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2023-08-17 09:00:11

深刻化する「ひとり情シス」とは?企業が抱える課題・リスク、解決策を徹底解説

深刻化する「ひとり情シス」とは?企業が抱える課題・リスク、解決策を徹底解説

デジタル社会の今、「情報システム部門(情シス)」を設置する企業が増加しています。
情シスの仕事が重要度を増す一方で、一人あるいは数人の担当者で現場を回す「ひとり情シス」に陥る企業が少なくありません。
今回は、さまざまな業種・職種で深刻化しているひとり情シスの問題点やリスク、解決策をご紹介します。

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ひとり情シスとは?

「ひとり情シス」とは、情報システム部門を1人または2~3人程度の少人数で担当することをさします。

この現象は、特に従業員数が数十名規模の企業で多く見られます。
ひとり情シスとは、社内システム部門の運用や保守の業務を担当し、IT人材の不足や担当者の離職によって発生する問題でしょう。
ひとり情シスが抱えるリスクには、セキュリティ対策の不十分さや業務効率の低下が挙げられます。

さらに、担当者が休暇や病気で働けないとき、業務が滞る可能性があります。
これらのリスクを避けるためには、外部の専門家やアウトソーシングを活用するといいでしょう。

ひとり情シスが増加した背景とは?

「ひとり情シス」の増加背景には、主に次の要因が考えられます。
 

  • 深刻化するIT人材不足
  • 情シス担当者の高い離職率
  • 経営者のITリテラシー不足

前提として、現在は業界全体で人材が不足しており、企業は情報システム部門の運用・保守に関わる人材の確保に苦戦しています。
人材の母数が少なく、必然的にひとり情シスが起きやすい状況にあるのです。

また、情シス担当者の離職率の高さ、経営者のITリテラシーの低さが、ひとり情シスの引き金となります
特に零細・中小企業や従業員数が少ない企業で見られますが、ITに関する知識・ノウハウを持つ人材が不足している場合、従業員数が多くてもひとり情シスが採用されることがあります。

深刻化するIT人材不足

IT人材は文字通り、IT技術を扱える人材のことで、システムやソフトウェアの運用・保守を担当するエンジニアなどが含まれます。
近年、多種多様な業界において、IT人材の不足が深刻化しているのです。

理由はいくつか挙げられますが、IT技術の進歩やDXの推進にともない、IT人材への需要が増加したのが大きいでしょう。

さらに少子高齢化により、日本の労働力人口が減っていることから、IT人材の供給そのものが足りていない状況にあります。
これらの要因により、企業が情報システム部門の運用・保守に関わる人材を確保することが難しくなり、ひとり情シスの増加につながっています。
特に中小企業や従業員数が少ない企業では、IT人材の不足が深刻な問題です。

情シス担当者の高い離職率

情シスは平均的な離職率が高く、企業においても情報システム部門の運用・保守に関わる人材の確保が難しくなっています。

「Dell EMC」の「IT投資動向調査(2019年版))」によると、情シスの離職率は約21%とのことです。

職場や労働環境、待遇に不満があったり、キャリアアップ思考の人材だったりする場合、早期離職を決断するケースが少なくありません。
また、「一般社団法人 ひとり情シス協会」が公表した「ひとり情シス実態調査2022」によると、中小企業におけるひとり情シスの割合は、2022年時点で87.4%であることがわかりました。
これらの調査結果から、転職市場におけるIT人材確保の困難さが浮き彫りとなっています。

経営者のITリテラシー不足

情シスに対する経営者の理解が足りず、予算や人員の確保に消極的になる企業が少なくありません。
それにより、ひとり情シスが起こりやすくなります。
また、近年は企業において、クラウドサービスを活用し、人件費を削減する動きが見られます。

人件費を含めたコストダウンにより、情シスおよびIT担当者を減らすことが多いのです。

一方、社内システムの運用・保守が不十分になり、システムの不具合やセキュリティリスクが高まる可能性があります。

ひとり情シスがもたらすリスクとは?

ここでは、ひとり情シスの状態がもたらすリスクを解説します。

リスク1:情報セキュリティの脆弱性

情報システム部門の担当者が1人だけの場合、セキュリティ対策に十分な時間やリソースを配分するのが難しくなります。
これにより、ウイルス感染、システムの不正アクセス、個人情報の漏洩などのリスクが高まります。

また、担当者が最新のセキュリティ技術や知識を身につける機会が限られているため、セキュリティ対策が適切に行われません。
業務の属人化が招くセキュリティリスクは計り知れず、企業にとってはデメリットしかないでしょう。

リスク2:業務の遅延や効率低下

情シスがひとりの状況下では、多岐にわたる業務をこなすのが困難となります。
担当者の業務負担が増大し、セキュリティ対策やシステム運営などの重要な業務が適切におこなわれない状況を生み出します。

さらに、担当者が休職や退職をした場合、情報システム部門の機能が停止する恐れがあります。

これは企業活動に大きな影響をおよぼすでしょう。
企業側としては、外部の専門家やサービスを活用して業務負荷を軽減したり、新たに情シスを採用したりして、対策しなければなりません。

リスク3:業務の属人化

情シスは少人数で現場を回すことが多く、結果的に業務の属人化が進みます。
とりわけ情シス業務に関する情報共有やノウハウ蓄積がされていない場合、後任への引き継ぎができなくなり、情シス業務の運用が困難になることも考えられます。
ひとり情シスの業務が属人化しやすい理由は、大きくわけて2つあります。

ひとつは、業務の専門性の高さです。

情報システム部門では、社内システムの開発・構築や保守運用、セキュリティ対策、ヘルプデスクなど、さまざまな業務を担います。
専門性の高いIT知識や技術が求められ、属人化しやすい状況が生まれるのです。

また、業務そのものが利益に直結しにくく、システム部門へのリソース確保が十分でない場合があります。

その結果、システムなどの運用・保守をひとりで行わざるを得ない状況が生じ、業務が属人化しやすくなります。

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ひとり情シスの4つの解決策

ひとり情シスが抱える問題を解決するためには、以下4つの解決策が考えられます。

IT人材の育成・確保

IT人材の育成・確保に力を入れることで、ひとり情シスから脱却できるでしょう。
具体的な取り組みは次の通りです。
 

  • 現状把握
  • 育成プランの共有
  • 座学やOJTの実施

人材育成で社員のITスキルを高めることは、ひとり情シスを防ぐ第一歩です。

人材育成の方法は多岐にわたりますが、まずは既存社員におけるITスキルの現状把握から始めます。
現時点のスキルを見極めることで、人材育成プランを立案できるためです。

たとえば、プログラミングスキル判定サービスの「TOPSIC」を実施すれば、既存社員のプログラミングスキルを可視化できるでしょう。

次に、育成プランを社内に周知させます。
育成の目的や過程、現時点で自社が抱える課題点などを社員に周知することで、モチベーション向上や成功体験のもとになる可能性があります。

さらにITスキルを向上させるために、座学やOJTを実施し、従業員の実践力を高めることが効果的です。
合わせて社内外の研修や勉強会に参加することで、従業員が新たな知識や技術を学び、スキルアップを図れます。

上記の取り組みにより、ひとり情シスを防止するだけでなく、専門性を活かした適切な業務分担、社員一人ひとりの業務効率および生産性アップが期待できるようになります。

業務範囲の明確化

ります。
業務範囲を把握する方法はさまざまですが、自身の「やるべきこと」を見える化し、優先順位をつけることが大切です。

さらに「RPA (Robotic Process Automation)」で繰り返し行われる業務を自動化し、自身の業務負担を軽減するとともに、業務範囲を明確化するといいでしょう。

また、業務に関するマニュアルやFAQを整備することで、業務範囲の明確化および社内への周知が進みます。
業務の属人化を防ぐ上でも、マニュアルなど整備は効果的です。
これらの手法を適切に組み合わせることで、ひとり情シスが業務範囲を明確化し、効率的な業務運営が実現できることでしょう。

アウトソーシングの活用

アウトソーシングにより、情シス個々の業務負担が軽減され、業務効率化や生産性向上が期待できます。
さらにアウトソーシング先が持つ運用ノウハウや専門知識を活用することで、情シス業務の質も向上することでしょう。
ただし、アウトソーシングを導入する際には、適切なパートナー企業を選ぶことが重要です。

充実したICTサービスを提供する事業者、実績が豊富な事業者など、信頼できるアウトソーシング先を見つけましょう。

ITツールの導入で業務効率化

近年は業務支援に使えるAIツールが登場しており、こうした先端テクノロジーを活用するのも有効です。

たとえば、AIチャットボットが挙げられます。
IT関連のトラブルが生じた場合、まず呼び出されるのは、情シスをはじめとしたシステム部門です。

一方、一つひとつに細かく対応していると、情シスが本来やるべきコア業務に集中できません。
社内から頻出する質問・トラブルなどは、AIチャットボットに対応させることで、情シスが直接対応する頻度は下がります。

情シスはリソース確保ができ、一般社員はチャットボットに質問するだけでトラブルを解決できるでしょう。

情シスの仕事をアウトソーシングするメリット・デメリット

定型化された情シスの仕事は、専門業者にアウトソーシングするのがおすすめです。
ここでは、アウトソーシングにおけるメリット・デメリットをご紹介します。

メリット1:コスト削減

業務のアウトソーシングにより、新たな情シスの採用コストを削減できます。

情シスは比較的離職率が高い傾向にあり、採用コストを捻出しても、入社後にすぐに辞めてしまうケースが少なくありません。

アウトソーシングを併用することで、既存の情シスの業務負荷を軽減できると同事に、採用活動などで投じたコストが「水泡に帰する」こともなくなります。

メリット2:業務の属人化を回避できる

アウトソーシングでは、専門知識およびスキルを持つITエンジニアに業務を委託します。
それにともない、ひとり情シスの懸念点である属人化を回避しやすくなります。
また、結果的に情シスの業務負荷が軽減されることで、業務効率や生産性向上も期待できます。

デメリット1:ノウハウの蓄積が進まない

業務をアウトソーシングすることで、社内人材における情シス業務の運用ノウハウの蓄積が難しくなります。

たとえば、将来的に情報システム部門の拡張や、人材採用を考えているとします。
IT業務のアウトソーシングを常態化することで、社内の情シスが育つ「土壌」が形成されないのです。
このデメリットを回避するには、アウトソーシングする業務範囲を明確化し、別個にわけて考えることが大切です。

デメリット2:業務のブラックボックス化が加速

アウトソーシングは通常、委託業務の対応課程を細かく説明することはしません。
つまり、具体的な工程や知見を外部から伺い知ることが難しくなります。

使い方によるものの、業務のブラックボックス化の加速要因となるため、アウトソーシングに頼り切るのはある種、リスクが伴います。
上記の通り、外部にアウトソーシングする業務、社内で対応する業務と切りわけて考えることが重要です。

まとめ

ひとり情シスの解決策は多岐にわたります。
しかし、実践するとなると、相応にコストがかかったり、技術的なトラブルが生じたりします。

自社での解決が難しい場合、手始めに情シス業務のアウトソーシングを試してみましょう。

たとえば、スターティアの「PCサポート」では、PCやタブレットなどのトラブルを電話やリモートにて、365日対応します。

通常は情シスが対応する業務を専門業者に一任することで、担当者のリソースを確保でき、業務負荷も減るのです。
ひとり情シスの防止策・解決策として、簡易的なIT業務はアウトソーシングすることをおすすめします。

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