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お役立ち記事

2024-07-09 14:58:42

企業における電気代削減のポイントは?電気代が高騰している背景も解説

企業における電気代削減のポイントは?電気代が高騰している背景も解説

記録的な円安に燃料価格の高騰、電力需要の増加など、さまざまな要因で電気代が高騰しています。
エネルギーコストの増大は企業の収益を圧迫し、経営に大きな影響を与えかねません。
一方、電気代を削減するための具体的な取り組みが分からず、現状維持を続けている企業も見られます。
そこで今回は、企業における電気代削減のポイントを徹底解説します。
電力使用量の「見える化」や照明のLED化など、始めやすい取り組みからご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
 

企業の電気代が高騰している背景

ここでは、企業の電気代が高騰している背景についてご紹介します。

燃料価格の高騰

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻したことを受け、欧米諸国はロシアに対する経済制裁を発動しました。
その結果、LNG(液化天然ガス)や石炭などの化石燃料価格が大幅に上昇したのです。
日本は化石燃料のほとんどを海外からの輸入に依存しています。
 
「一般社団法人 日本原子力文化財団」が運営するWEBサイト「エネ百科」によると、2021年の化石燃料輸入先において、原油は中東地域が約90%、LNG(液化天然ガス)はオーストラリアなどが約6割、石炭はオーストラリアとインドネシアが約8割を占めています。
日本のエネルギー供給は輸入に大きく依存しているため、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した化石燃料価格の高騰は、日本の電力コストを押し上げる要因となっているのです。

参考:【1-2-04】 日本が輸入する化石燃料の相手国別比率

為替の円安

LNG(液化天然ガス)や石炭などの燃料はドル建てで取引されるため、円安が進むと輸入コストが上昇します。
アメリカの大手総合情報サービス「ブルームバーグ」の計算によると、ドル建てで出荷されるLNG(液化天然ガス)のコストは、円安の影響で約30%上昇しました。
さらに原油価格が10%上昇すると、年間3〜4円の円安要因になるとの試算もあります。
今後も円安が続けば、電気料金のさらなる値上げが進むかもしれません。

参考:原油高騰は円安を加速する弱点、貿易赤字と米利下げ後退のスパイラル

電力需要の増加

コロナ禍からの経済活動再開に伴い、企業の電力需要が増加したことも電気代高騰の要因です。
2020年に起きた新型コロナウイルスによるパンデミックで落ち込んだ経済活動は、ワクチン接種の拡大や各国政府の経済刺激策により、2021年以降徐々に回復に向かいました。
日本でも、同年後半から企業の生産活動が再開し、電力需要が増加しています。
 
一方で、脱炭素化に向けた火力発電所の休廃止や、老朽化した発電設備の停止などにより、日本国内における電力の供給量は減少しました。
燃料価格の高騰から、発電コストが上昇していることも供給力不足に拍車をかけている要因です。
その結果、需給がひっ迫し、卸電力取引価格が上昇しています。
なお、電力の安定供給と価格抑制のためには、再生可能エネルギーの導入拡大や、発電設備の新設・リプレースなどにより、供給力を増強していくことが重要であると指摘されています。

再エネ賦課金の増加

政府は2024年度の再エネ賦課金を前年比42%増の3.49円/kWhにすることを決めました。
再エネ賦課金とは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」を維持するため、電気料金とは別に、電力使用量に応じて全ての利用者が負担する費用です。
この賦課金増も、企業の電気代負担を重くしています。
 
2012年の制度開始以降、再エネ賦課金単価は上昇を続けてきました。
2012年度の単価は0.22円/kWhだったのが、2022年度には3.45円/kWhと、10年間で約15倍に跳ね上がったのです。
ただ2023年度は、燃料価格高騰に伴う火力発電コストの増加を鑑みて、一時的に再エネ賦課金単価が1.40円/kWhまで下げられました。
しかし2024年度、再び3.49円/kWhまで上がることが決まりました。
再エネ賦課金の上昇は当面避けられないと見られ、2030年頃には3.5~4.1円/kWhまで達する見通しです。

企業が実施すべき電気代削減の取り組み7選

企業にとって電気代の高騰は、経営上の重要な課題といえます。
IoTの活用や設備投資・更新、再生可能エネルギーの導入など、電気代を削減する取り組みが急務です。
ここでは、企業が実施すべき電気代削減の取り組み7選をご紹介します。

1.電力使用量の「見える化」

電気代削減の第一歩は、電力使用量の「見える化」です。
IoT機器を導入すると、節電効果をいち早く確認でき、スムーズな電力管理ができるようになるでしょう。
例えば、IoTセンサーを設置すると、工場や事務所内の機器ごとの電力使用量をリアルタイムで計測・可視化できます。
これにより、どの設備・機器が多くの電力を消費しているのかを把握でき、適切な節電対策を講じられるようになります。

2.照明のLED化

照明のLED化により、電気代とメンテナンスコストの両面で大幅な削減が見込めます。
白熱電球や蛍光灯に比べ、LED電球は消費電力が少なく、寿命も長いのが特徴です。
具体的にいうと、LED電球の寿命は白熱電球の約20倍以上、蛍光灯の約3倍以上とされます。
1日8時間点灯させた場合、15〜17年は交換せずに使い続けられるのです。
 
また、蛍光灯1つ当たりの消費電力は約11W、LED電球は約7.3Wです。
オフィス内の照明をLED化することで、照明にかかる消費電力を約30%削減できることが分かります。
なお、照明のLED化にはコストがかかりますが、後述する国や自治体の補助金制度を活用することで費用負担を軽減できるでしょう。

3.エアコンの電気代削減

エアコンは、電力消費量が大きい設備の一つです。
エアコンの設定温度を適切に管理することで、大幅な省エネ効果が期待できます。
環境省によると、快適性を損なわない範囲で省エネ化を目指すためには、夏季は28℃前後、冬季は20℃前後に設定するのが望ましいとのことです。
 
具体的にいうと、夏場に冷房時の設定温度を27℃から28℃に1℃上げるだけで、消費電力を約13%削減できます。
わずかな設定温度の違いかもしれませんが、1年を通して見ると電気代は大きく変わるでしょう。
 
また、古いエアコンは電力消費が大きい傾向にあります。
省エネ性能の高い最新機種に買い換えるだけで、電気代の削減につながります。
エアコンの買い替え時期の目安としては、エアコンメーカーが定める「標準使用期間」が参考になるでしょう。
多くのメーカーは標準使用機関を10年に設定しているため、それ以上使用しているエアコンは買い替えが視野に入ります。

4.複数事業者連携での省エネ取り組み

複数の事業者が連携することで、個々の企業では実現が難しい大規模な省エネ効果を生み出せるでしょう。
省エネ法では、このような取り組みを「連携省エネルギー事業」として位置付け、認定制度を設けています。
連携省エネルギー事業の具体的な事例としては、以下のようなものがあります。
 

  • 工業団地全体でコージェネレーションシステムを導入し、複数の事業者で電気と熱を利用する取り組み
  • 同一企業内の複数事業所の電力契約を集約し、スケールメリットを生かして電気料金の削減を図る取り組み
  • 複数の事業者が共同で再生可能エネルギー発電設備を保有し、自己託送により電力を調達する取り組み

 
このように、事業者間で連携して省エネや電力調達の効率化を図ることで、単独では実現が難しい電気代削減効果を得ることができます。
特に電力使用量が多い事業者にとっては、他社との連携が電気代削減の大きなポイントといえるでしょう。
ただし、連携省エネルギー事業の実施に当たっては、事業者間の調整や役割分担、コスト負担などについて協議した上で、電気事業法上の各種手続きにも留意が必要です。

5.省エネ補助金・税制優遇の活用

国や自治体では、企業の省エネ設備導入を支援するため、さまざまな補助金制度が用意されています。
例えば、東京都の「LED照明等節電促進助成金」や大阪府の「中小事業者LED照明導入促進補助金」のように、オフィスなどの照明をLED化するための費用を一部負担する制度があります。
国はもちろんのこと、自治体レベルでも手厚い支援制度が用意されているのです。
 
また、高効率な空調設備やボイラーの導入を支援する補助金制度もあります。
経済産業省の「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」は、工場やオフィスの空調設備やボイラーなどの更新に対して、導入・設置費用の一部を補助しています。
補助率は中小企業で1/3以内、大企業で1/4以内となっており、省エネ効果の高い事業ほど優遇される仕組みです。

6.太陽光発電の導入

電気代削減の観点から、太陽光発電システムを設置・導入する企業が増えています。
自社の敷地内に太陽光パネルを設置し、発電した電力を自家消費することで、結果的に電気代を削減できるのです。
とりわけ電力消費量の多い工場やオフィスビルでは、年間数百万円から数千万円の電気代削減が見込めるでしょう。
 
また、太陽光発電は一度設置すれば燃料費がかからないため、将来の電気代高騰リスクにも備えられます。
自社の電力消費量や敷地の広さ、日照条件などを考慮して、最適な太陽光発電システムを選定することが大切です。

7.蓄電池の導入

太陽光発電と組み合わせて蓄電池を導入することで、さらなる電気代削減が可能です。
蓄電池とは、太陽光発電システムで発電した電力を貯蔵し、必要なときに使える設備を指します。
太陽光発電システムは、日中に最も発電量が多くなりますが、企業によっては発電量と電力需要のピークがずれているため、発電した電力を有効活用できない場合があります。
そこで蓄電池を導入すると、日中に発電した電力を夜間や電力需要のピーク時に活用できるため、電気代を抑えられるという仕組みです。
 
また、蓄電池の導入は、BCP(事業継続計画)になります。
災害などによる停電時に、蓄電池をバックアップ電源として活用することで、重要な業務を継続できるのです。
特に工場やデータセンターなど、電力供給が途絶えると大きな損失が発生する施設においては、蓄電池の導入が有効です。
 

大幅な電気代削減が見込める?電力会社を見直すポイント

ここでは、企業における電力会社の見直しポイントをご紹介します。

電気料金プランの比較

基本料金と電力量料金のバランスや割引サービス、燃料費調整額など、料金体系は電力会社によって異なります。
一例として、基本料金が安く、電力量料金が少し高めのプランがあるとします。
基本料金の安さは魅力的ですが、電力使用量が多い企業において割高になる可能性があるでしょう。
自社の電力使用パターンを把握した上で、各社の料金プランを詳細に比較することが重要です。

付帯サービスの確認

省エネコンサルティングをはじめ、企業の課題解決に役立つ付帯サービスを提供している電力会社があります。
省エネコンサルティングとは、専門家が現状確認やデータ分析を行った上で、省エネ実現に向けた改善施策を提案してくれるサービスです。
専門家のサポートを受けることで、具体的かつ効果的な省エネ対策を実施できるでしょう。
この他、法人向けの節電プログラムを提供している電力会社もあります。
電気使用量に応じて共通ポイントの還元が受けられるため、電気をたくさん使う企業においてお得です。

電力会社の信頼性

電力会社の信頼性も、見直しにおける重要な判断材料です。
財務状況や電源構成、供給実績をチェックし信頼できる電力会社を選びましょう。
とりわけ近年は、新電力の倒産・撤退リスクが指摘されています。
万が一、電力会社が倒産しても電力供給は継続されますが、契約条件の変更などが発生するため注意してください。

手続きの簡便さ

近年はほとんどの電力会社が、WEBサイト上でのオンライン申し込みに対応しています。
パソコンやスマートフォンから、必要事項を入力するだけで電力会社の切り替え手続きが完了します。
申し込みに必要な情報は、現在の電力会社名、お客様番号、供給地点特定番号などです。
契約中の電力会社における解約手続きは、切り替え先の電力会社が代行してくれるため、利用者が自ら手続きすることはありません。
このように、電力会社の切り替え手続きを簡単に行えるかどうかも重要なポイントです。

中小企業におすすめの電力会社は「ビジ助でんき」

2016年4月の電力自由化により、企業は電力会社を自由に選べるようになりました。
その中でも、中小企業におすすめのサービスが「ビジ助でんき」です。
ビジ助でんきは、スターティアが提供する新電力サービスで、電気代の削減やサポート体制の充実など、企業のニーズに合わせたサービスを提供しています。
 
例えば、「ビジ助でんき」に切り替えるだけで、電気代を月平均7〜10%削減可能です。
年間の削減額が30万円を超える企業もあり、確かな削減効果を実感できるでしょう。
また、「ビジ助でんき」を契約中の企業においては、通信トラブルやオフィス機器の不具合など、ITインフラの問題にもワンストップで対応します。
これは、スターティアの主力サービス「ビジ助」と連携しているからこそ実現できる、他社にはないサービスです。
電力会社の切り替えを検討するなら、ぜひ一度「ビジ助でんき」のサービス内容や料金プランをご確認ください。

まとめ

毎月のように値上げが続く電気代は、もはや経営上の重要課題となっています。
電力会社の切り替えも視野に入れつつ、できるだけ早く電気代削減に向けたアクションを起こしましょう。
 
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ビジ助でんき

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小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
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