新規に電話回線を契約するときは、どの種類を選べばよいか悩むことは少なくないでしょう。
利用コストを考えた場合、工事費なども気になると考えられます。
そこで今回は、電話回線の種類・特徴や申し込みの手順を解説し、開通コストを安くする方法などもご紹介します。
電話回線の種類と特徴とは?
電話の回線は、大別すると「アナログ回線」と「デジタル回線」の2種類です。
ここでは、電話回線の種類と特徴について解説します。
アナログ回線
アナログ回線の種類は、「ダイヤル回線」と「プッシュ回線」の2つにわけられます。
1回戦につき1着信が基本であり、通常は一般家庭で使用されています。
そのうち、ダイヤル回線は、黒電話の時代から使われている回線方式です。
固定電話がダイヤル式・ボタン式のいずれでも、発信時に受話器から「ジジーッ」と聞こえる特徴があります。
それに対し、プッシュ回線は、「ピポパ」と聞こえる音が特徴的です。
また、通話料金は変わりませんが、ダイヤル回線よりプッシュ回線のほうが通信速度は早くなります。
デジタル回線
デジタル回線は、1つの通信網で複数の回線を共有できるところが大きな特徴です。
1台の電話機で外線と内線に対応可能であり、ビジネスシーンで導入される傾向が見られます。
現在の種類は、「IP電話」と「ISDN回線」の2つが挙げられます。
IP電話は、インターネットの通信網を経由して提供されるサービスです。
月々の料金は、アナログ回線に比べて安くなります。
ISDN回線は、デジタル方式ですが、通信にはアナログ回線と同じ銅線が使われます。
既存の回線を使うため、屋外で工事する必要はなく出費を抑えるのに便利です。
050IP電話回線
一般的なIP電話は、「050」から始まる電話番号で契約する方法が基本となっています。
050IP電話のプランは、インターネットサービスを扱う各プロバイダが用意しています。
ネット接続を申し込むとき、オプションのプランとして契約可能です。
月額の利用料は価格設定が安めであり、事業者が同じ場合の050通話は無料になります。
これらの特徴から、050IP電話は、通話コストを抑えるのに効果的です。
ただし、「110」「119」や「0120」に発信できないなどのデメリットがあります。
光IP電話回線
光IP電話は、インターネット回線で通話する方式のうち、光回線を利用するタイプです。
光回線は、大容量のデータを高速通信できるところが主な特徴に挙げられます。
音声品質は一般的な加入電話と同レベルであり、総務省から固定電話番号である「03」の使用が許可されています。
また、ネット回線で通話するため、新たに電話回線を契約する必要はありません。
さらに利用料金は比較的安く、多くの通話回線を同時に利用できます。
加えて、電話番号の選択肢が多く、ビジネスに適したサービスと考えられます。
電話回線の工事の種類とは?
電話回線に関する工事の種類は、主に「新規設置工事」「増設工事」「移転工事」「配線整備工事」「撤去工事」の5つです。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
新規設置工事
新規設置工事は、まだ電話回線が引かれていない家庭や職場に新しく通話回線を設置する工事です。
オフィスや店舗の場合、受付用の電話機・FAXやビジネスフォンにつなぐ回線を引き込むケースが多く見られます。
工事期間は早いと30~60分程度であり、たいてい1日あれば一通りの工事は完了します。
実際に工事する際は、通常、契約料金と施設設置負担金が必要です。
また、契約プランによっては、契約料金が割高になる代わりに施設設置負担金が免除されるパターンもあります。
増設工事
増設工事は、電話回線や電話機の設置台数を増やしたいときに実施する工事です。
ビジネスの場では、従業員の増加や事業拡大に伴い、回線数や固定電話を追加する必要が生じてきます。
また、着信数が多くなった場合も、既存の通信網で対応が間に合わなくなれば回線数や電話機の増設が望まれるでしょう。
これらのケースで円滑な電話対応する体制を整えるため、オフィスや店舗では、ニーズに合わせた増設工事が行われています。
移転工事
移転工事は、電話回線を移転するほか配線状況を変えるときに必要となる工事です。
オフィスや店舗は、立地条件やアクセス環境を考えて転居する場合があります。
また、職場環境を刷新する目的で内装やレイアウトを変更するケースも見られます。
電話回線も含めて変更する際、必要になる作業が回線の移転工事です。
なお、オフィス・店舗が変わる場合、工事業者に移転前の配線を伝えておくと、移転後の職場でも元通りの利用状況を復元できます。
配線整備工事
配線整備工事は、通信網の配線状況を整備したいケースで行われる工事です。
職場では、通信回線や電話機が増えていくと、配線は混雑しがちです。
大量の通信回線が入り乱れた状態では、使い勝手が悪くなるかもしれません。
その際、配線整備工事を実施すると、電話回線をきれいに配置できます。
また、不要になった電話回線は取り除き、必要なものだけを残すことも可能です。
撤去工事
撤去工事は、電話回線を撤去する工事です。
電話回線は、オフィスや店舗の移転などにより必要なくなる可能性があります。
ただし、無断で切断した場合、事故が起きて損害賠償責任を問われるリスクが伴います。
万一のトラブルを防ぐため、不要になった電話回線は、電話回線業者に撤去してもらうことが大切です。
電話回線工事の費用と内訳は?
電話回線工事は、基本工事費用に加え、工事内容に応じた各種の費用が発生します。
基本工事費用
基本工事費用は、電話機を通話できるようにする工事の費用です。
この工事を行わないと、電話機を購入しても、通話可能な状態にはなりません。
そのため、電話回線工事において、基本工事費用は不可欠です。
費用の内訳は、NTTが自宅やオフィスを訪問しない無派遣工事費と、これらの現地を訪れる派遣工事費にわけられます。
NTTの公式サイトを見ると、それぞれの金額は無派遣工事費が1,000円、派遣工事費が4,500円となっています。
屋内配線工事費用
屋内配線工事費用は、電話の配線を屋外から室内へ通す工事で発生する費用です。
電話回線を新設するときは、通常、まだ電柱から室内に配線されていません。
その場合、新たに屋外から電線を引き込む必要があります。
NTTによると、新規の配線工事費は4,800円です。
なお、自宅やオフィスを移った際、移転先に電話回線が残っていれば流用できます。
ただし、配線を正常に使えるか確認する際、既設配線工事費として2,400円かかります。
機器工事費用
機器工事費用は、室内に引き込まれた電話回線を電話機や交換機につなぐための費用です。
電話線の差込口は、通信機器につなぐ配線が設置されていれば、その配線を電話機や交換機に接続できます。
一方、接続用の配線がない場合、新たに設置する工事が必要になります。
機器工事費用は、接続する通信機器により料金が異なり、一律ではありません。
そのため、実際に工事する際は、工事業者に確認しておくとよいと考えられます。
電話回線の申し込み手順とは?
電話回線の申し込み手順は、通信事業者に連絡して契約を交わし、電話番号を取得したら工事を実施する流れです。
通信事業者に申し込みをする
電話回線を申し込むときは、最初に契約する通信業者を選びます。
現在、固定電話のアナログ回線は、一般的にNTT回線です。
そのため、契約する際は、NTT東日本・NTT西日本に申し込みます。
一方、デジタル回線・IP電話や携帯電話なら、複数の通信事業者が選択可能です。
アナログ回線以外を選ぶ場合、自分が希望する事業者に問い合わせます。
また、電話回線を申し込むときは、どのプランを利用するか検討しておきます。
契約手続きをする
電話回線の利用プランが決まったら、契約手続きを進める段階です。
契約手続きでは、通信事業者から必要書類の提出が求められます。
法人が契約する場合、主な必要書類は、「登記簿謄本」や「取締役の身分証」です。
原則として、書類が揃っていないと、電話回線は契約できません。
契約に手間取っていると、電話が通話可能になるまでに時間がかかるでしょう。
手早く契約を済ませるには、早めに必要書類を用意しておくと安心です。
発番された電話番号を確認する
契約手続きが完了すると、続いて電話番号が発番されます。
最終的に利用する可能性があるため、どの番号が与えられたか確認しておきます。
ただし、この時点で提示される番号は、あくまで候補です。
最初に発番された番号は、何らかの理由で変更されるケースが多く見られます。
場合によっては、改めて別の電話番号が発番されます。
このような状況をふまえると、すぐ公式サイトや広告に掲載せず、工事が終わってから周りに知らせるほうが無難です。
電話回線の開通工事を行う
電話番号の候補が発番されたら、電話回線の開通工事を行います。
開通工事は、契約を申し込んでから1週間~1カ月後になるケースが一般的でしょう。
光回線の場合
光回線(ひかり電話)の工事は、まず電柱から光ファイバーを引き込みます。
次は、光コンセントを設置する工程です。
その後、光コンセントは、光回線終端装置(ONU)と接続します。
最後に、電話機やルーターを設置・設定すれば、作業完了です。
なお、すでにフレッツ光の電話回線があるかどうかで、作業内容は変わってきます。
アナログ回線の場合
アナログ回線の工事は、最初に電柱からメタル線を引き込み、保安器やMDFと呼ばれる配線盤を経由して室内に配線します。
その後、配線に主装置や電話機を接続すれば完了です。
また、ISDN回線もアナログ回線と同じ電線を使えるため、工事方法は基本的に同じです。
電話回線の開通コストを安くするポイントは?
電話回線の開通コストを安くするには、NTT以外の通信事業者を選ぶ方法などがあります。
NTTではない通信事業者と契約する
NTT以外の通信事業者と契約した場合、初期費用を抑えるのに効果があります。
主な理由は、この方法なら電話の加入権にかかる費用が発生しないためです。
また、契約プランによっては、月額の利用料金がNTTより安くなると期待できます。
光コラボ事業者と契約する
光コラボ事業者と契約する方法は、光回線を利用する場合にメリットがあります。
基本的に光コラボ事業者は、光回線の設備を所持していません。
NTTのフレッツ光と他社のサービスを組み合わせ、光回線サービスを提供しています。
この仕組みは、月額料金の値下げにつながっています。
いずれの方法も、回線契約の初期費用や利用料を節約するのに効果的です。
そのため、コストを節減する選択肢としておすすめと考えられます。
まとめ
現在、電話回線の種類は、かつてに比べると多種多様になりました。
どの回線を選ぶかで工事の流れは変わり、契約する通信会社・プランによって利用料は違ってきます。
電話機の新規設置や回線の増設にお悩みなら、多機能ビジネスフォン・PBXの導入支援サービスを手がけるスターティアにご相談ください。
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