日進月歩で進化するAIテクノロジーですが、その最先端をいくサービスに「ChatGPT」があります。
ChatGPTはAIチャットボットの一種で、まるで人間と会話をしているかのような、高度な自然言語処理(NLP)を可能にするサービスです。
一方、大手検索エンジンのGoogleも新たなAIチャットサービス「Google Bard」をリリースし、ますます競争が激化しています。
今回は、ChatGPTとGoogle Bardの特徴を比較し、それぞれの違いを解説します。
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、OpenAI社が開発した人工知能(AI)にもとづくチャットサービスです。
通常、AIにはパラメーターと呼ばれる値が設定されており、主に機械学習の量や頻度、重みによって決まります。
ChatGPTの場合、最新バージョンであるGPT-4では、約100兆個のテキストデータを事前学習させていることがわかりました。
そのため、ユーザーの質問を驚くほど正確に理解したり、非常に複雑な文章生成を可能にしたりします。
ChatGPTの活用例
ChatGPTは、ユーザーの質問に答えるだけのチャットボットではありません。
プロンプトと呼ばれる指示文章を工夫することで、高度かつ複雑なタスクを可能にします。
ChatGPTの質問応答以外の活用例は、次の通りです。
- 文章要約
- コード生成
- 記事などのコンテンツ生成
SNSで大きな反響のあった活用法ですが、論文などの超長文をChatGPTに読み込ませることで、その内容を要約・表示します。
文章の要点をかいつまんで提示するため、インプットの効率が大きく向上するでしょう。
また、指示内容からHTMLやJavascriptのコードを生成する、ターゲットワードからSEO記事を生成(執筆)するなど、近未来を感じさせるさまざまな活用例があります。
詳しくはChatGPT「基本編」「応用編」でそれぞれ解説しています。合わせてご確認ください。
Google Bardとは?
Google Bardとは、検索エンジン大手のGoogleが開発した対話型AIです。
同社開発の大規模言語モデル「LaMDA」を採用しており、ビッグデータを用いた正確かつ自然な回答を可能にします。
Google Bardは2023年3月、米国とイギリスにおいて実験版がリリースされました。
当該地域のユーザーのみが利用でき、SNSなどにその使用感が投稿されている状況です。
実験版では、肝心の回答能力はChatGPTにおよばないとの声が散見されます。
今後のアップデートで性能が向上し、より実用的になると予想されます。
なお、「Bard」は鳥ではなく、詩人を意味します。
まるで詩人が歌うように、ユーザーの質問に応じるサービスなのです。
GoogleがAIチャットサービスに参入した背景
そもそもなぜ、検索エンジン大手のGoogleがAIチャットサービスに参入したのでしょうか。
第一に、ChatGPTの台頭が挙げられます。
近年はさまざまな分野でAIが利活用されていますが、Open AI 社が生み出したChatGPTは別格でした。
知りたいことはGoogleではなく、ChatGPTに質問する方が早いのです。
さらにビジネス領域での活用など、ChatGPTをありとあらゆる分野に活かすための研究が進んでいます。
ChatGPTの登場により、AIシーンそのものが大きな盛り上がりを見せているわけです。
また、Microsoft社の存在も大きいでしょう。
同社は検索エンジン「Microsoft Bing」を提供しており、そのシステムにChatGPTを組み込んだことが話題となりました。
以降、Bingのユーザー数は右肩上がりに増加し、Googleの地位を揺るがす事態にまで発展しています。
このような背景から、GoogleもAIチャットサービスに参入したものと考えられています。
ChatGPTとGoogle Bardの違い
ここでは、ChatGPTとGoogle Bardの違いを複数のポイントにわけて解説します。
言語モデルの違い
ChatGPTは「GPTシリーズ」、Google Bardは「LaMDA」とそれぞれ異なる大規模言語モデルを採用しています。
「LaMDA」は軽量版と考えられており、100兆個のパラメーターを誇る最新の「GPTシリーズ」に比べると、回答能力に差異が生じるでしょう。
たとえば、Google Bardに米国の歴代大統領について尋ねたところ、正しい回答が一つも得られなかったことがわかっています。
アップデートにより改善されたとしても、教科書レベルの回答を導き出せないのは痛手といえるでしょう。
Googleに優れた開発能力があるのは間違いありませんが、ChatGPT同等の回答能力を得るには、時間がかかりそうです。
機能の違い
Google Bardは対話型AIであり、ChatGPTのようにプログラムコードを生成するのは苦手です。
リリース直後のユーザーテストによると、Google Bardにコード生成を指示した結果、エラーメッセージが返されたとのことです。
これについても今後のアップデートで改善が期待できますが、まだまだChatGPTには遠くおよばないでしょう。
一方、文章生成能力はChatGPTに匹敵するとの声があります。
海外ユーザーによると、履歴書やWeb記事、ビジネスメールの生成においては、必要最低限の基準に達しているとのことでした。
ただし、文章生成時の情報ソースは提示しないため、内容のファクトチェックは必須でしょう。
この点はChatGPTも同様であり、まだまだ人間の力が必要な領域と考えられています。
まとめ
Google Bardは後発のAIチャットサービスであり、今後のアップデートで高機能化が進むでしょう。
ただし、機能・性能・応用の幅など、あらゆる面においてChatGPTが先行している印象です。
一方で、文章生成能力はGoogle Bardも一定の評価がされています。
ChatGPTとGoogle Bard、両サービスの今後の展開に注目しましょう。
ChatGPTの基本的な概要や課題点については「ChatGPTとは?概要や使用例、活用メリットを解説」「AIチャットサービス「ChatGPT」が抱える課題とは?今後の展望も解説」をご覧ください。
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