あなたの会社では、どのような採用活動を行い、どれだけのコストをかけていまか?
人材は企業にとって欠かすことができない存在ですから、採用には大きなコストがかかっているのではないでしょうか。
採用コストは削減することばかりを考える対象ではありませんが、できることはあります。
今回は、採用コストの削減や有効活用についてのヒントをご紹介します。
削減できるポイントを探す
①採用コストの洗い出し
まずは、自社が使っている採用コストを洗い出しましょう。
採用コストには、以下のようなものがあります。
外部コスト
・求人広告費
・人材紹介費
・採用イベント参加費
・説明会、面接の会場利用費
・採用HP作成費
・採用P R動画作成費
・パンフレット作成費
・採用コンサルティング費
・採用業務運営サポート費(アウトソーシング費)
・研修費(面接官トレーニングなど)
内部コスト
・人件費
・交通費
・宿泊費
・インセンティブ(リファラル採用時)
利用している項目ごとにかかっているコストをリスト化し、どの項目で多くのコストがかかっているのかを把握しましょう。
②費用対効果を確認
続いて、費用対効果がわかりやすい項目について見ていきます。
求人広告費
複数媒体を利用している場合、媒体ごとの費用対効果をリスト化します。
一般的に応募数にはばらつきがあるので、2〜3ヶ月程度分を比較するだけでは、正しく効果を捉えることができません。
少なくとも1年間の一人当たりの採用コスト(求人広告費÷採用人数)を比較するようにしましょう。
ただし、職種やポジション(一般社員、マネージャークラス等)によって採用難易度が異なるため、
できる限り同じ募集職種やポジションで比較します。
人材紹介費
複数社を利用している場合、会社ごとに採用コスト(人材紹介費÷採用人数)の費用対効果をリスト化します。
職種やポジション(一般社員、マネージャークラス等)によって
採用難易度や紹介手数料のベースとなる給与は異なるため、
同じ募集職種やポジションで人材紹介会社同士の比較や他の採用手段との比較をしましょう。
人材紹介費は、基本的に成功報酬制となっており、入社して初めてコストが発生します。
しかし紹介手数料は会社によって異なるので、採用できた人材の質と手数料が見合っているのかどうかも併せて確認しておきましょう。
採用イベント参加費
複数イベントに参加している場合、イベントごとの費用対効果をリスト化します。
1イベントあたりの採用コスト(イベント参加費÷採用人数)を比較しましょう。
③必要性の見直し
長く採用活動を続けていると、方法やコストが固定化され、ただひたすら同じ形を繰り返してしまっている場合があります。
洗い出した採用コストに対し、現在の採用状況において本当に必要なのかをみていきましょう。
見直すポイントの例は以下の通りです。
説明会、面接の会場利用費
・より新しくて安い会場ができていないか。
・設備が古くなったり、競合ができたりしたことで、価格交渉ができないか。
・参加人数が減っているため、自社の会議室で実施できないか。
採用HP・採用PR動画・パンフレット作成費
・他の制作会社でもっと安くて良いものが作成できないか。
・自社作成に切り替えて更新できないか。
採用コンサルティング費
・採用活動を始めた頃は右も左もわからなかったが、
すでに知見がたまっているため契約をストップしても良いのではないか。
採用業務運営サポート費(アウトソーシング費用)
・自社の社員で対応できるのではないか。
研修費(面接官トレーニングなど)
・すでにある程度のスキルが身についており、新人にはベテランの面接担当者が研修をしたら良いのではないか。
採用コスト削減方法
①求人広告の掲載媒体を絞り込む
求人広告は効果が出なくても掲載するだけでコストがかかってしまいます。
費用対効果のリストを参考に掲載媒体を絞り込みましょう。
新卒採用の場合は、途中でやめたり再開したりすることは基本できないので、採用シーズンが始まる前に見直す必要があります。
中途採用の媒体であれば、一度ストップしても、また好きなタイミングで再開することができます。
②人材紹介会社を絞り込む
人材紹介の紹介手数料は、成功報酬制が基本です。
そのため、採用単価が高かったとしても、それに見合った人材を採用できているのであれば、継続して利用した方が良いでしょう。
逆に、紹介手数料が高いにもかかわらず、安いところと変わらない質の人材しか採用できていないのであれば
契約を終了してしまっても良いのではないでしょうか。
人材紹介会社を絞り込む際には、採用単価の他に、書類選考数→面接数→内定者数を洗い出し
ましょう。
例えば毎月の平均の数が
・A社 書類選考数50→面接数7→内定者数1
・B社 書類選考数10→面接数4→内定者数1
であったとしましょう。
最終的な内定者数は同じですが、それまでにかかっている作業量が大きく異なります。
作業量が多く時間がかかるほど人件費がかかりますから、
人材紹介会社への手数料が同じ金額であったとしても、費用対効果が悪いということになるのです。
書類選考からの面接率が低い人材紹介会社は、人材紹介会社側で紹介する人材を精査せず、
誰彼構わず紹介してきている可能性がありますので、そうした会社とは契約を終了することを考えても良いでしょう。
③リファラル採用を導入する
リファラル採用とは、社員から人材を紹介してもらう採用方法です。
縁故採用も繋がりがある人からの紹介採用ですので、実は明確な違いはありませんが
リファラル採用の方が戦略的に行う採用方法というイメージが持たれています。
紹介した人が入社した場合には5万円といった形でインセンティブ(報酬)を設定する場合も多いです。
こうしたインセンティブを設けた場合でも、求人広告や人材紹介企業を利用するよりもはるかに安いコストで採用することが可能です。
またコストに対するメリットはこれだけではありません。
企業に関する理解がある社員からの紹介であれば、他のルートよりも企業にマッチする人材である可能性が高く、
内定率が高くなったり、離職率が低い人材を採用できたりする可能性があり、結果的に人件費の削減にもつながります。
さらに、直接コストに関係するわけではありませんが、転職市場に出てくる前の優秀な人材を発掘できる可能性、
自社だけへの応募で入社を決めてもらえる可能性もあり、採用手法としても取り入れる価値があるといえます。
④離職率を下げる
採用をするのは、人材が不足しているからですが、事業拡大などによって人材が不足する場合もあれば、
離職によって人材が不足する場合もあります。
後者が多いのであれば、離職者を減らすことで採用コストを削減することができるのです。
新卒採用であっても中途採用であっても、1年以内に離職してしまうという悩みを抱えている企業は少なくありません。
この早期の離職が起こる最大の原因は、企業と人材のミスマッチです。
候補者側にも自分のことを嘘偽りなく伝えてもらう必要がありますが、
企業側も良いことだけではなく、候補者側にマイナスと映る可能性があることについても正直に伝える必要があるでしょう。
また、あまりに面接の回数が少ないなど、企業と候補者の接点が少ないと、
そもそもお互いに必要な情報の共有が行われていない可能性もあります。
お互いの理解を深められるような選考フローへの変更も検討してみましょう。
従業員が働きやすい環境を整えることも重要です。そのためには従業員の意見に耳を傾け、
できる限りの改善をしていくことが求められます。
⑤採用フローを見直す
採用フローを見直すことは、ミスマッチを防ぐことにもつながりますが、コスト削減にもつながります。
例えば、面接回数を減らして一度の面接の時間を長くすることで、理解を深めるための時間は確保しつつ、
日程設定の手間や交通費(支給している場合)を減らすことができます。
また、選考期間が短くなることで、候補者が他者への入社を決めてしまう前に内定を出すことができる可能性が高くなります。
WEB面接を導入することも有効です。
新型コロナウイルスの影響により感染予防のために導入するという観点もありますが、コスト削減にもなります。
WEB面接では、例えば面接のための会場費、候補者の交通費などのコスト、
それに面接官の交通費や宿泊費などの内部コストも削減することができます。
移動の必要がないため効率的ですし、面接官と候補者の日程調整がしやすいというメリットもあります。
⑥自社サイト(オウンドメディア)での採用を強化する
就職活動中に、新卒・中途に限らず企業のサイトで情報収集をする人は非常に多くいらっしゃいます。
企業情報が充実していることで企業理解が深まりますが、それだけでは働くイメージまでにはつながりません。
やはり採用に関する情報が充実していることが重要です。
そこで自社サイトの採用ページを充実させたり、採用専用のサイトをオープンさせたりして、
就職活動中の人が気になる採用概要や、企業理念、社員インタビューなどを掲載し、
自社サイトからダイレクトに応募できるようにしておけば、求人広告などのような高いコストはかかりません。
それに加えて、SNSを活用して発信していくことで、より採用力は高まります。
こうした採用方法はオウンドメディアリクルーティングと呼ばれ、今注目されている採用手法の一つです。
ただしオウンドメディアリクルーティングは一度掲載してしまえばあとは待っているだけではないので、手間暇がかかります。
結果的に人件費がかかるため、その辺りの費用対効果は見極める必要があるでしょう。
採用したいターゲットによっても向き不向きがありますので、その辺りもよく考えて取り入れると良いかもしれません。
最後に
採用のコスト削減を考えるときには、削れるところを探すというよりも
いかに効率的で有効な方法を選択するかという意識を持つと良いでしょう。
良い人材を採用することは、企業を運営していく中でも優先順位が高い事項だと思います。
とはいえ、年間を通して行っている場合は特に、形式や流れが決まってしまい、
見直しが行われないままだらだらと同じような採用活動を行っているケースも見受けられます。
重要な活動であるからこそ、定期的に内容を見直し、より良い方法を取れるようにしてくださいね。
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【著者・監修者企業】
弊社はパソコン周り、オフィス環境、法律の改正、コスト削減など、ビジネスに関わるお困りごとの解決策を提供する当サイト「ビジ助channel」を運営しています。
資格
一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391
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