DXについて動画解説!
中小企業向けDX特集①中小企業だからこそ取り組みたい!中小企業がDXに取り組むメリット、疑問を徹底解説
DXという言葉を見聞きする機会が増えてきました。中小企業の経営者によっては、
「DXは大手企業が取り組むことだろう」「中小企業は関係がないのでは?」と考えている人もいるかも知れませんが、そんなことはありません。
そこで今回は中小企業がDXに取り組むメリット、疑問を徹底解説します。
『2025年の崖』を解説した資料はこちら
1.そもそもDXとは?
「DX」とは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション」を省略したものです。
「Digital Transformation」のどこにも「X」が含まれていないので、日本人の感覚からするとしっくりこないかもしれませんが、英語圏では接頭辞「Trans」を「X」と表記することが多いため、「Digital Xformation」が省略されて「DX」となっています。
2019年7月に経済産業省が発表した『「DX推進指標」とそのガイダンス』によると、
DXは次のように定義づけられています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
業務の一部をデジタル化するだけではDXとはいえず、顧客や社会のニーズに合わせて
①「製品」「サービス」「ビジネスモデル」の変革
②「業務」「組織」「プロセス」「企業文化・風土」の変革
これら2つをデータとデジタル技術を活用して行うことで、変化の激しいビジネス環境で戦うための力を備えることが必要です。
2. 中小企業のDX取り組み現状
大企業を含めてみても、DXを実現している企業は数%しかないといわれています。
中小企業に関していえば、調査(2020年度実施)によって数値に幅はあるものの、
DXという言葉すら知らないという経営者がまだ30〜50%もいるとされています。
2020年の間に、これでも認知は進んだといえますが、際に取り組んでいる企業でいうと1〜2割、
検討を始めた企業を含めても3割程度というところでしょう。
しかも、取り組んでいると答えた企業の中で実際にDXといえる取り組みができている企業がどれくらいかと考えると、さらにその数は減ると考えられます。
もう少し具体的にお伝えすると、現在中小企業が取り組んでいることは、紙の管理をデータに置き換えたり、対面の会議をオンラインで実施したりといった、
いわゆるデジタル化にとどまっている企業が多いではないか、ということです。
DXは、ただ社内のアナログ業務をデジタル化しただけでは完了とはいえません。
デジタル化をした上で、顧客や社会にとって新たな価値を提供するところまでできて、初めてDXといえるのです。
ただし、デジタル化はDXの第一歩です。そこができなければ、次に進めないともいえます。現状に不満や課題がある場合はもちろんですが、
今のままで特に問題はないと考えている経営者であっても、「本当にそうなのか?」と改めて問い、まずはできるところからデジタル化を進めていくことが求められるでしょう。
3. 中小企業にも影響あり!2025年の崖とは?
中小企業にも影響がある「2025年の崖」。政府が警鐘を鳴らす問題についてご紹介します。
2025年の崖
2018年の段階で経済産業省が発表したDXレポートで指摘されたのが「2025年の崖」の問題です。
「2025年の崖」とは、今後日本企業が様々な課題を乗り越えてDXを実現できなかった場合、
2025年以降で年間最大12兆円(現在の約3倍)の経済損失が出る可能性があり、
この状況を「崖」ととらえて表現したものです。
<2025年の崖につながる問題点>
現状の一番の問題点は、レガシーシステム(既存のシステム)が複雑化し、ブラックボックス状態になってしまっていることです。
ブラックボックス状態とは、何度もメンテナンスを繰り返したり、事業部ごとにシステムを導入したりしているうちに、
自社のシステムを正しく把握できなくなり、自分たちで修正できなくなってしまう状態です。
そもそも、ベンダー企業やSIerに完全に外注をしていて、自社にノウハウがない状態もブラックボックス状態といえるでしょう。
中小企業においては、自社内にIT人材が全くいないということもよくあります。
こうなると、とりあえずシステムが機能しているうちは、そのままにしている方が楽なので放置されてしまい、
ますます泥沼にはまっていきます。システムに障害が発生するなどしたら、大損失につながるでしょう。
また、事業部単位で見ると問題がないように見えても、企業全体でデータを活用しようとしたときに問題を抱える場合もあります。
このままではデータを活用し切れないだけでなく、レガシーシステムを維持管理することに時間と費用が割かれてしまい、
本来あるべきアプローチができずに長期的なコストが増える(技術的負債が増える)ことになります。
加えて、古いシステムの知識を持った技術者が不足することで、セキュリティリスクなどが高まったり、
業務基盤そのものの維持・継承が困難になることも考えられるのです。
何十年も前のシステムを使い続けているという中小企業は多いので、そのままにしておくのは危険です。
2025年の崖を乗り越えるための課題
この現状を打破するにあたって指摘されている課題には、以下のようなものがあります。
経営層が、レガシーシステム(既存の古いシステム)の問題点の把握と、その対応策について検討し切れないことです。
中小企業においては、問題にも感じていない経営者の方もおられるようです。
②推進力、連携力不足
推進力、連携力不足により、レガシーシステムの刷新が進められないことです。
具体的には以下のような問題が起こります。
・経営層がリーダーシップを取れない。
・経営層と現場で溝ができる。
・ベンダー企業の言いなりになる(任せきりになる)。
・現場に当事者意識がなく、不満だけをいう(現場の反発にあう)。
③コスト増
レガシーシステムの刷新は、大きなコストがかかる上に、時間もかかってしまいます。
中小企業では、特にこのコスト面を課題に感じる場合が多いようです。
④ベンダー企業との関係性変化
これまでのように、ベンダー企業に丸投げしていてはD Xは実現できません。ユーザ企業とベンダー企業の関係性を変化させる必要があります。
中小企業の場合、この丸投げ状態になっていることが多いようです。
⑤ DX人材の不足
IT知識や技術を持った人材が不足することです。中小企業では特に、
DX人材の確保が難しいと考えられています。
ベンダー企業側でもレガシーシステムの維持・保守に人員・資金をさかなければならず、
DXに必要なクラウド上のアプリ開発等の競争領域に力を入れられません。
(技術的負債が増大する。)
4. 中小企業がDXを実施する目的・メリットとは?
中小企業がDXを実施する大きな目的・メリットの一番大きな部分は、
企業規模を問わず「競争優位性」を獲得できることです。
もう少し具体的かつ、細分化してお伝えすると、
「業務効率化」
「顧客データの有効活用(信頼関係の強化)」
「多様な働き方の実現」
「BCP(事業継続計画)の拡充」が挙げられます。
それぞれについてご紹介しましょう。
業務効率化
DX推進により、これまでアナログで行ってきた業務が自動化され、不要な業務がカットできると、業務が効率化されます。
業務効率化が進めば、よりコアな業務に時間をさける他、就業環境の改善やコスト削減にもつながるでしょう。
顧客データの有効活用(信頼関係の強化)
頭の中や紙ベースで顧客情報を管理しているという企業は、顧客データの有効活用をするために、まずはデジタル化するところからスタートです。
そのデジタル化した顧客データを分析することで顧客のニーズをより正確に汲み取り、
商品化したりコミュニケーションをとったりすることができるので、信頼関係を強化することができます。
また、一部の人や事業部だけでなく、社内全体で顧客データを活用できるようになります。
多様な働き方の実現
DX推進により、社外にいても社内にいる時と同様に情報やシステムにアクセスできるようになり、
会議などもオンラインで行えるようになれば、多様な働き方の実現につながります。
例えば、子育て中や介護中の在宅勤務、地方移住やワーケーションなども可能になるでしょう。
多様な働き方が実現できれば、人材の流出の抑制や、採用力の強化にもつながります。
BCP(事業継続計画)の拡充
BCP(事業継続計画)とは、地震などの災害や今回の新型コロナのような緊急事態になった場合にでも、
損害を最小限に抑え、事業を継続するための計画のことです。
業務の自動化や省人化が進んでいれば、稼働できる人員が少なくても業務を継続することが可能となり、
どこからでも情報やシステムにアクセスできるようになります。
こうした環境が整っていれば、オフィスへの出社が困難であっても業務が再開可能です。
5. 実は中小企業ほどDXに取り組みやすい
ここまで読んで、「やはり中小企業にDXは難しいかもしれない…。」と感じた方はちょっと待ってください。
決してそんなことはありません。
資金が潤沢な大手企業の方が有利のように感じるかもしれませんが、実は大所帯だからこその弊害も多々あります。
実は、中小企業だからこそDXに取り組みやすいともいえるのです。
中小企業ほどDXに取り組みやすい理由をご紹介します。
経営層と現場の距離が近い
中小企業では、経営層と現場の距離感が大企業と比べて近いと言えます。
そのため、トップがDXの重要性を理解し、方向性を示してリーダーシップを発揮すれば、会社全体に素早く浸透させることが可能です。
また、距離が近いことは現場からの意見が届きやすいことにもつながり、経営層と現場との溝ができにくいというメリットにもなります。
DX推進では業務レベルでも改革が必要ですから、現場の声をいかに反映させるかというのは大きなポイントになるのです。
意思決定のスピードが早い
経営層と現場の距離が近いことともつながりますが、中小企業では調整すべき対象が少ないことから、
大企業と比べて意思決定のスピードが早くなります。
組織が大きすぎると、問題点の把握、対応策の決定、決定事項の推進…と全てのタイミングで時間がかかり、また反対の声もあがりやすくなってしまうのです。
2025年は直ぐそばまで迫ってきていますが、小回りのきく中小企業であれば、これからの対策でも十分に間に合う可能性があるでしょう。
レガシーシステムの数が多くない
中小企業は大企業と比べると事業部などが少なく、組織がそれほど複雑化していないことがほとんどです。
レガシーシステムが複雑化する理由の一つが、事業部ごとに異なったシステムを導入してしまっていること。
システムの種類が多ければ多いほど、これを横断して活用できるようにするのに手間とコストがかかり、現場からの不満も出やすくなってしまうのです。
その点、中小企業はそもそもの組織が大きくないことから、既存システムもそれほど複雑化していない可能性が高く、軌道修正がしやすいといえるのです。
6. 2021年度税制改正!税制も中小企業のDX推進を後押し
2021年3月26日の通常国会で、2021年度税制改正法案が可決・成立されました。
その改正の中では、税制改正の目玉として「DX投資促進税制」が盛り込まれ、税制もDX推進を後押しする形になっています。
DX投資促進税制とは?
DX投資促進税制は、クラウド技術を活用するなどしてレガシーシステムから脱却し、
サイバーセキュリティを強化できるようにデジタル関連投資を促す目的の特例税制です。
DX関連の投資に関して優遇措置が設けられています。
所得税・法人税・法人住民税・事業税
*対象設備
①ソフトウェア
②繰延資産(クラウドシステムへの移行にかかわる初期費用)
③器具備品(①②と連携するもの限定)
④機械装置(①②と連携するもの限定)
*優遇措置
税額控除か特別償却を選択できます。
・税額控除
3%
5%(グループ外の他法人ともデータ連携・共有する場合)
※ 税額控除上限:「カーボンニュートラル投資促進税制」と合わせて
当期法人税額の20%まで
・特別償却
30%
*投資額
上限:300億円
下限:売上高比0.1%以上
*適用期限
2022年度末まで(2023年3月末)
*認定要件
以下の「デジタル (D) 要件」「企業変革 (X) 要件」のすべてを満たす
必要があります。
部門や拠点ごとなど一部での取り組みではなく、全社的な変革が求められているところに
特徴があります。「DX認定」の取得などの準備も必要です。
・デジタル (D) 要件
①データ連携・共有
(他の法人等が有するデータ又は事業者がセンサー等を利用して新たに取得するデータと
内部データとを合わせて連携すること)
②クラウド技術の活用
③情報処理推進機構が審査する 「DX認定」の取得
(レガシー回避・サイバーセキュリティ等の確保)
・企業変革 (X) 要件
①全社の意思決定に基づくものであること
(取締役会等の決議文書添付等)
②一定以上の生産性向上などが見込まれること等
7. まとめ
DXへの取り組みは軌道に乗るまでが大変ですが、長い目で見れば大きなメリットになります。
それ以前に、DX化が進まないことはリスクにもつながるので、できるだけ早く取り組んでいくことが望ましいといえるでしょう。
DXは、実は中小企業こそ取り組みやすい側面を持ちます。
現状で特に問題がないと感じている中小企業の経営者の方も、ぜひ一度DX化について検討してみてはいかがでしょうか。
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資格
一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391
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