業務用空調システムは、保守・点検などの定期メンテナンスが重要です。
今回は、業務用空調システムの概要や種類、定期メンテナンスのメリットや替え時について解説します。
業務用空調システムとは?パッケージエアコンの種類について
業務用空調システムというと少し分かりにくい印象ですが、これはつまり業務用のエアコンのことです。
パッケージエアコンと呼ばれることもあります。
対して、私たちの身近にある家庭用エアコンは「ルームエアコン」と呼ばれますが、実は基本構造に違いはありません。
ただし、業務用空調システムは複数の室内機を同時に運転させるなど、運用方法が異なります。
そのため、冷暖房能力や電圧には大きな違いがあります。
家庭用エアコンが最大3万馬力であるのに対し、業務用空調システムは10万馬力以上のパワーを発揮可能です。
また、1つの室外機で複数の室内機を動かせます。
加えて、長時間運転や熱負荷に耐えられる頑丈さも特徴と言えるでしょう。
性能が高い分、導入コストはかかりますが、メンテナンス性の高さや長期的なランニングコストを考えると、導入メリットは大きいといえます。
以下からは、パッケージエアコンの種類をご紹介します。
ビル用マルチエアコン
1対複数で室外機と室内機を接続するマルチタイプの業務用空調システムです。
必要な時・場所のみで運転が行えるため、省エネで便利。
さらに、メンテナンス性も高いので広く普及しています。
店舗用エアコン
家庭用エアコンのように、1対1で室外機と室内機が接続されるセパレートタイプです。
小規模の店舗やオフィスでよく使われています。
設備用エアコン
大型の床置型が機械室に設置され、ダクト吹き出しで使われるタイプです。
直吹き出しで使われる小型のものもあります。
ウォールスルーエアコン
壁貫通型空気熱源ヒートポンプパッケージ型空調機と呼ばれるタイプ。
窓下にある腰壁を貫通する形で設置されます。
分散型水熱源エアコン
冷却塔と補助熱源の設置箇所における水の循環設備に水熱源ヒートポンプパッケージ型空調機を多数接続したタイプ。
冷房と暖房が同時に使われた場合でも、効率的な運転が可能です。
業務用空調システムを保守・点検するメリット
業務用空調システムは壊れたからすぐに直るというものではありません。
一方、店舗やオフィスなどで使われているという事情を踏まえると、故障がビジネスに与える悪影響も大きくなります。
加えて、日々の電気代や故障時の修理代・買い替え代など、コストに問題も重要です。
上記を踏まえた、業務用空調システムの保守・点検におけるメリットについて見ていきましょう。
ランニングコスト削減
業務用空調システムは、定期的なメンテナンスによってランニングコストが下がります。
一切メンテナンスをしてこないまま4年間使用を続けたエアコンと、定期清掃をしたエアコンを比較した事例では、電気代に約40%の差があったとの結果も出ています。
これは、メンテナンスをしなかったことで冷凍サイクル内の圧力が上昇し、性能が低下したからです。
メンテナンス費用はかかりますが、それによって月々の電気代が安くなれば、結果としてコスト削減につながります。
耐用年数の延長
業務用空調システムの耐用年数は、定期メンテナンスによって延長できる場合があります。
空調機は、冷凍サイクル構成部品や送風機、電気電子部品等、さまざまなパーツが組み合わさって構成されています。
そして、運転をするごとにこれらの部品は劣化していきます。
なお、故障が発生する割合には波があります。
初期故障領域と呼ばれる購入Ⅰ年以内の期間を過ぎた後は、突然の故障(偶発故障)の発生率は落ち着きます。
しかし、ある程度の年数を超えてからは摩耗故障領域という期間に突入し、一気に故障率が高くなるのが特徴です。
一方、予防保全と呼ばれるメンテナンスを行うと、事後保全に比べて、性能低下だけでなく耐用年数が延びるという結果も出ています。
定期メンテナンスを行うことで、業務用空調システムは長く運用ができる、ということです。
安全性の確保
定期メンテナンスは、業務用空調システムの全体的な安全性確保につながります。
まずはトラブルの防止です。
定期的なメンテナンスと診断は、業務用空調システムの異常察知・予測につながります。
トラブルの前兆に気づければ、部品のメンテナンス等によって安全な業務用空調システムの運用を維持できます。
また、熱交換器に溜まる汚れは、冷暖房能力の低下や、内部装置へのダメージにつながります。
異音や異臭の発生原因になることも少なくありません。
こうした事態を予防し、安心・快適な動作を続けるためにも、定期的なメンテナンスが重要なのです。
業務用空調システム・エアコンの替え時は?
次に、業務用空調システムの交換時期についても見ていきましょう。
最初のポイントはガスの補充頻度です。
メーカーの冷媒ガス提供期間は決まっているため、将来的には補充自体ができなくなってしまいます。
経年により、業務用エアコンはガスを補充する頻度が高まるため、早めの交換がおすすめです。
同じく、メーカーの部品保有年数にも10年という期限があります。
故障時に交換ができないと修理が行えないため、購入から10年以上経過している場合は替え時です。
最後はエアコンの冷却機能低下です。
経年劣化によって、最大出力でも効きが悪くなる可能性があります。
電気代も高くなる傾向にあるため、こちらも交換を検討しましょう。
新型のエアコンは旧型に比べて省エネになっており、交換することで電気代をより抑えられます。
まとめ
業務用空調システムは定期メンテナンスによって効率的かつ省エネな運用が行えます。
耐用年数が延びれば、買い替えコストも抑えられるでしょう。
一方で、交換時期についてもしっかり把握しておくことも重要です。
今回ご紹介したポイントを踏まえて、快適な業務用空調システムの運用を行ってください。
スターティアでは「業務用エアコン」のサービスをご提供しています。お客様の現状のご利用環境を十分にヒアリングさせていただいた上でより最適なご提案をさせていただきます。ぜひご活用ください。
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資格
一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391
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