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2023-09-26 09:00:51

【最新】ステマ規制とは?導入経緯や規制内容、新たな「広告」の定義をおさらい

【最新】ステマ規制とは?導入経緯や規制内容、新たな「広告」の定義をおさらい

インターネットやSNSが一気に普及した2010年代、「ステルスマーケティング」こと「ステマ」が多発したのは、記憶に新しいところです。
実際にステマの被害を受け、正しい判断を下せずに商品・サービスを買った経験がある人もいるのではないでしょうか?

今秋、そんなステマの規制に関する新しいルールが設けられます。
マーケティングやSNS運用を担う企業担当者は、当該規制の内容を理解し、ルールに沿った広告宣伝を展開する必要があります。

今回は、ステマ規制の基礎知識や規制内容、新たな「広告」の定義を詳しく解説します。

 

ステマ規制の基礎知識

そもそもなぜ、日本でステマ規制が整備されるのでしょうか?
ステマの特徴や規制にいたった背景をご説明します。

ステマとは?

ステマとは、消費者に広告であることを明示せずに商品・サービスを宣伝する行為の総称です。

英語では「Stealth Marketing」といい、「Stealth」には「こっそり」や「隠れる」などの意味があります。
ステマの特徴は、消費者に気づかれないように商品・サービスを宣伝したり、企業などが消費者と偽り、自社に有利な口コミを発信したりすることです。
消費者に不利益をもたらす側面があることから、ステマを法律で規制する国もあります。

たとえば、米国では「FTC(連邦取引委員会)」がステマを厳しく取り締まっています。
消費者保護の観点から、企業にはサービス推奨者の情報を開示する義務が設けているのです。

ステマの種類とは?

ステマには、「なりすまし型」と「利益提供秘匿型」の2種類があります。

なりすまし型は、事業者側が自ら表示しているにもかかわらず、まるで第三者が表示しているかのように見せるのが特徴です。
そして利益提供秘匿型は、第三者に金銭などを提供し、表示を行っている一方で、その隠します。

たとえば、芸能人などに金銭を提供し、報酬の見返りにSNSで自社商品・サービスをこっそりと紹介してもらいます。
どちらも、消費者に広告であることを隠して商品・サービスを宣伝する行為にほかならず、公になった際は、関係者の信用失墜を招きます。

ステマの問題点と企業側の対策は?

ステマの問題点は、消費者が商品やサービスを正しく選択できなくなり、企業はおろか、業界全体の信用が失われることです。

さらに消費者が加害者になり得るリスク、宣伝そのものが景品表示法に抵触する可能性もあります。
つまりは企業と消費者、双方にとって危険性とリスクが潜む行為なのです。

日本において、ステマが問題視されるようになったのは、2012年頃です。
インターネットやSNS上でステマが多発し、消費者において、その行為の特徴や危険性が広まりました。

こうした経緯から、近年の企業マーケティングでは「消費者からの信頼」を最重視する傾向があります。

SNSを通じた消費者との直接的な対話・交流、そして日頃からの企業姿勢が、その基板を作るでしょう。

ステマ規制の導入経緯と内容

なぜここにきて、本格的なステマ規制が行われるのでしょうか?
その理由や背景、具体的な規制内容は以下の通りです。

なぜステマ規制が施行されるのか?

今回の法整備は、消費者の合理的ないし自主的な判断による選択を守るために行われます。

上記の通り、海外ではステマを排除する法整備が積極的に行われています。
特に米国やEU諸国は、ステマ対策の先進国といえるでしょう。
対して日本ではステマ関連の法整備が遅れており、現行の景品表示法においては、ステマ規制が困難でした。

このような理由から、日本でステマ規制が施行されることになったのです。
施行後、企業は広告宣伝目的の表示を行う際、規制に抵触しない見せ方を工夫しなければなりません。

具体的な規制内容とは?

原則、消費者が「広告だと見分けられない表示」が法規制の対象となります。

法規制の対象は広告主であり、有識者・有名人などの第三者は対象に含まれません。
具体的な規制内容については、施行前に消費者庁が公表した運用基準が参考になるでしょう。

たとえば、「事業者の表示」であることを隠す行為は、その内容を問わず、措置命令の対象です。
広告宣伝目的の表示であることを黙ったり、事業者名を明かさずにしていたりすれば、ステマ規制により罰せられます。
「何をすれば違反になるのか?」は一目でわかるため事業者は運用基準を確認し、ステマ規制に抵触しないよう準備しましょう。

ステマ規制に違反した場合どうなる?

ステマ規制の違反が起きた場合、消費者庁が再発防止を求める措置命令を発出するとともに、対象の事業者名を公表するとのことです。

措置命令に従わなかった場合、違反者には2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
とりわけ企業にとって、事業者名の公表は大きなダメージでしょう。
「ステマを行った企業」というイメージが定着するほか、消費者および関係取引先の信用失墜は避けられません。

ステマ規制施行後の「広告」の考え方

ステマ規制は、あくまでも事業者に不当表示を禁止し、消費者を守るためのルールです。

つまり、消費者が広告であると認識できれば、大きな問題にはなりません。

逆に「事業者が自ら行う表示(広告)」であること明示できなければ、ステマと誤解される可能性があります。
今一度、ステマ規制施行後の「広告」の考え方をおさらいしましょう。

自社で投稿する場合

ステマ規制施行後、事業者は広告・マーケティング活動で「広告であること」の明確な表示を行い、消費者の誤解を避ける必要があります。

 

違反にあたらない投稿内容

消費者庁が策定した運用基準によると、投稿文や添付画像などに「広告」「PR」などの明示があれば、ステマ規制に抵触しない「事業者が自ら行う表示」と見なします。

ただし、運用基準上の「事業者が自ら行う表示」の定義は、少しややこしいです。
たとえば、新商品の認知向上を目的に、販売チームのスタッフがSNSで宣伝するのは問題ありません。
これは運用基準における「事業者が自ら行う表示」に該当にします。

一方、勤め先は同じでも、新商品の販売に関与していないスタッフが広告宣伝した場合、「事業者が自ら行う表示」とは見なされません。

この定義を正しく理解していないと、「事業者が自ら行う表示」の扱いではなくなり、ステマ規制に抵触する恐れがあります。

 

違反にあたる投稿内容

「ステマ規制に抵触する恐れのある投稿内容」は、「広告」「PR」などの明示がないものです。

「事業者が自ら行う表示」と判断できないものは、いかなる理由であっても規制に抵触します。
ここで注意したいのは、2023年10月1日のステマ規制施行前に行った表示の扱いです。

たとえば、10月1日以前、外部に宣伝目的でのSNS投稿を依頼したとします。
施行前の表示として扱われる以上、基本的に「広告」「PR」などの明示は不要でしょう。

しかし、施行日後にその投稿が「事業者が自ら行う表示」と判断された場合、法規制の対象となるのです。

つまり、10月1日前にSNS投稿を依頼し、「広告」「PR」などの明示がないまま投稿が残り続けると、措置命令を出される恐れがあります。

現在、広告宣伝目的でWEB・SNS上で継続的に行っている表示は、注意が必要してください。

第三者に投稿を頼む場合

有名人などを起用する際、違反にあたらない投稿内容・あたる投稿内容の違いは、以下となります。

 

違反にあたらない投稿内容

有名人などの第三者に投稿を依頼する場合、「広告」「PR」などの明示を指示すれば問題ありません。

適切に指示すれば「事業者が自ら行う表示」となり、事業者と第三者の関係性を明示できることから、規制の対象外となります。

今後はマーケティング全般においても、広告宣伝目的であることをはっきり示し、「非・ステマ表示」を消費者にアピールことが大事でしょう。

 

違反にあたる投稿内容

第三者に広告宣伝目的の投稿であることを指示しない場合、その投稿はステマ規制になる恐れがあります。

ただし、運用基準上は「事業者が第三者による表示内容を決定できる関係性」である場合、「事業者が自ら行う表示」と認められる可能性があります。

もちろん、表示にいたるコミュニケーションや報酬の有無、より具体的な関係性などを踏まえて判断するとのことです。
つまり、事業者が「広告」「PR」の明示を指示していたにもかかわらず、第三者が応じなかった場合は、必ずしも規制対象には含まれないということです。

ステマ規制回避のために事業者が取り組むべきこと

ここでは、ステマ規制回避のために事業者が取り組むべき3つのポイントを解説します。

広告であることの明示

上記の通り、広告宣伝などを「事業者が自ら行う表示」と明示することが最重要です。
「広告」「PR」などを表示し、消費者に「広告であること」がわかるようにしましょう。

第三者との関係性の明示

第三者に表示を依頼する場合は、自社との関係性を明確に示すことが大切です。

たとえば、影響力を持つ評論家に自社出版の書籍の感想を投稿してもらうため、発売前に献本するとします。
相手には「献本である旨の表記」を指示し、書籍の感想を投稿してもらいます。

この指示がなければステマ規制に抵触するため注意してください。

ステマ規制に関する社内教育の実施

社内の広報やマーケティング担当者に対し、新たな規制を対象とした研修などを行い、正しい知識を持たせることが重要です。

法規制の適用条件はシンプルですが、「事業者が自ら行う表示」に該当するかどうかは、やや理解が難しい面があります。

SNS運用や広告出稿などでトラブルが起きないよう、今回の規制に対する理解を深めましょう。

まとめ

あらゆる業種・職種で、今秋に施行されるステマ規制の正しい知識と認識を持たなければなりません。
企業によっては、SNSの運用方針やマーケティング戦略なども再考する必要があるでしょう。
社内研修を実施するなどして、早急な対策を行ってください。

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