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お役立ち記事

2023-12-26 19:00:36

PBXとは?主な種類と特徴、多機能ビジネスフォンとの違いを徹底解説

PBXとは?主な種類と特徴、多機能ビジネスフォンとの違いを徹底解説

近年、オフィスやコールセンターでは「PBX」が導入されており、電話業務の効率化と通信コスト削減を実現しています。
PBXは一定の事業規模を誇る企業に最適で、IT時代の電話環境の構築に欠かせません。
今回は、PBXの種類や特徴、企業における導入メリットを徹底解説します。

ビジネスフォン

PBXとは?

PBXとは?

「PBX(Private Branch Exchange)」とは、企業や組織内で使用される電話交換システムのことです。

日本語で「構内交換機」といい、施設内の複数の電話機を一括管理したり、内線通話を可能にしたりすると同時に、外線への接続も担います。
加えて、PBXには施設内の電話機から外線への発信や、外線からの着信を特定の電話機に転送する機能も用意されています。
PBXの起源は、手動で操作されていた電話交換盤にありますが現代においては、企業内の複雑な電話交換システム全体そのものを指します。

また、近年はIPネットワークへの移行やクラウドサービスの普及にともない、PBXに「IP-PBX(Internet Protocol Private Branch Exchange)」や「クラウドPBX」といった新しい形態が登場しました。

いずれも電話交換システムの導入・運用コストの削減、電話業務の効率化などのメリットをもたらす仕組みです。
なお、PBXはビジネスフォンと混同されがちですが、この2つは別物となります。
ビジネスフォンは電話機自体を指し、PBXは電話システムの主装置を指すため、明確な違いがあるのです。

PBXの基本的な仕組みとは

PBXは「公共交換電話網」から独立して動作し、限られた回線を介してすべての着信・発信をルーティングします。
これにより公共交換電話網を介さずに、内線で通話ができるわけです。

また、PBXには複数の種類が存在し、それぞれにメリット・デメリットがあります。
従来のPBX(別名:レガシーPBX)は、主装置に接続された複数の電話回線から構成され、アナログ信号で通話音声を送受信します。

一方、IP-PBXと呼ばれる形式は、電話回線ではなくIPネットワークを介して音声データの送受信を行います。
電話回線を使用しないため、長距離通話における通信コスト削減は期待できます。

PBXの種類とそれぞれの特徴とは?

ここでは、PBXの一種であるIP-PBXとクラウドPBXについて解説します。

IP-PBX

IP-PBX(Internet Protocol Private Branch Exchange)は、インターネットプロトコル(IP)を活用した電話交換システムの総称です。

レガシーPBXの基本機能に加え、ビデオ通話やインスタントメッセージの送受信も可能となります。
IP-PBXの特徴は、システムの導入・管理・運用の負担が少ないことです。
具体的には、社内LANに接続するだけで内線電話網を構築できるほか、電話線の配線が不要なため、工事の手間がかかりません。

また、従業員のスマートフォンを内線化することで、会社の電話番号で発着信ができるようになります。
レガシーPBXに比べると、コスト削減や通信の柔軟性向上が期待できる仕組みといえます。

また、IP-PBXは「ソフトウェアタイプ」と「ハードウェアタイプ」の2種類に大別されます。
ソフトウェアタイプのIP-PBXは、自社の汎用サーバーに専用ソフトウェアをインストールして運用するのが一般的です。
既存の社内サーバーを利用できるため、新たなにサーバー機器を購入する必要がありません。
イニシャルコスト削減の観点から有効です。

さらにソフトウェアのアップデートによって最新機能の導入や、セキュリティパッチの適用が容易になります。
コスト面に優れるタイプですが、自社サーバーがない場合は利用が難しく、専任人材の配置は必須です。

一方、ハードウェアタイプは文字通り、社内に専用機器を設置して運用するタイプです。
社内で運用するためセキュリティ性が高く、稼働も安定する傾向にあります。
ただし、イニシャルコストがかかりやすいため、導入費用を最小限に抑えたい場合は、ソフトウェアタイプがおすすめです。

クラウドPBX

クラウドPBXは、インターネット回線を活用してビジネスフォンの機能を利用できる最新のPBXシステムです。

テレワークやリモートワークが普及する現代において、PCやスマートフォンを内線化し、柔軟な通信環境を構築するために欠かせません。
クラウドPBXはレガシーPBX同様に、オフィスに設置された電話回線を集約し、外線と内線、さらに内線同士の接続を制御します。
ただ、システムをクラウド上に構築したり、インターネット環境があればどこからでもアクセスできたりするのが、レガシーPBXにはない特徴です。

さらに導入費用などのイニシャルコストを削減できること、外出先でも会社の番号で受発信が可能であること、離れた拠点間・社員間での内線通話は可能など、さまざまなメリットがあります。
設置工事や回線敷設の手間が省けるので、迅速に導入できるのも魅力でしょう。

一方で、110番や119番などの緊急電話への発信ができず、拠点内の電話機以外の設備との連携が難しいといった注意点もあります。

IP-PBXとクラウドPBXの違い

IP-PBXとクラウドPBXは、どちらもインターネット回線を利用して通話を行うシステムですが、システムの設置場所と運用方法に違いがあります。
ハードウェアタイプのIP-PBXの場合、社内に専用機器を設置し、自社でシステム運用を行います。
対してクラウドPBXは、ベンダーから提供されるクラウド上PBXサービスを利用するため、専用機器の設置が不要です。

また、IP-PBXはシステムのカスタマイズやセキュリティ対策を自由に行えますが、相応のコストと専任人材の設置が欠かせません。
反対にクラウドPBXは、初期費用を抑えられ、運用・管理の手間が少ない反面、サービスを提供するベンダーへの依存度が高くなります。
それによって「ベンダーロックイン」を招く恐れもあるため、サービス選びは慎重に行いましょう。
事業規模・利用人数・予算・ITリソース・通信環境などから総合的に判断し、自社に最適なPBXを選ぶことが大切です。

ビジネスフォン

PBXの主機能とは?

ここでは、PBXの主な機能をご紹介します。

内線・外線の発着信の制御機能

PBXには、外線通話の発着信を制御する機能があります。

各内線には独自の番号が設定され、受話器を上げてその番号をダイヤルすることにより、ほかの部署や社員と内線通話ができます。

また、PBXには、契約している外線番号と組織内における特定の部署・個人の内線番号を紐づけ、発着信を管理する機能があります。
外線から着信を内線に転送できるため、呼び出し先の内線が応答しない場合は、他の内線に転送可能です。

代表電話番号での発信機能

PBXには、特定の電話機から発信する際、相手方への番号通知を企業の代表番号として表示させる機能があります。
これにより、現在利用している代表電話番号をそのまま引き継ぎ、従業員個々のスマートフォンから発着信できるのです。
通話業務の柔軟性が向上し、場所に縛られない効率的な通話対応が可能となります。

保留転送機能

保留転送機能は、着信した通話を適切な担当者に効率的よく回すための機能です。
特定の社員に電話を取り次ぐ場合や、担当者が不明な場合に役立つ、電話応対の質を高める機能といえます。
たとえば、会社にかかってきた電話を受けた後、相手の用件に応じて担当社員に電話を替わったり、その通話を別の電話機に転送したりできます。
もし転送先が応答できない場合や折り返しの要望がある場合には、「保留解除」ボタンを押して元の通話に戻ることも可能です。

一般的な保留転送の手順および流れは、以下の通りです。

  1. 通話中に「保留」ボタンを押すと、通話が保留状態になる
  2. 「ダイヤルパッド」ボタンを押す
  3. 転送先の内線番号を入力する
  4. 「転送」ボタンを押す
  5. 転送先につながったら、転送する旨を伝える
  6. 再度「転送」ボタンを押すと通話が転送先に移る

実際の操作手順は、使用する電話機やPBXシステムにより異なるため、あくまでも参考程度に留めてください。
保留転送機能を活用するメリットは多岐にわたります。
たとえば、通話を一時的に停止できるので、取り次ぎ先の社員がすぐそばにいる場合や、顧客情報の確認が必要な際に便利です。

さらに「パーク保留」という機能を利用すると、複数の通話を同時に保留し、社内全体で共有できます。

保留転送機能の使用により、電話対応に要する手間や時間が削減され、企業全体の業務効率が向上するでしょう。

通話録音機能

通話録音機能は、通話内容を録音し、社内サーバーやオンラインストレージなどに保存する機能です。
通話開始時刻・通話時間・相手先電話番号を含めた通話データを保存し、必要なときにアクセスして確認できます。
録音データはリスト形式で管理されるほか、再生・削除・バックアップを容易に行えます。

PBXの通話録音機能は、法律的な知識や専門情報を電話でやり取りする場合や、多くの利害関係者が関わるシーンで活用されます。

たとえば、誤解や聞き漏らしのリスクを軽減し、過去のやり取りを確認しながら電話対応することが可能です。
さらに保存した通話データは、トラブルやクレーム発生時の事実確認、社員の電話対応スキルの評価、電話対応の教育資料作成など、多方面で活用されています。

特にクラウドPBXの通話録音機能は、外出中やリモートワーク、サテライトオフィス勤務など、働き方が多様化する現代において重宝されています。

企業におけるクラウドPBX導入のメリットとは?

企業におけるクラウドPBX導入のメリットとは?

DX推進時代の今、最新のPBXシステムであるクラウドPBXが注目されています。
ここでは、クラウドPBXの導入メリットや魅力について詳しく解説します。

電話業務の効率化

クラウドPBXを導入する最大のメリットは、電話業務の効率化にほかなりません。

たとえば、PCやスマートフォンをビジネスフォン端末として活用できるため、外出中の社員も内線・外線の発着信、転送を利用できます。

これは通話業務を効率化させるとともに、電話問い合わせの取りこぼしによる機会損失防止に繋がるでしょう。
また、クラウドPBXはコールセンターに導入するのが効果的とされます。

電話設備のスリム化とコスト削減

レガシーPBXでは保守・運用にともなうコストや人員の確保が課題でしたが、クラウドPBXではこれらの業務をベンダーが担うため、企業側のメンテナンス業務や人員の確保が不要です。
電話設備の運用に関わる体制を縮小することで、コスト削減や経営効率化が期待できます。

柔軟性の高いシステム構築

柔軟性に長けたシステム構築も、クラウドPBX導入における大きなメリットです。
たとえば、クラウドPBXはオンプレミスのレガシーPBXに比べ、登録ユーザー数や機能、スペックのアップグレードが容易です。
事業を拡大したり、リモートワークなどを導入したりする場合、社内の通話環境を柔軟に拡張できます。
また、クラウドPBXの真価は、社内システムやツールとの連携で発揮されます。

一般的なのは、クラウドPBXと「CRM(Customer Relationship Management)」ツールとの連携です。

CRMは企業における「顧客関係管理」を支援するためのツールであり、顧客満足度や信頼度の向上を通じて、売上の増加と収益性の向上を目指すために使われます。
クラウドPBXとCRMを連携すると、すでに登録されている既存顧客からの着信時、一人ひとりの情報がデバイスに自動表示されます。
顧客情報を素早く参照できるため、より適切な電話応対が可能です。

さらに通話履歴や音声データがCRMツールに自動保存されるので、通話内容を後から確認できます。
クラウドPBXとCRMの連携は、コールセンター業務との親和性に優れます。
これはオペレーターが顧客情報をリアルタイムで確認し、より適切な提案や対応を行うことで、顧客対応の質が向上するためです。

ビジネスフォン

PBXと多機能ビジネスフォンの違いとは?

PBXと多機能ビジネスフォンは、たびたび混同されます。
ここでは、多機能ビジネスフォンの特徴を解説するとともに、2つの違いについて触れます。

多機能ビジネスフォンとは?

多機能ビジネスフォンとは、ビジネスシーンでの利用に特化した電話機および仕組みの総称です。
複数の外線・内線を共有する機能、通話の保留転送機能など、家庭用電話機にはない高度な通話機能を備えています。

また、多機能ビジネスフォンの使用回線は一般的な電話回線で、オフィス移転時には電話番号が変わるのも特徴です。
同基地局内であれば電話番号が変わらないこともありますが、基本的には変更となります。
自社の電話環境を細かくカスタマイズしたい企業、電話とインターネットの回線をそれぞれわけて使いたい企業に最適です。

多機能ビジネスフォンの導入事例とは?

ここでは、多機能ビジネスフォンの導入事例をご紹介します。
これらの仕組みが各社の課題をどのように解決したのか、過去の事例から学びましょう。

A社の導入事例

 

  • 事業内容:医療・福祉
  • 利用規模:11-30人規模
  • 課題・目的:運用・保守の負荷軽減

A社は医療・福祉系の事業を展開する中小企業で、増床を目的とした事業所の移転を検討していました。
そこで課題となったのが、移転にともなう電話番号の変更です。
その懸念からオフィス移転が進みませんでしたが、電話番号をそのまま引き継いで利用できるクラウド型の多機能ビジネスフォンの存在を知り、導入したとのことです。
合わせて電話機を一新したため、保留転送や通話録音が可能となり、電話業務の効率化を実現しました。

B社の導入事例

 

  • 事業内容:卸売業・小売業
  • 利用規模:1-10人規模
  • 課題・目的:コスト削減ネットワーク環境構築・改善

卸売業・小売業を展開するB社は、過去にコールセンターを設置する目的で30台近くのビジネスフォンおよび回線を手配していました。
しかし、その予定がなくなったため、手配した機器などの処分と月々発生する不要なコストに悩んでいたとのことです。
B社は電話機のリース満了期間が近づいていため、契約の更新はせず、新たにクラウド型の多機能ビジネスフォンを導入しました。
結果、大量の機器および回線の処理と、毎月3~4万円の電話周りにおけるコスト削減に成功しています。

 

電話環境の構築はスターティアにお任せください

スターティアでは、クラウドPBXや多機能ビジネスフォンの選定・導入・保守をノンストップでサポートしております。
当社のサービスは主に、オフィス移転やレイアウト変更、端末の増設・故障修正など、電話業務におけるさまざまな場面でご利用いただいております。
営業担当者がお客様のご要望に合わせ、最適な電話環境の構築をご提案いたします。
ビジネス電話環境の新規構築や刷新は、ぜひ当社にお任せください。

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まとめ

PBXは、一定の事業規模を誇る企業の電話業務効率化やコスト削減に欠かせない仕組みです。
費用対効果を計算し、自社に最適な電話環境を構築しましょう。
事業拡大やオフィス移転にともなうPBXや多機能ビジネスフォンの導入は、スターティアにご相談ください。

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