オフィスの電気代をなるべく軽減したいと考えている方も多いでしょう。現在、照明に蛍光灯を使用している場合は、LEDへの切り替えがおすすめです。この記事では、LEDの基本的な特徴と蛍光灯との比較、LEDを導入する注意点などについてお話しします。
蛍光灯とLEDの基本情報
日本では施設内の照明として長らく蛍光灯が使用されてきました。しかし近年では、LEDが急速に普及し主要メーカーは次々と生産を終了しています。
蛍光灯とLEDにはどういった違いがあるのでしょうか。以下では、蛍光灯とLEDの基本的な情報について解説していきます。
LED
LEDは「Light Emitting Diode」の略であり、日本語では「発光ダイオード」を意味します。電気によって発光する半導体の一種であり、1962年に発明されました。
LEDが発光する現象は偶然発見されたものです。当初は、赤色に発行するLEDしか発見されていませんでした。70年代に黄色のLEDが、90年代に青色LED、緑色LEDが立て続けに開発。1996年にはついに白色LEDが開発されたことにより一気に、照明器具への採用が拡大していったのです。
消費電力が少なく、長寿命であることがLEDの特徴です。2011年3月の東日本大震災では電力供給が不安定になったことから人々の節電意識が高まり、LEDへの注目が一気に集まりました。今後は、これまで照明として一般的に使用されていた蛍光灯を代替する存在になると思われています。
蛍光灯
蛍光灯とは、1935年に開発された照明用のランプです。内部で塗られている蛍光体に、電子の流れによって発生させた紫外線を当てることで白い光を発生させます。発生させる電気のエネルギーを光に変換する効率が良く節約につながるため、長らく照明として使用されてきました。
一般的に知られている細長いガラス管の蛍光灯は「直管蛍光灯」と呼ばれています。この他、ドーナツ型の「丸型蛍光灯」、白熱電球と同じように使える「電球型蛍光灯」があります。
蛍光灯の点灯方式
蛍光灯には「グロースターター形」「ラピッドスタート型」「インバーター型」という3種類の点灯方式があります。取り付ける照明器具に合っていない場合は故障につながるため、点灯方式を確認したうえで蛍光灯を選ばなければなりません。以下では、それぞれの点灯方式について解説します。
グロースターター形
グロースターター型は、「グロースターター(グローランプ、グロー球)」という点灯管を使用する点灯方式です。設計がシンプルなことから、蛍光灯の点灯方式として一般的に普及しています。ただし、点灯までの時間が長い点や光にちらつきが発生する点がデメリットです。
ラピッドスタート形
ラピッドスタート形は、電源を入れてから点灯するまでの時間が短くなるように設計されています。この利便性と引き換えに、グロースターター式と比較すると器具自体が大きくなりました。下記にインバーター形が普及するまでは、一般的に採用されることが多かった点灯方式です。
インバーター形
インバーター形は、電子回路で構成されている点灯方式です。ラピッドスタート形の点灯までのスピードを引き継いでいます。ちらつきが少ない点や調光が可能な点も特徴で、省エネ性能にも優れています。一方で、価格が高い点がデメリットです。
LEDと蛍光灯の違い
蛍光灯は過去は一般的に普及しており、エネルギー効率が従来の白熱電球よりも良いとされていました。しかし、最近のLED技術の進歩により、省エネ性や持続可能性の観点からLEDが主流となりつつあります。この章ではLEDと蛍光灯がどのように違うのか具体的に見ていきます。
寿命
LEDは通常、数万時間以上の長寿命を持っています。一方、蛍光灯の寿命は通常数千時間です。
この違いにより、LEDは蛍光灯よりも長期間の使用が可能であり、ランプの交換頻度を減らすことができます。そのためLEDの方がメンテナンスのコストも低減させることができます。
コスト
LEDと蛍光灯のコストは、初期投資と運用コストの両方の観点から考える必要があります。
初期投資では、LEDの価格は蛍光灯よりも高い傾向があります。しかし、LEDは蛍光灯に比べてエネルギー効率が高く、消費電力が少ないため、長期的に見るとLEDの方がコスト効果が高くなります。 また、蛍光灯は球切れが頻繁に起こるため、ランプの交換費用や作業時間も考慮する必要があります。このような点から、長期的な視点で見た場合、LEDの方がトータルでのコストが低くなると言われています。
照明品質
LEDと蛍光灯の間には照明品質の違いも存在します。LEDは広い色域を再現できるため、色彩の表現が優れています。特定の色温度や色相を正確に再現することが可能です。一方、蛍光灯は特定の色温度に限られており、色の再現性に制約があります。
また蛍光灯はしばしば点灯後にフリッカー(点滅)が生じることがあり、目の疲れやストレスにつながる可能性があります。安定した光源であるLEDは、視覚の快適性を向上させ、作業効率を高めることができます。
環境への影響
環境への影響も重要な要素です。LEDは水銀を含まず、廃棄物処理が容易です。蛍光灯には水銀が含まれており、適切な処理が必要です。LEDの使用により、廃棄物削減と地球環境の保護に貢献することができます。
普通の蛍光灯からLEDに変更するには工事が必要
蛍光灯からLEDへの変更は、単にランプを変えるだけではありません。照明器具には、蛍光灯用のものとLED用のものがあります。そのため、蛍光灯からLEDへ変更したい場合は、照明器具そのものを変更しなければなりません。
照明の設備によっては、電源の仕様の問題から工事が必要になるケースがあります。その場合、設備交換は一般の方の手では困難なため、業者に依頼しましょう。
直管形蛍光灯は直管形のLEDランプと取り付け規格が同じであることが多く、そのままLEDランプを取り付けてしまうケースがあります。このような安易な交換は、発火やショートなどの事故の原因になるため、大変危険です。蛍光灯からLEDに変更する場合は、業者の指示のもと安全に行いましょう。
LED交換工事の料金相場
LEDに交換する工事の相場は、一か所につき3,000~5,000円と言われています。
一か所につきの値段なので、蛍光灯を設置しているところが多ければより多くの予算が必要になります。
ボリュームディスカウントが可能な業者も多いので、まずは見積もりを取ってみるのがおススメです。
※弊社でもお見積りを受付中です!下記のリンクよりお気軽にご依頼ください。
電気代が約3分の1に!蛍光灯からLEDへの変更で得られる節電効果
蛍光灯からLEDへの変更で得られる代表的なメリットが、節電効果です。照明はオフィスでも日常的に使う設備であり、コスト削減につながることから多くのオフィスが蛍光灯からLEDに切り替えています。具体的にはどの程度の節電効果が期待できるのでしょうか。
以下では、LEDへの変更で得られる節電効果や、さらに電気代を節約するためのポイントを解説します。
【シミュレーション】LEDと蛍光灯の電気代を比較
LEDは蛍光灯よりも消費電力が低い点が特徴です。実際の消費電力は製品によって異なりますが、蛍光灯とLED、それぞれ以下の数値を想定します。
種別 | 消費電力 |
---|---|
電球型蛍光灯 | 85W |
電球型LED | 30W |
上記の数字で、消費電力あたりの電気代単価を27円としてコストシミュレーションをして比較してみましょう。
電気代は以下の式で算出できます。
消費電力(W)÷1000×使用時間×電気代単価
電球型蛍光灯と電球型LEDを12時間使用した場合の電気代を比較すると、
電球型蛍光灯:85W÷1000×12時間×27円=約27.5円
電球型LED:30W÷1000×12時間×27円=約9.7円
このように、LEDの電気代は蛍光灯と比較して3分の1程度になります。
1日の金額では節電効果を実感しづらいかもしれませんが、上記のシミュレーションで1年間使用して5000円以上の節約になりますので、1年間継続して使用すれば工事費用はペイすることが可能です。
さらに上記のシミュレーションは一か所だけの金額ですので、より多くの照明をLEDに交換することで節約金額も大きくなっていくことでしょう。
さらに電気代を節約するために
LEDのニーズが高まった背景には省エネ意識の普及があります。LEDは消費電力の低さから電気代の節約に有効ですが、さらなる省エネを実現するためには、電気を利用する側の取り組みも必要です。
代表的な取り組みとして、こまめに電気を消すことが挙げられます。電気を無駄につけておけばその分電気代が増えてしまうでしょう。オフィスに人がいなくなる際には、電気を消しておくことが大切です。
また、日中など太陽光が入ってくる時間帯の場合は、電気が必要ない場合もあるでしょう。電気をつけておく時間に関するルール決めも、大切な節電対策といえます。
一方で、最も電力を消費するのは点灯時であるということには注意が必要です。短い時間内で電気の点灯・消灯を繰り返すと、かえって電気代がかかってしまうケースがあります。オフィスに人がいなくなるのが5分程度であれば、そのままつけっぱなしにしておいたほうが電気代を節約できるでしょう。
蛍光灯からLEDに変更する際の注意点
多くのオフィスが照明を蛍光灯からLEDに切り替えています。省エネ性能に優れるLEDですが、変更に際してはいくつか注意点もあります。オフィスの照明をLEDに変更しようとしている場合は、以下のような注意すべきポイントについても知っておきましょう。
導入コストが高い
LEDは、蛍光灯と比較すると価格が高く設定されています。オフィスの規模によっては照明をすべてLEDに切り替えるとなると、大きなコストになってしまうことから、LEDへの切り替えが先送りになっているオフィスは少なくありません。
蛍光灯とLEDの価格差は2~3倍です。電球で比較すると、蛍光灯の電球が700~1,200円なのに対し、LEDの電球は1,000~3,000円で販売されています。また、上記のとおり、照明機器そのものの切り替えが必要になる場合もあります。
ただし、電気代の安さや長寿命な点から、長期的なコストパフォーマンスで考えるとLEDのほうが優れています。初期コストの負担を大きく感じる場合は、オフィス内の照明を段階的にLEDへ切り替えてはいかがでしょうか。多くの人が集まり、照明を点灯している時間が長い場所からLEDに切り替えていくことをおすすめします。
熱に弱い
LEDは、約50℃と低音で発光するのが特徴です。白熱電球の場合は表面温度が100~180℃になるのと比較すると、はるかに低音で発光することがわかります。この性質により、室内の温度に与える影響も少なくなるため冷房の消費電力を抑える効果もあります。
その反面、LEDには熱に弱いという性質があります。ランプや回路が高温になり、内部温度が80℃以上になると劣化が早まるため注意が必要です。最悪の場合は、回路が破壊されることがあります。
一般的なオフィスであれば、特に温度を気にする必要はありませんが、飲食店の厨房や工場、密閉された空間などは高温になることがあるため、注意が必要です。こうした環境では、ヒートシンクなどの放熱構造が採用されたLEDを使うことをおすすめします。
重量が重い
LEDは、白熱灯や蛍光灯と比較して重量が重い点が特徴です。そのため、取り付けの固定が甘い場合は、落下する可能性があります。シャンデリアなど多くのランプを取り付ける器具の場合は、総重量に注意が必要です。
アーム型の照明器具の場合はLEDが重すぎると徐々に傾いてくることがあるため、耐荷重を確認しましょう。また、LEDの重さに耐えるため、必然的に照明器具自体が重厚になる傾向があります。
まとめ
消費電力の低さ、寿命の長さからコストダウンにつながるLED。現在、オフィスで蛍光灯を使用している場合は、早めにLEDに切り替えることをおすすめします。LEDへの切り替えと同時に、より省エネな照明の使い方についても意識しましょう。明かりが必要ない場合は、こまめに電気を消すことが大切です。LEDには初期コストの高さ、熱への耐性の低さ、重量の重さといったデメリットもあるため、その点もふまえて導入を検討しましょう。
スターティアでは、オフィスの電気代削減につながるLEDの提案を行っています。
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資格
一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391
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