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2023-07-06 09:00:26

建設業の2024年問題とは?業界の現状と課題、取り組むべき施策

建設業の2024年問題とは?業界の現状と課題、取り組むべき施策

働き方改革が周知される一方で、建設業界や物流業界では「2024年問題」への対応が急がれています。
そこで今回は、建設業における2024年問題の影響や取り組むべき施策について解説します。
2024年問題の基礎知識についても触れますので、ぜひ参考にしてください。

 

2024年問題とは?

2024年問題とは、働き方改革関連法の影響により、各業界が是正すべき労働環境の課題を意味します。

この問題は、トラック運転手などの自動車運転業務の年間時間外労働が960時間に短縮されることを起因とします。
運転手の労働時間が法律で制限されることで、企業における売上減少、運賃の上昇、ドライバー不足などが懸念されます。

元は物流業界への影響が指摘されていましたが、比較的時間外労働の多い建設業界においても無視できません。

建設業の現状と課題

日本の建設業界では古くより、人材の高齢化や労働人口の減少、長時間労働の常態化が続いています。
こうした労働環境を改善するため、厚生労働省は2024年4月までに、働き方改革関連法の適用を決めました。
さらに輸送効率の向上、荷主企業への理解の促進、勤怠管理の強化、法令遵守、輸送形態の見直しも必要です。

上記に加え、建設業界では高齢の建設技能労働者により技能継承を進め、若年労働者の育成を図ることが急務とされています。

労働基準法の改正内容とは?

ここでは、2024年4月に施行される労働基準法改正の内容を解説します。
関連企業の担当者が把握すべき3つのポイントにわけて説明しますので、参考にしてください。

時間外労働の上限規制

労働基準法の改正を受け、時間外労働に上限が定められました。

具体的には月45時間、年360時間が上限となり、特別な事情がない限り、これを超えることは許されません。

そもそも、企業が従業員に対し、時間外労働および休日労働を要請する場合、「36協定(サブロク協定)」の締結と所轄労働基準監督署長への届け出が必要です。
その上で上限規制が設けられるのがポイントとなります。
厚生労働省によると、本規定を遵守することで、労働者の健康と生活の保護に寄与するとしています。

割増賃金の引き上げ

労働基準法の改正により、中小企業を対象に時間外労働における割増賃金の引き上げが行われます。

具体的には、月60時間以上の時間外労働に対する割増賃金率が25%から50%に変更されます。

これまで大企業はすでにこの基準を満たしていましたが、2024年からは中小企業も同じ基準を適用しなければなりません。
とりわけ建設業では時間外労働が多いため、本改正は業界に大きな影響を与えるでしょう。

罰則の強化

労働基準法の改正による罰則は、時間外労働の上限規制に反した場合に適用されます。

以下3つに違反した企業には、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が課せられます。
 

  • 年間の時間外労働が720時間を越えた場合
  • 月間の時間外労働と法定休日労働の合計が100時間を超えた場合
  • 時間外労働と法定休日労働の合計が複数月平均80時間を超えた場合

なお、特別条項の適用は年に6回までとされています。

働き方改革の実現に向けて|建設業界が取り組むべき施策

2024年問題は確定事項であるため、各企業は対策に急いでいます。

ここでは、2024年問題対策のポイントや、働き方改革実現に向けて建設業界が取り組むべき施策をご紹介します。

適切な労働時間の管理

長時間労働の是正は、建設業全体が最優先で取り組むべき課題です。

国土交通省が発表した「建設業における働き方改革」によると、建設工事に関わる企業の64%が4週4休以下で就業していることがわかりました。

また、週休2日制を導入している企業は、全体の1割程度となっています。
日本の建設現場において、これだけの長時間労働が常態化しているのは深刻です。

適切な工期の設定

長時間労働を解消するために、労働者1人ひとりの就業時間を減らすのが近道です。

一方で、工期にしわ寄せが来るため、安直に就業時間を減らすだけでは解決しません。

重要なのは、関連業者の特性および連携を考慮した、適切な工期設定です。
工期に余裕を持たせることで、働き方改革を推進しつつ、これまで通り事業を継続できるでしょう。
そのためには、業界全体で工期に対する考え方の見直しが必要です。

DX推進による生産性向上

長時間労働の是正および工期設定に関連して、建設業におけるDX推進(デジタル・トランスフォーメーション)が挙げられます。

ICT(情報通信技術)やAI(人口知能)などを活用し、生産性向上や業務効率改善を目指します。
限られた経営資源をフルに活かし、少ないコストで最高のパフォーマンスを発揮するには、先端テクノロジーの利活用が欠かせません。

まとめ

働き方改革の浸透により、ワークライフバランスを重視した労働環境の整備されるようになりました。
一方、その裏では、さまざまな業界で2024年問題への対策が急務となっています。

長時間労働や人材不足が深刻化する建設業では、いかにして2024年問題を乗り切るかが最重要課題です。

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電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
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