コピー機・複合機を使っているときに「トナー切れ」の表示が出ると、どう対処すればよいか戸惑うとの声が聞かれます。
トナーなどの消耗品について理解を深めておけば、交換が必要になっても慌てずに済むでしょう。
そこで今回は、トナーの概要を解説し、交換手順やトナー式のコピー機・複合機を導入するメリットについてご紹介します。
コピー機・複合機のトナーとは?
コピー機・複合機のトナーは、熱で紙面に定着する粒子状のインク素材です。
まずは、トナーの基礎知識について紹介します。
トナーカートリッジとインクカートリッジの違い
トナーカートリッジとインクカートリッジの主な違いは、素材が粒子状か液体状かの差です。
まず、トナーカートリッジは、カートリッジに細かい粒子が入れられた消耗品を指します。
この粒子には帯電性があり、静電気で紙に転写した後、熱で定着させて印刷することが可能です。
コピー機や複合機の多くは静電転写方式を利用し、トナーの粒子を定着させるのにレーザーの熱を使っています。
一方、インクカートリッジの中身は、水や着色剤・浸透剤などで構成される液体状の素材です。
液体状のインクは印刷時に滲む可能性があり、普通紙でなく特殊処理した用紙を使うほうがよいといわれています。
トナーカートリッジとドラムカートリッジの違い
トナーカートリッジとドラムカートリッジは、カートリッジの中身が大きく違います。
トナーカートリッジの場合、主な中身はカラートナーやモノクロトナーです。
カラートナーはカラー印刷が可能であり、モノクロトナーはモノクロで印刷する時に使われます。
一方のドラムカートリッジは、トナーカートリッジと同じくレーザーコピー機・複合機で利用されるカートリッジです。
ただし、カートリッジ内には、トナーを紙面に転写するためのドラムと呼ばれる消耗品が収納されています。
コピー機・複合機に必要なトナーの数は?
コピー機・複合機に必要なトナーの数は、モノクロ用かカラー印刷かにより異なります。
トナーの色は、ブラック・シアン・マゼンタ・イエローの4色です。
モノクロ用のコピー機・複合機は、以上の4色のうちブラックトナー1本のみが必要になります。
残りの3色は使われないため、カラーでは印刷できません。
それに対し、カラー印刷用の機器には4色すべてのトナーが装備されます。
ブラック・シアン・マゼンタ・イエローをさまざまに組み合わせることで、多彩な色合いの印刷が可能になります。
トナー1本でどれくらい印刷できる?
トナー1本で印刷できる量は、使用状況によって変わりますが、基本的に5,000~20,000枚ほどです。
この数値は、A4の紙面に約5%の範囲で印刷したケースが基準になっています。
そのため、用紙のサイズや印刷範囲が広くなれば、それだけトナーの交換時期は早まるでしょう。
また、4色のトナーは、それぞれ独立しています。
この仕組みにより、モノクロ印刷の場合、ブラックトナーしか減りません。
一方、カラー印刷では各トナーの色が混ぜ合わされるため、4本とも消費されていきます。
トナーの含有成分と製造方法
トナーの含有成分は、高分子樹脂・ワックス・顔料の3つです。
高分子樹脂は、トナー粒子の素材になるプラスチックの成分です。
熱で溶ける性質があり、溶けた樹脂が紙に定着すると印刷できる仕組みになっています。
ワックスは油性の成分であり、トナーがローラーに付着しないようにする役割を担っています。
顔料は、印刷物に色をつける成分です。
高分子樹脂は紙に定着しても無色のままで何も印刷されませんが、ブラック・シアン・マゼンタ・イエローの顔料が加わることで、各種の色が生み出されます。
トナーとは?交換手順やタイミングは?
トナーは、コピー機・複合機で印刷を繰り返すと量が減るため、一定量を消費したら交換する必要があります。
ここでは、トナーの交換手順やタイミングについて解説します。
トナーの交換手順
トナーの交換手順は、大まかに示すと、古いトナーを機器から抜き出して新品を差し込む流れです。
機器から抜き出した古いトナーは、箱に入れておきます。
その際、箱に「使用済み」と記しておけば、新品と区別できるため安心です。
また、新しいトナーを差し込むときは、先にカートリッジを少し振っておきます。
具体的な方法は箱に記載されているため、交換前に確認可能です。
なお、細かい部分はメーカーによって異なる場合があり、トナーの粒子が手や床につくと汚れるため気をつける必要があります。
トナーの交換タイミング
トナーを交換するタイミングは、粒子の残量が少なくなり、機器のディスプレイなどにエラー表示が出てきたときです。
そのまま使い続けると印刷状態が悪くなっていくため、トナー切れのエラー表示が出たら、早めの交換が望まれます。
使用済みのトナーは、プリンターのメーカーに回収してもらうケースが一般的でしょう。
トナーの回収を頼む場合、回収拠点に持参したりメーカーに送付したりする方法があります。
また、家電量販店によっては回収ポストが設置され、トナー販売業者も回収作業を実施しています。
帯電性のトナー粒子は火気厳禁であり、普通のゴミとして廃棄できません。
そのため、正しい方法で交換・処分することが大切です。
トナー式コピー機・複合機を導入するメリット
トナー式コピー機(レーザープリンター)・複合機は、多くのコストや時間をかけずに大量の資料を印刷するのに適した機器です。
印刷コストのパフォーマンスが高い
印刷コストのパフォーマンスが高い点は、トナー式コピー機・複合機の大きなメリットに挙げられます。
これらの機器は、高速で印刷できる機能が特徴的です。
印刷処理のスピードが速く、オフィスで資料を印刷するとき長い時間がかかりません。
また、トナーカートリッジは容量が大きく、インクカートリッジに比べて多くの量を印刷できます。
1回の交換で長く使い続けられるため、通常、頻繁な交換作業は不要です。
印刷・交換に手間がかかりにくく、コストパフォーマンスが上がることが期待できます。
大量印刷に最適
トナー式コピー機・複合機は、一度に大量印刷する機器としても最適です。
印刷作業を速やかに進められるため、限られた時間のなかで大量の資料を印刷できます。
ビジネスの場では作業効率が重視されますが、印刷に余計な時間を取られる心配はありません。
職場で会議やプレゼンがあるときも、手早く印刷作業を終えられます。
たいていの機種は高速印刷が容易であり、資料を大量印刷する場面が多いビジネスシーンで活用するのに適しています。
多様な用紙に対応している
多様な用紙に対応している点も、トナー式コピー機・複合機に備わるメリットのひとつです。
トナーは粒子状のインク素材であり、印刷された文字は水に強い特徴があります。
インクカートリッジの印字と違い、特殊処理された用紙でなくても基本的に滲みません。
さまざまな種類の用紙を使用しても、小さめの文字まで鮮明に印刷される傾向が見られます。
また、マーカーなどで重ね書きできるところも、トナーで印刷した文字の特徴です。
トナー式コピー機・複合機は多種の用紙に対応可能であり、使い勝手のよさは大きなメリットになっています。
トナー式コピー機・複合機を導入時の注意点
トナー式コピー機・複合機を購入する際は、印刷品質や廃棄の手間といったデメリットに注意が必要です。
印刷品質はインクに劣る
トナー式は、インクカートリッジに比べて印刷品質が劣る傾向にあります。
特に写真を印刷した場合、トナーとインクとの差は顕著です。
トナーの場合、メーカーによって違いがあるものの、鮮明な写真印刷は難しいといえます。
それに対し、液体状のインクは、メーカーを問わず写真印刷の美しさが特徴的です。
また印字についても、トナーは、純正か汎用かにより品質に多少の違いが生じてきます。
品質面を見る限り、インクカートリッジほど安定感がありません。
写真・印字ともにインクほどの品質を望みにくい点は、トナー式コピー機・複合機の購入時に留意する必要があるでしょう。
廃棄に手間がかかる
トナー式コピー機・複合機は、トナーカートリッジの廃棄に手間がかかりやすい機器です。
現在、トナーは産業廃棄物のひとつに含まれ、適切な方法での処分が求められています。
主な理由は、カートリッジに細かいトナーの粒子が付着して残っているためです。
一般ゴミと異なりメーカーや販売業者に回収してもらう必要があり、廃棄には手間がかかります。
さらに、純正のカートリッジでないと、メーカーには回収を頼めません。
汎用品を廃棄する場合、家電量販店を訪れて回収ポストに投函するなどの面倒が出てきます。
いずれにしても、トナーを廃棄するときは、一般ゴミを捨てるより手間が増えます。
ドラムカートリッジの交換が必要
ドラムカートリッジの交換が必要になる点も、トナー式コピー機・複合機の購入時に覚えておきたい注意点です。
ドラムは、トナーを紙面に押しつけるローラーです。
コピー機・複合機がトナーを転写する際、ドラムも消耗していきます。
ドラムも消耗品であり、長く使っていると印字が薄くなり汚れも目立ち始めます。
そのままでは、きれいに印刷できません。
ドラム交換の表示が出た場合、カートリッジ交換は不可欠です。
以上のように、トナー式コピー機・複合機には若干の難点が伴います。
とはいえ、業務用の目的で効率面を優先するなら、トナー式コピー機・複合機は短時間で大量印刷ができるため使い勝手がよいと考えられます。
トナーとは?ケース別の購入方法
トナーは、保守契約を結んでいるかどうかで購入方法が変わってきます。
保守契約を結んでいる場合
保守契約を結んでいる場合、基本的にトナーは無料で入手可能です。
カウンター保守契約は、月々の保守料金にトナー利用料が含まれています。
この契約では、オフィスの備品を使い終わり保守業者に連絡すると、追加のトナーを無料配送してもらえます。
また、一部のコピー機・複合機は、キットトナー保守契約(スポット保守契約)が可能です。
この方法は、トナーを購入すると、同時に保守契約が有効になります。
いずれも、保守料金とトナーの購入費を両方とも支払う必要はありません。
保守契約を結んでいない場合
保守契約を結んでいない場合、保守料金は発生しませんが、トナー料金は実費負担です。
オフィスの備品がなくなったとき、無料で追加品を届けてもらうサービスは受けられません。
新しいトナーは、販売店などから購入する必要があります。
また、トナー交換だけでなく、他の部品を修理するときも実費での負担です。
そのため、保守契約を結ぶかどうかは、コピー機・複合機を購入する際、よく説明を聞いてから決めるとよいでしょう。
まとめ
トナー式コピー機・複合機は高速で大量印刷が可能であり、ビジネスの場で印刷作業を効率よく進められる機種です。
ただし、カートリッジにトナーの粒子が残るなどの理由から一般ゴミに出せないため、廃棄には手間がかかります。
トナーカートリッジの交換や処分方法について疑問・不明点があれば、コピー機・複合機の各種サービスを提供しているスターティアにご相談ください。
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