多くのオフィスで導入されているビジネスフォンは、複数人で同時に通話ができるため、電話の発着信が多いオフィスでは非常に便利です。
しかし、導入の際に適切な「チャンネル数」を判断しなければ、電話ができない・受けられないといった不都合が生じる可能性があります。
ビジネスフォンの導入を検討している場合は、チャンネル数について正しく理解しておきましょう。
この記事では、チャンネルの概要や、必要なチャンネル数を決める基準について解説します。
ビジネスフォンの仕組み
ビジネスフォンは、複数の回線と電話機を接続し、発着信を制御するシステムの総称です。
主装置という機器によって、さまざまな機能が実現されています。
社内外との電話連絡が多いオフィスにおいて導入されることが多い設備です。
家庭用の一般的な電話機との違いは、接続できる回線数の違いです。
一般的な電話機の場合、1台につき1回線しか接続できません。
対して、ビジネスフォンの主装置には、複数の回線を接続できるほか、複数の電話機に振り分けることができます。
これにより、1つの番号からの着信で複数台の電話機を同時に鳴らすことが可能です。
また、複数台の電話機で同時に通話することができます。
ビジネスフォンのチャンネル数とは
ビジネスフォンを導入する際に検討しなければならない要素のひとつがチャンネル数です。
チャンネル数とは、「同時に通話できる数」で、つまり、何人まで同時通話できるかを示します。
以前は、「回線数=チャンネル数」と考えられていましたが、光回線での利用が一般になった現在では、1つの回線で複数のチャンネル数を利用できるようになっています。
ビジネスフォンの回線数とチャンネル数の違い
ビジネスフォンの回線数とチャンネル数の違いについて、より深掘りしてお伝えします。
回線数は外部接続された電話線の数
回線は、主装置から外部へつながっている電話線のことです。
回線数は、その電話線の数を示します。
混同されることがありますが、電話番号とは関係がありません。
チャンネル数は同時通話可能な数
チャンネル数は、その電話環境において同時に通話できる人数です。
例として、10チャンネルある場合は、10人まで同時に通話ができます。11人以上の同時通話はできません。
回線数・チャンネル数・電話番号数の関係
回線数とチャンネル数、電話番号数の間に、明確な関係はありません。
1つで複数のチャンネルを利用できる回線があります。
また、1つの回線で複数の電話番号を利用することも可能です。
1つの回線で利用できるチャンネル数、および電話番号数は回線のサービスによって異なります。
電話回線の種類ごとのチャンネル数
上記のとおり、1つの回線で利用できるチャンネル数は1つとは限りません。
電話回線には数種類あり、回線の種類によってチャンネル数が変わってきます。
以下では、電話回線の種類ごとのチャンネル数をご紹介します。
アナログ回線
アナログ回線とは、動線を使用する方式であり、家庭用として広く普及している電話回線です。
耐久性が高く、通話の安定性に優れている点が特徴です。
停電時でもトラブルなく利用できることが多いため、現在でも評価されています。
アナログ回線は、1回線あたり1チャンネルしか利用できません。
このことから、電話の発着信が多いオフィスにはあまり適していない回線と言えます。
一方で、災害などの停電時を想定し、一部の回線をあえてアナログ回線にしている企業も少なくありません。
ISDN
ISDNは、アナログ回線と同様に動線を使用する回線です。
デジタル伝送方式を採用することにより、通話の音質を向上させています。
一方で、既設の電話回線を利用することは、導入コストが低い点が特徴です。
ISDNは1回線あたり2チャンネル利用できます。
複数チャンネルを利用できるという点ではオフィス向きです。
ただし、通話料金の高さから、近年は後記のIP電話などに置き換わってきています。
IP電話
IP電話とは、インターネット回線を利用して通話を行う方式のことで、現在では光回線を使用するIP電話が一般的となっています。
IP電話では複数チャンネルを利用することが可能です。
オフィスに導入する電話回線として適しています。
通話料の安さも魅力です。
一方で、通話音質の低さが指摘されることもあります。
ひかり電話
ひかり電話は、NTT東日本/NTT西日本が提供している「フレッツ光」の回線を利用する電話サービスです。
光回線を利用していることから、IP電話の1種と言えます。
ひかり電話は、IP電話と同じように複数のチャンネルが利用可能です。
ビジネスフォンのチャンネル数を決める基準
オフィスにビジネスフォンを導入する場合、必要なチャンネル数をあらかじめ決めておくことが大切です。
電話の件数が多いオフィスの場合、利用頻度に対してチャンネル数が少ないと不都合が生じてしまいます。
また、チャンネル数は後から簡単に追加することができません。
以下では、ビジネスフォンのチャンネル数を決める際の基準について解説していきます。
チャンネル数は社員の数だけ必要?
チャンネル数を決める際、「社員の数だけ用意すれば便利なのでは?」と考える方が多いでしょう。
確かに、電話を使う人数分のチャンネルがあれば、全員が同時に通話できます。
しかし、コスト面を考えるとこれは正しい選択とは言えません。
チャンネル数が増えるほど、維持費も高くなります。
さらに、オフィスにいる社員全員が同時に通話するような場面はほとんどないでしょう。
現場の利用頻度によっても変わりますが、一般的には社員の数と同数のチャンネル数を用意する必要はありません。
まずは社員の数の3分の1を基本に
上記のとおり、社員の数と同じチャンネル数を用意してもコストが無駄になってしまうケースがほとんどです。
電話が業務の中心になっている現場でない限り、社員全員が電話しているケースはあまり考えられないでしょう。
また、そもそもオフィスには電話を担当しない社員もいることがあります。
こうした要素を踏まえると、目安となる必要チャンネル数は社員の数の3分の1程度です。
社員数12人のオフィスの場合は4チャンネル、社員数15人のオフィスの場合は5チャンネルを推奨します。
一般的な電話の頻度であれば、不自由することはないでしょう。
コスト面とのバランスも良好です。
ただし、最終的にはオフィスでの電話の頻度や、「電話が業務のなかでどの程度のシェアを占めているか」といった観点から考えましょう。
例として、コールセンターでは各オペレーターに対して1つのチャンネルを用意しなければ業務が停滞します。
規模に応じた必要チャンネル数の目安
自社のオフィス規模に対してどの程度のチャンネル数が必要なのでしょうか。
以下では、オフィスの規模に応じたチャンネル数の目安について解説します。
小規模・中規模オフィス(社員数10~20人)
社員数10〜20人の企業では、チャンネル数4chで検討しましょう。
全員が電話を担当するオフィスではない限り、4chで十分だと考えられます。
ただし、将来的な増員により必要チャンネル数が増えることも考えられるため、複数のチャンネルを利用できる回線の利用を検討してください。
大規模オフィス(社員数50~300人)
社員数50〜300人のオフィスでは、4~10chを用意するのが一般的です。
全体の社員数を考えると少なく感じますが、一般的には社員数が増えるほど電話を担当しない社員も多くなってきます。
もちろん、電話の頻度によってはその限りではありません。
あくまで日常的な業務の内容から想定される必要チャンネル数を優先してください。
足りないチャンネル数をスマホでカバーするという選択肢もある
近年は、スマホをビジネスフォンとして利用できるサービスも普及しています。
アプリをインストールするだけで、ビジネスフォンと同じようにスマホを利用できるというサービスです。
一般的なビジネスフォンと同じように、外線・内線の通話や転送といった機能を利用できます。
社用スマホを社員に提供し、ビジネスフォンとして利用させている企業も少なくありません。
特に、訪問営業が多い社員の場合、外出先でも企業の電話番号で通話できるため便利です。
社員数の増員などによりチャンネル数が足りなくなってきた場合は、スマホをビジネスフォン化してカバーするのもおすすめです。
回線の増設や契約の変更でチャンネルを増やすよりも手間がかかりません。
スターティアで提供しているビジネスフォンをスマホが内線として利用できます。
スマホに無料専用アプリをインストールすることで、会社の電話機と同じようにスマホで内線を利用可能です。
スマホから会社番号で電話をかけたり、会社にかかってきた電話を内線でスマホへ取次ぎしたり、外出先から社内と同じように電話を利用できます。
ビジネスフォンのチャンネル数を増やしたい場合は、ぜひご検討ください。
まとめ
ビジネスフォンを導入するうえで、適切なチャンネル数を吟味することは重要です。
チャンネル数が不足している場合は、電話業務が停滞してしまいます。
一方で、チャンネル数が多すぎる場合もコストの無駄になってしまうのです。
今回の内容を参考に、自社のオフィスには何チャンネルが必要なのか慎重に検討しましょう。
スターティアでは、スマホをビジネスフォンとしてご利用いただけるサービスを提供しています。
チャンネル増設の代わりとしても活用可能です。
ご興味をお持ちのお客様はぜひご相談ください。
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