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お役立ち記事

2023-06-20 09:00:58

NASとは?HDDとの違いや導入メリット・デメリットを解説

NASとは?HDDとの違いや導入メリット・デメリットを解説

社内のデータ管理に「NAS」を導入することで、業務効率改善や生産性、利便性向上が期待できます。

一方、NASの仕組みやメリット・デメリットは、IT以外の業界、そして非エンジニア人材にはあまり知られていません。
そこで今回は、NASの基礎知識やHDDとの違い、企業における導入メリットを解説します。

 

NAS(ネットワークアタッチドストレージ)とは?

NASとは「ネットワークアタッチドストレージ」の略語で、大容量のストレージデバイスをネットワークにつなぎ、許可されたユーザーがデータを一元的に保存・取得するシステムを指します。

これにより、組織内のユーザーがネットワークを通じてデータを共有したり、バックアップしたりすることが可能になります。
企業においては、社内パソコンからデータをNASに保存・共有し、リモートアクセスできるため便利です。
NASは基本的に、従来のファイルサーバーに近い役割を果たすものです。

セキュアかつ高速インターネットの登場により、初期費用やランニングコストが低く、利便性の高いNASに注目が集まっています。

とりわけ小規模企業の業務において、NASは大変重宝するでしょう。

NASの仕組み

NASとはいわば、ネットワーク経由で使える外付けHDDに近い仕組みを採用しています。
具体的には、LANケーブルを通じてネットワークルータ・ネットワークハブに接続します。
そしてNFSやCIFSといったプロトコルを使用し、インターネット経由でデータの読み書きを行います。

ストレージには複数のデバイスからのアクセス可能で、読み書きしたデータは、リアルタイムでその内容が変更されます。

たとえば、Aというファイルデータを編集した後、別の人がAにアクセスすると、編集後の内容が表示されるわけです。
これにより、複数人でのデータ共有・変更が容易になります。

さらに、一部のNASには「RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)」機能が搭載されています。

RAIDは複数のHDDなどを組み合わせ、一つのストレージとして運用する技術のことです。
ストレージの大容量化、故障による稼働停止リスクの軽減、安定性向上、そして「冗長性向上」のメリットがり、データ保護の観点から有効です。

NASによっては、メディアストリーミングやバックアップ、リモートアクセス、仮想化サポートといった付加機能が利用可能です。
一元管理による効率的なデータハンドリングで、自社業務の効率を大幅に底上げします。

 

IT用語としての冗長性とは?

冗長性とは、ストレージ・システムを負荷分散やミラーリングにより「冗長化」し、それによって安全性を高めることをいいます。
IT業界においては、比較的ポジティブな意味合いで使われる言葉です。

たとえば、銀行などのインフラ系システムは一瞬たりとも稼働停止が許されません。
そのため、メインストレージとは別に、バックアップ用のストレージを用意し、システムを「二重化」した状態で運用します。

メインシステムとバックアップストレージ、両方を同時運用するイメージです。
これにより、メインシステムに障害が発生した場合、常時待機しているバックアップシステムに切り替えて運用を続けられます。

RAIDも例に漏れず、冗長性が高まるシステムを構築・運用できます。

NASとHDDの違いは?

NASは、HDDの特性を持ちながら、データ管理をインターネット上で行うのが特徴です。
ここでは、NASとHDDの違いについてご紹介します。
HDDと類似するSSDの特徴にも触れますので、参考にしてください。

そもそもHDDとは?

HDDは「ハードディスクドライブ」の略で、コンピューターにおける外部記憶装置を指す言葉です。

円盤状のディスクの磁化状態を変化させる「磁気ディスク装置」であり、価格が比較的低く、大量のデータを保存できます。
一方で、振動や衝撃に対する耐性が低く、読み書きの速度も遅めです。
なお、HDDではRAIDを活用し、RAID 0からRAID 6まで、さまざまなレベルのデータ保護が可能となります。

HDDと比較される外部記憶装置として、「SSD」が挙げられます。
SSDは「ソリッドステートドライブの略で、半導体素子メモリを用いた記憶媒体です。
高速なデータの読み書き能力と、振動・衝撃に対する耐性が高く、近年はノートパソコンなどの内部ストレージにおいて、SSDを採用するのが一般的となりました。

HDDに比べて高価ですが、データの高速処理を必要とする用途に適しています。
HDDとSSDは、それぞれ異なる特性を持ちます。

大容量で低価格なHDDは、バックアップデータの保存先に最適です。
一方、高速な処理が必要な場合にはSSDが適しています。

NASとHDDの違い|アクセス方法

NASとHDDはデータのアクセス方法およびストレージとの接続方法に違いがあります。

NASは、通信プロトコルの一種であるTCP/IPを利用してネットワークストレージにアクセスします。

利用者にアクセス権限が付与されていれば、インターネット経由でデータの保存・取得・共有が可能となります。
一方、HDDはパソコンなどに直接接続する補助記憶装置の一種です。

HDDはパソコンに内蔵する形で使われる場合もあり、その場合は「内蔵ハードディスク」といいます。
さらに電源やインターフェースを内蔵した専用ケースに格納されているものは「外付けハードディスク」といいます。

NASとHDDの違い|用途

NASは企業でのデータ管理において重要な役割を果たします。

もっとも一般的なのは、複数のユーザーがTCP/IPネットワークを通じてファイルを保存・共有することです。

組織などの複数人体制であればNAS、1人やごく少数の組織、バックアップ用途で利用するHDDと使い分けるのがおすすめです。
まず、NASは集中管理型のファイルサーバーと同じ機能を持ち、パソコンと同じくCPUやメモリー、専用OSが組み込まれています。

RAIDなどの保護機能が組み込まれているため、データの安全性が確保されています。
インターネット経由かつ複数からのアクセスを前提に設計されているため、利便性の高さやセキュリティ機能に重きを置いています。

NASは拡張性も高く、外部のサービス・ツールを導入したり、データの保存先や移行方法など、細部にわたってカスタマイズしたりできます。

対するHDDは、データのバックアップに用いられることが多い装置です。
ストレージ容量は非常に多い一方、パソコンなどのデバイスと直接接続する必要があること、データの読み書きが遅いといったデメリットがあります。

企業がNASを導入するメリット・デメリット

ここでは、企業がNASを導入するメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

従来に比べてデータ共有がスムーズになり、データ管理を効率的に行えます。

バックアップと復元の手軽さ、ストレージ容量の拡張のしやすさ、リモートアクセスによる利便性の向上など、社内全体の業務効率改善が期待できるでしょう。

また、NASはデータのバックアップにも有用です。
NASにはRAID機能が搭載されており、ハードディスクの故障に備えた冗長化が可能となります。

加えて、自動バックアップ機能も利用できるため、手動でのバックアップ操作が不要となります。
バックアップやデータ復元を手間なく実行できるため、データ保全の観点から有効です。

デメリット

データ管理の利便性とセキュリティの強化を両立させるためには、NASの適切な導入・運用が求められます。

特にNASを導入する際は、セキュリティ面での慎重な配慮が必要です。

まず、NASはインターネットに接続されるため、ハッキングやマルウェア、ランサムウェアといったサイバー攻撃に対する脆弱性があります。
常に最新のセキュリティ対策を行い、潜在的なリスクを減らすことが重要です。

また、一部のNASには組み込みの暗号化機能がなく、データの盗難・傍受リスクがあります。
さらには非IT専門家によって運用されることが多く、設定ミスやヒューマンエラーによるセキュリティ上の脆弱性も看過できません。

たとえば、利用者が特定しやすいパスワードを設定し、それが悪意ある第三者によって解析された場合、ストレージに不正アクセスされる恐れがあります。

NASは便利な一方、専任人材による適切な設定・管理・運用が必要といえるでしょう。

企業におけるNAS選びのポイントとは?

NASの種類は多岐にわたり、それぞれの特徴を理解しつつ、自社に最適なサービスを選ぶことが大切です。
ここでは、企業におけるNAS選びのポイントを4つにわけて解説します。

ストレージ容量

NASのストレージ容量は、自社の業内内容や利用アカウント数を考慮して選びます。

極端に多かったり、少なかったりすると費用対効果が下がる可能性があります。

セキュリティ機能

企業がNASを導入する際、セキュリティ機能が充実しているサービスを選ぶべきです。

一部のNASにはデータを暗号化して不正アクセスから守る機能や、カスタマイズ性の高いアクセス制御機能を搭載しています。

たとえば、アクセス制御を用いて異なる部署からのみアクセスできるフォルダや、個人専用のフォルダなどを設定し、運用可能です。
さらにNASのファイアウォール機能で、外部攻撃や不正アクセスからの保護を行います。

こうした機能を備えるNASは、ログイン失敗が指定回数を超えると、該当のIPアドレスからの接続を一定時間ブロックするIPアクセス保護が実行されます。
ログ管理も行われるため、不正アクセスや攻撃の痕跡を追跡し、対策を講じることができます。

提供事業者のサポート体制

NASには業務上重要なデータを保存することが珍しくありません。
故障・破損時は早急な復旧が求められるため、提供事業者によるサポート体制が重要です。
中小企業の場合、NASをオフィス内に設置し、社内の非エンジニアで運用するのが一般的です。

万が一、端末が故障・破損したり、データアクセス関連のトラブルが起きたりした場合、社内での解決が難しいこともあるでしょう。

その際、早い段階で提供事業者のサポートを受けることが大切です。

拡張性

一部のNASはUSBポートに外部HDDを接続することにより、ストレージ容量を拡張できます。
HDDと比べるとNASの拡張性は低いといわれますが、後付けでストレージ容量を増やすことは可能です。

また、スケールアウト型NASと呼ばれる容量やパフォーマンスをアップグレードできる種類もあります。
これは、数のNASを連携させて容量を増やすタイプで、ビッグデータ環境など、大量の情報を扱う場面で役立ちます。

必要に応じて容量を増やせるため、従来のスケールアップ型NASに比べて、柔軟性とコスト効率に優れています。

まとめ

DX推進などの影響もあり、クラウド基盤のデータ管理環境に移行する企業は少なくありません。
NAS自体は導入ハードルが低いものの、自社に最適なサービス選ぶには、専門家のサポートを受けるのがベストでしょう。

これからNASを導入するなら、スターティアのクラウド構築・保守をご利用ください。

サービス選定や設定、仮想環境の構築などをプロがサポートします。
まずはお問い合わせください。

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