子契約では、印刷・製本・郵送といったプロセスが不要となるため、作業が減る上、大きな時間の削減もできます。
そして監査の際などに契約書の確認が必要な場合も、検索機能を利用することで簡単に見つけることができます。

コスト削減

業務効率化に伴い、コストも削減できます。
印刷代(用紙・インク)、封筒代、郵送代が削減できるのはもちろん、電子契約には印紙代が不要(※1)なので、その費用も削減できます。
印紙代は契約金額が大きいほど高くなり、数百円~数万円かかってきます。
例え数百円であったとしても、件数が多いと大きな金額となってしまいますよね。
この印紙代の削減は、ある程度インパクトのある削減になるのではないでしょうか。

他に、物理的な保管が不要となるため、場所の確保なども含めた保管に関するコストも削減することができますし、
業務が減ることで人件費も削減することが可能です。
業務プロセスをIT化するための費用はかかりますが、こうした費用削減の他に時間の削減ができることを考えれば、電子契約の方がコスト削減のメリットは大きいのではないでしょうか。

※1国税庁は課税文書を「紙の原本」と定義しており、電子データの契約書には印紙が不要

コンプライアンスの強化

企業にとって、コンプライアンス体制を強化することは重要な課題です。
電子契約はこのコンプライアンスの強化にも役立ちます。
書面契約では、誰がどのように契約書を締結しているのか、誰がいつ持ち出したのかなどを完璧に把握することは困難ですが、
電子契約システムを利用していれば、締結までに誰がどの契約書を作成・編集をしたのか、ステータスを管理できます。
電子契約を利用することによって、締結漏れや更新・解約漏れといったことを予防できる上に
データを改ざんされるリスクも軽減できます。
中には、閲覧履歴を管理することができるサービスもあり、さらにリスクを減らすことができます。

そもそも電子契約は、電子署名とタイムスタンプによって改ざんのリスクを減らすことができる点にメリットがあります。
書面契約で押す実印は、印影から模倣品を作成することができてしまう上に、それが模倣品であると見破ることは困難ですが、
電子署名であれば誰でも確認することが可能です。
また、紛失や消失のリスクにも対応できます
書面契約の場合、原本が紛失したり、消失したりすると、どうすることもできません。
もしコピーがあっても原本のような価値はなく、証拠としては使えないことも十分に考えられます。

しかし電子契約であれば、クラウド上に保管できるので、こうした紛失のリスクが軽減できますし、
バックアップを取っておくことにより万が一データを紛失してしまっても、簡単に復旧することが可能です。
このバックアップからの復元は、紙のデータでいうところのコピーのようなものですが、電子署名等の機能によって文書の正当性を担保できます。
電子契約システムで利用するクラウドサーバーは、一般企業のファイルサーバーよりも高いセキュリティ基準であるのもメリットの1つでしょう。

電子契約のデメリット

契約相手企業から理解を得る必要がある

自社で電子契約を導入したとしても、契約相手企業が受け入れてくれなければ、利用することができません
相手企業としては、契約業務の変更をするにあたり、各所に説明し承認を得て、ルールなどを整備しなければならないため、
「これまで通りで……」と言われてしまうケースも少なくないのです。
より高い法的効力のある電子契約サービスを利用する場合は特に、相手企業に大きな負担を強いることになります。
相手企業の負担も考えて運用のしやすい電子サイン型を利用するのか、法的効力が強く安心感のある当事者署名型を利用する
のか、判断が難しいところです。

社内の業務フローやルールを変更する必要がある

相手企業だけではなく、導入するには自社内の業務フローやルールを変更する必要があります
導入が完了すれば、業務効率がアップし、コスト削減になるとはわかっていても、そこまでの準備にかかる労力はデメリットといえます。

電子契約が利用できない場合がある

ほとんどの契約において電子契約が利用可能となっていますが、
2021年2月現在、消費者保護などを目的として、法律により書面化が必須の義務とされていて、電子契約が利用できない場合があります
例えば
『定期借地契約(借地借家法22条)』
『定期建物賃貸借契約(借地借家法38条1項)』
『不動産取引における重要事項説明書面等(宅地建物取引業法34条の2、35条、37条)』
『金融商品のクーリングオフ書面(金融商品取引法第37条の6)』
などが挙げられます。

今後、条件が変更となる可能性も考えられますが、自社の取り扱う契約で電子契約が利用できるのかどうか、
顧問弁護士などに確認してから電子契約を導入してください。

最後に

電子契約は法的効力が認められており、書面よりも安全な場合が多くあります。
企業によっては、電子契約の導入で大きな業務効率化とコスト削減が見込めるでしょう。
ただし、メリットだけではないので自社で運用していけるのか、検討も必要です。
電子契約の仕組みや機能はサービスによって異なっているので、自社の用途に合ったものを選ぶようにしてくださいね。

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