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2021-01-28 15:11:08

リストラは最終手段!人件費削減のためにできること

人件費

 

人件費というのは、様々な経費の中でも大きな固定費であり、売り上げが振るわない中で払い続けるのは非常に苦しいものです。
やり方を変えることで状況を変えることができる場合もありますが、
割り振る仕事がないような状況下では、リストラを検討することになるでしょう。
でも少し待ってください。リストラは最終手段。その前にできることをご紹介します。

リストラを避けなければならない理由

仕事がないなら、手っ取り早くリストラをしてしまったほうが良いではないか?と思う人がいると思います。
確かに、リストラをして従業員を減らせば、その時点で支出はぐっと抑えることができるでしょう。
ただし、後々後悔するかもしれません。その理由をご紹介します。

状況が好転した時のことを考える

売り上げが順調に上がっていた時のことを思い出してください。
また同じように仕事が入ってきたとき、その人材がいない状態で同じように仕事を回すのは難しいのではないでしょうか。
もし、このまま事業を縮小するつもりなのであれば、リストラも仕方ない場合はあると思います。
しかし、例えば今回のコロナウイルスのような、一時的であるとも考えられる要因によって苦境を強いられている場合、
状況が好転した時のことも考えておかなければならないのです。

一度リストラしてしまった人材は、余程のことがない限り戻ってきてくれることはありません。
後になって、あの時リストラしなければよかったと思っても遅いのです。

人材採用には時間と費用が掛かる

リストラ後、状況が好転してまた人手が必要になれば、採用活動を行うことになります。
しかしこの人材採用、そう簡単なことではありません。
世の中が不況の中にあり、求職者の数に対して仕事が不足している場合は、
多くの応募が見込めますし、スキルが高く人物印象の良い人の採用もしやすいといえます。

しかし景気が良くなり、多くの企業が新しい人材を必要とした場合には、求職者が不足します。
いくら広告を打っても、人材紹介会社に依頼をしても、採用はおろか応募すらないということも多々あります。
いつもだったら内定をだす応募者ではないけれども、妥協をして採用しなければいけないかもしれません。
なかなか採用ができなければ採用費用がかさみますし、
人員が足りない間に受けられるはずの仕事も受けられないため売り上げを拡大することもできず、結果的に大きなマイナスとなるのです。

特殊な知識やスキルが必要な場合は特にさけたい

自社の仕事を実行するために特殊な知識やスキルが必要である場合、特にリストラは避けたい経費削減の方法です。
特殊な仕事であればあるほど、即戦力を採用するのが難しく、また、未経験者を育てるには時間が必要になります。

まずは現状の数字を把握する

人件費削減の方法を考える前に、まずは現状を把握しなければなりません。
人件費が自社の事業経営においてどのように使われているかを数字で明らかにしましょう。
その数字を分析し、自社ではどんな手を打つべきなのかを検討します。

また現状の把握は一度行えば良いのではなく、年に1回、半年に1回など、定期的に行う必要があります。
以下に把握すべき数字のポイントをご紹介します。

※ここから紹介する人件費とは、給与、賞与、各種手当、退職金の引当金、法定福利費、
福利厚生費、現物支給による通勤定期券などが含まれています。

1. 売上高人件費率

売上高人件費率とは、売上高の人件費が占めている割合はどれくらいかを見るための指標です。
企業の経営に対して、人件費がどれくらいの負担になっているのかを知ることができます。

人件費率は「人件費 ÷ 売上 × 100」で出すことができます。
業界別の人件費率の目安は以下の通りです。

・飲食業 30%~40%
・宿泊業 30%~40%
・サービス業 40%~60%
・製造業 10%~50%
※製造するものによって人件費率の差が大きいです。
・小売業 10%~30%
・卸売業 5%~20%
・建設業 15%~30%

人件費率は、高すぎると経営を圧迫している可能性が高いですが、逆に低すぎても、
社員に対して適正に還元できていないことになり、満足度やモチベーションの低下に繋がりますので、注意が必要です。

2. 一人当たり人件費

一人当たり人件費は、従業員1人にどれだけの人件費がかかっているかの指標です。
一人当たり人件費が高ければ高いほど、従業員としては多くのお金が還元されているということになります。

一人当たり人件費(月)は「(人件費÷12)÷従業員数」で出すことができます。

3.労働分配率(付加価値分配率)

労働分配率は、企業が生み出した付加価値に対して人件費として分配されているのはどのくらいかを見るための指標です。
この指標では、人件費の効果性を見ることができます。

労働分配率(%) は「人件費 ÷ 粗付加価値 × 100」で出すことができます。

粗付加価値とは、営業利益、人件費、賃貸料、租税公課、支払特許料、減価償却費の合計です。

労働分配率が増加しているということは、労働生産性よりも人件費の増加率が上回っており、
人件費の負担が大きくなっていることを表しています。
これは、何らかの手を打つ必要がある状態といえます。人件費と労働分配率のバランスを保つことは重要なポイントです。

人件費削減のための方法

①残業時間を削減する

残業時間が長ければ、その残業代として人件費が膨らむことになります。
その残業は、全て本当に必要なのかというと、そうではない場合も多いものです。
中には、残業代をもらうためにダラダラと仕事をしてしまっていたり、
改善の余地があるにもかかわらず残業を削減する意思がないためになんとなく残業をしてしまっていたりするパターンも多く見受けられます。

また、人件費の問題以外にも、残業が多すぎることは心身ともに大きな負担となることも多く、改善する必要があるといえます。

業務に支障をきたさない範囲で、残業時間を削減するには、現在の残業時間とその業務内容、成果を明確にしましょう。
そして、残業をしなければならない原因を明らかにします。
具体的な原因の例としては、以下のようなものが考えられます。

・上司の考え方
社会人とは残業をするものだ。部下は先に帰ってはいけない。など

・会社の風土
早く帰ることを非難する。残業をすることが会社への貢献と考えている。など

・個人の意識やスキル
ダラダラと仕事をしている。効率が悪かったり、スキルが不足していたりして時間がかかる。など

・仕事量ややり方
一人当たりの仕事量が多すぎる。仕事が非効率的になっている。など

*具体的な取り組み例

『ノー残業デイの実施』
「残業を減らしましょう」と呼びかけるだけでは、これまでのやり方や流れを変えることは難しいです。
ある程度の強制力を持って、残業をしない環境を作る必要があります。
残業ができない環境を作るには、ノー残業デイの実施のほか、時間を決めた強制的な消灯などがあります。
ノー残業デイの場合、その日の仕事が別の日にまわり、結局のところ総残業時間は変わっていない…とならないようにしなければなりません。

『残業の事前申請制』
なんとなく行われている残業を減らすためには、残業の事前申請制を導入するのも効果的です。
残業が発生する日には、事前に上長などに申請し、それが認められた場合にのみ残業ができる制度です。
事前申請制にすることにより、理由不明のダラダラと行われている残業を削減できる上に、
どのような理由で残業が行われるのかを把握することができ、また残業をしないで仕事を終える方法についてアドバイスすることもできます。さらに、申請をしていない日には、個々人が時間内に仕事を終えるための工夫をして、効率的に仕事を進めることにも繋がります。

『退社時刻の宣言』
退社する時間が曖昧であると、ダラダラと仕事をしてしまいがちです。
退社時間の目標を定めることで、それに向かって効率的に仕事を進めることができます。
自分で決めるだけではなく、出社時点でその日の退社時刻をボードに書き込むなどし、
退社時刻の宣言をすることで、より強く時間を意識して仕事に取り組むことができるでしょう。

『残業時間に関する評価を設ける』
残業が減り給与が減るばかりではモチベーションが下がってしまいます。
そこで、残業をせずにしっかりと成果を残していることに対して評価をする項目を設けます。
効率的に仕事をしていることを評価されるとなれば、前向きに残業削減に取り組むことができます。
また、上長の評価項目にも、部下の残業時間に関する項目を加えます。
こうすることで、残業を強いるのではなく、効率的に仕事ができるように気を配ることができるようになります。

『機械やシステムを導入して生産性を高める』
リストラを検討するような段階であまり高額な費用をかけることは難しいですが、
残業代と比較して、機械やシステムを導入することで生産性が上がり、
全体の経費を抑えることができるのであれば検討の余地はあります。
また、長い目で見れば、今後人を増やさずにより多くの仕事をこなせることになるので、
将来的な人件費の削減や、採用コストの削減にもつながるでしょう。

②出向させる(配置転換させる)

航空会社が雇用を守るために、社員を関連会社に出向させたというニュースをご覧になった方も多いでしょう。
これまでとは異なる会社で、異なる業務につくことは従業員にとっても辛いことは多いですが、
今後経営の回復が見込まれる場合には有効な方法です。
中小企業では関連会社がないことも多く、そのまま真似をすることは難しいですが、
景気の良い知り合いの会社に相談をして一時的に雇ってもらうことなどはできるかもしれません。
これまでと同じ給与で雇ってもらうことが難しければ、差額を自社で負担することで、
最低限の人件費に抑えながら長期的な雇用を守ることができます。

またこれまでは外部に委託していたような作業を自社に戻し、その作業を社員の配置転換によって行わせることもできます。

③成果主義を導入する

年功序列の評価制度では、頑張っても給与は上がらず、生産性を高めようという意識を持つことができません。
また当然のことながら、十分な働きをしていない人に対して、高い給与を支払い続けることは無駄であるといえます。

成果主義を導入することで、給与に見合った働きをしていなかった人が明らかになり、結果的に人件費を削減することができます。
一方で成果主義によってこれまでよりも高い給与を支払う従業員も出てくるわけですが、
彼らの士気やスキルが高まり、生産性を向上させることが期待できるので、有効な人件費の使い方といえます。

ただし、これまでのやり方を突然変えてしまうことは、従業員の反発にも繋がりますので注意が必要です。
とはいえ、働きに応じて給与が支払われる成果主義で不満をいうのは、これまでの給与に見合った働きをしていなかった従業員です。
適正な給与では満足せずに自主的に辞めていくというのであれば、それは結果的に会社にとってプラスになるのではないでしょうか。

最後に

人件費は、企業経営に重くのしかかる固定費です。リストラをすることは、手っ取り早い経費削減になることでしょう。
しかし、簡単に従業員を解雇してしまうのは得策とはいえません。
自社の人件費を正しく把握し、最適な形で活用することで、リストラをせずに人件費を削減することができるのではないでしょうか。

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