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お役立ち記事

2024-03-01 19:01:27

MDFとは?オフィス担当者が知っておくべき通信機器の基本

MDFとは?オフィス担当者が知っておくべき通信機器の基本

MDFは、複数の通信回線を整理した状態で配線するのに役立つ装置です。
オフィスで配線工事をするときは、この装置について理解しておくと、工事当日にMDFを操作できないといったトラブルを避けやすくなるでしょう。
そこで今回は、MDFの概要や関連設備との違いをご紹介します。

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MDFとは?オフィスにおける配線設備の基礎知識

MDFとは?オフィスにおける配線設備の基礎知識

MDFとは、さまざまな種類の配線をまとめる機能がある端子盤です。

MDFとは?

そもそもMDFは、「Main Distributing Frame」を略した呼称です。
IT関係の用語として知られ、日本語では、「主配線盤」と訳されています。

この装置の主な役割は、通信回線を集中的に管理することです。
通常、電話局のほか、集合住宅やオフィスビルで使用されています。
集合住宅やオフィスビルの多くは、複数の住人やテナントが入っています。
この場合、各々の居室やオフィスに通信回線を個別で引き込むと、配線は煩雑になりがちです。
同時に、配線効率は下がり、見た目もよくないといわれています。
マンションやビルで電話やインターネットの回線をつなぐ際、これらの配線が混雑する状況は好ましくないでしょう。

そこで配線の混雑を避けるとき必要になる装置が、MDFと呼ばれる端子盤です。
複数の住人やテナントが入る施設にMDFを設置した場合、屋外から引き込まれる通信回線は、まず主配線盤にまとめられます。

その後、MDFに集約された各種の通信回線は、それぞれの部屋や利用スペースに分配できます。
この配線方法なら、通信回線が煩雑になる心配はないでしょう。
電話回線やインターネット回線は整然と分配できるため、個別に引き込むより管理しやすくなります。

MDFボックスの設置場所

MDFボックスの設置場所は、集合住宅やオフィスビルにより多種多様です。
これらの施設は、建物の形態や規模などに違いが見られ、一律ではありません。
そのため、MDFボックスは、建物の構造に応じて設置場所が異なっています。

ただし、屋外に置いて雨風を受けると、機器の劣化で動作不良を起こす原因になります。
また、機器が盗まれるリスクもあり、セキュリティ面も考慮して屋内に設置されるケースが少なくありません。
実際にMDFボックスが置かれる場所は、管理人室や1階の共用スペースです。
他に、収納スペースとして、MDF室と呼ばれる部屋が用意されるケースも見られます。

いずれの場合も、MDFボックスの設置場所は、基本的に施錠管理されています。
設置場所の施錠管理が必要になる理由は、誰でも自由に操作できると、配線や通信上のトラブルを引き起こす可能性があるためです。

MDFは、通信回線を適切に保守管理するうえで重要な設備です。
多くの場合、物件のオーナーが所有する資産として扱われています。
マンションの入居者やビルのテナントでも、通常は自由に操作できません。
これらの理由から、多くのMDFボックスは施錠され、入居者やテナントがMDF関係の工事を実施するときはオーナー側の許可とボックスを開ける鍵が必要になります。

MDFとほかの関連設備との違いは?

MDFは、同じIT関係の用語でも、IDFやEPSとは意味の異なる言葉です。

IDFとMDFの違い

IDFとMDFは、いずれも配線盤の一種ですが、装置の役割や具体的な設置場所が変わってきます。

MDFは、外から引き込まれた通信回線をまとめる役割があり、建物の管理人室や1階のスペースに設置される傾向があります。
屋外から建物のなかへ引かれた回線は、一旦、ここで整理することが可能です。

ただし、そこから1階の各部屋・テナントや2階以上のスペースに分配すると、それぞれの配線は煩雑になるかもしれません。
また、オフィスビルで各テナントが大量の通信回線をつなぐと、MDFだけでは管理しにくくなる可能性があります。
MDFが1つで足りない場合、複数を用意する必要性が出てくるでしょう。

その際、MDFの代用として使われる装置が、IDFと呼ばれる配線盤です。
IDFは「Intermediate Distribution Frame」の略であり、「中間配線盤」の和名がつけられています。
同装置の役割は、建物の主配線盤と各部屋・スペースを中継することです。
この役割が示す通り、IDFは、MDFの設置場所と各部屋・スペースとの中間地点に置かれます。

電話回線やインターネット回線を複数階に配線する場合、各フロアにIDFを設置するケースが多く見られます。
MDFだけでは各フロアの配線を整理できなくても、IDFを経由すれば、各部屋・スペースの配線をまとめられるでしょう。
IDFは、各フロアの配線を集約する役割から、MDFの縮小版とも理解されています。

IDFとEPSの違い

IDFとEPSの違いは、配線盤を指すか配線に関わるスペースを意味するかの差です。

まず、IDFは、MDFと同じく配線盤を指しています。
MDFと各部屋や利用スペースの間に設置され、各フロアで大量の通信回線を配線しやすくする役割を担っています。

それに対し、EPSは、電気・通信関係の配線で用いられるスペースを意味する用語です。
具体的には「Electric Pipe Shaft/Space」の略であり、電気の配線を通す配管穴や通信設備を収納する空間と説明されています。

以上の意味をふまえた場合、MDFやIDFを収納する専用スペースはEPSです。
集合住宅やオフィスビルにEPSがあると、通信設備を管理しやすくなり、電話やインターネットの回線をつなぐ配線作業は容易になるといわれています。
ただし、EPSもMDF・IDFと同様に安全性を考えて施錠されるケースが多く、配線工事するときは各々の鍵が必要になります。

オフィスにおける責任分界点の基本

オフィスビルのオーナーやテナントは、配線工事を行うとき、それぞれの通信設備が誰の責任で管理されているか責任分界点を理解しておくことが大切でしょう。

光回線の場合

光回線の場合、責任の所在は宅内ルーターと個々の機器との間で分かれます。
電柱から専有部分の宅内ルーターまでは、通信会社が責任を負う範囲です。
ビルが光回線を契約した際、新たに外の電柱からビル内に回線を引き込むときは、通信会社の責任で配線工事が行われます。

一方、ビルのオーナーについては、明確な管理責任が定められていません。
ただし、宅内ルーターまでの範囲で配電管や配線盤が故障したときは、オーナーの責任で修理する必要があるともいわれています。

また、宅内ルーターから個々の機器への配線接続は、テナント側の責任です。
IDFから通信回線がテナント内に引かれていない場合、この範囲の配線作業や保守管理に伴う責任はテナント関係者に発生します。
オフィスを移転して光回線を新規導入した際、あるいはレイアウト変更で回線数を増やしたとき、テナント内の接続作業や配線管理については関係者が責任を負います。

光回線を新たに通す場合、ビルによっては、工事作業がMDFやIDFの配線まで及ぶかもしれません。
その際、テナント側は、MDF・IDFやEPSの鍵を用意する必要があるでしょう。
これらの施錠管理は、基本的にオーナーの管轄範囲です。
テナント関係者は勝手に開錠できないため、オーナー側の許可を得たうえで鍵を借りることになります。

電話回線の場合

電話回線の場合、基本的にMDFを境界として、責任の所在が分かれます。

外の電柱から屋内のMDFまでは、通信会社が管轄する範囲です。
この範囲で機器の不具合や配線トラブルが起きたときは、通信会社が責任をもって対処します。

それに対し、MDF以降は、原則として物件のオーナーに責任が生じる領域です。
MDFから先の配線に問題が見つかれば、オーナー側に対処が求められます。

ただし、IDFがある場合、ビルのテナントも気をつける必要があります。
原則的にMDF以降はオーナーの管轄範囲ですが、IDFより先の配線や機器についてはテナント側に責任が発生するためです。
オフィスの移転やレイアウト変更で配線工事をする場合、IDFから電話回線を引き込む作業はテナント側の責任で進める必要があります。

また、IDFから先は、工事を終えた後の運用管理もテナントが責任をもつ部分です。
仕事で電話回線を運用するなか、所定の範囲でトラブルが起きたときは、テナント側で責任を負う必要があります。

つまり、電話回線は、IDFがあるかどうかで責任の所在が変わってきます。
しかし、どのオフィスビルでも原則通りに、通信会社とオーナーが責任を分担しているとは限りません。
IDFが設置されているとテナント側にも責任が生じるため、オフィスビルにテナントとして入るときは、配線機器の設置状況について確認しておくとよいと考えられます。

「MDF」引込済物件とは?

「MDF」引込済物件は、建物のMDFまで通信回線を引き終わっている物件です。
当該物件はMDFが設置済みであり、すでに外の電柱から主配線盤まで通信回線が引き込まれていることを意味します。
集合住宅やオフィスビルの場合、あとは各部屋やテナントに通信回線をつなげば、それぞれのスペースで電話回線やインターネット回線が利用可能です。

ただし、MDFから先の配線については、各々の入居者やテナントで工事を手配する必要があります。
MDFから利用スペースまでの配線工事を実施するとき、通信会社に作業を依頼する手間は避けられません。
各フロアに多くの住人やテナントが入っている場合、配線の混雑を防ぐため、IDFの設置が求められるケースもあるでしょう。

IDFが設置されると、そこから先の部分は、光回線と電話回線ともにテナント側が責任を負う範囲です。
配線工事だけでなく、運用面に関しても責任が伴います。

「MDF」引込済の表記がある物件にオフィスを移転しても、すぐ電話やインターネットを使い始められるわけではありません。
少なくともMDFからオフィスまでは、テナント側の責任で配線工事を計画・進行する状況になります。
そのため、当該物件にオフィスを移転する場合、工事や保守管理の手間が生じると理解しておく必要があるでしょう。

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工事に関するトラブルとリスク

工事に関するトラブルとリスク

オフィスで配線工事を行うときは、MDFに関連したトラブルやリスクに注意することが大切です。
MDFはオーナー側が所有する資産であり、適切に手続きを取らないと、必要な工事が行えない事態を招く可能性があります。

実際に知られるトラブルは、MDFに空きがないケースです。
このケースは、MDFからの配線が各テナントへ均等に配分できない状況を指します。
通常は発生しないといわれますが、特定のテナントが大量に利用すると、MDFの空きがなくなる事態につながります。

また、事前の準備不足も、トラブルを招く要因の代表例です。
MDFの多くは、普段、オーナー側により施錠管理されています。
ビルのテナントは、オーナーの許可を得てから鍵を借りればMDFの操作が可能になり、配線工事に取りかかれます。
これらの手続きを終えないと、テナント側はMDFを利用できません。
すぐにMDFを利用できない場合、工事は延期され、追加の費用が発生するうえオフィスの業務が遅れるトラブルも招きます。

さらに、IDFからオフィスまで配線できないケースも見られます。
このトラブルは、配線用配管の欠損や不具合が主な原因です。
IDFより先に配管がない、また経年劣化で利用できないと、配線工事を進められなくなるリスクがあります。

配線工事でMDF関連のトラブル・リスクを避けるには、MDFの空き状況を確認するとともに事前準備を怠らず、配管の状況もチェックする必要があるでしょう。

MDFとPBXとの違いとは?

MDFとPBXは、いずれもオフィスに電話を設置するうえで重要な装置です。
ただし、それぞれの機能は異なります。

PBXとは?

PBXは、電話の交換機です。
一方のMDFは通信回線をまとめる配線盤であり、基本機能に違いが見られます。

やや細かく解説すると、PBXは、「Private Branch exchange」の略称です。
企業のオフィスやコールセンターで使われる電話交換機を指し、「構内交換機」とも呼ばれています。

PBXの主な機能は、外線と内線との切り替えや内線同士の接続です。
具体的には、オフィスに社外から電話がかかってきたときに、内線に接続するほか、他の内線につなぐ役割を担っています。
オフィスでPBXを導入した場合、代表電話にかかってきた電話は内線へ転送できます。

また、社内で電話を取り次ぐときなど、内線同士での通話も可能です。
電話回線の契約番号を親番号として設定すると、通信回線を共有する機器に子番号を分配できます。
このシステムにより、外線から親番号に着信があったときは、子番号を使って内線につなげられます。

さらに、内線同士の通話は、社内共有の内部回線が使われる仕組みです。
内線通話は外線を使用しないため、通話料金は発生しません。
オフィスでPBXを設置すると通信料を抑えられるメリットがあり、経費の節減につながります。

クラウドPBXとは?

クラウドPBXは、ネット経由でPBXの機能を提供するシステムです。
基本的な機能・役割は、従来のPBXと大きく変わりません。
主な違いは、電話交換機に実体があるかクラウド型システムかの差です。

クラウド型システムは実体がなく、社内に交換機本体を設置する必要はありません。
また、社内の交換機から電話回線を引いて各々の機器につなぐ作業も不要です。
オフィスでPBXの主装置を置かずに済むため、社内スペースを広げるのに役立ちます。

加えて、ネット上であれば、内線電話だけでなくパソコンやスマホにも共有の社内回線を接続できます。
オフィスが数カ所で運営されている場合も、各オフィスの電話機を外線でつなぐ必要はありません。
海外の支社とも、クラウド上のPBXでつながれば、ネット経由の内線を使って連絡を取れます。
インターネットに接続可能ならオフィスの場所を気にせずに済み、各種の通信機器を内線として使えるところは、クラウドPBXの大きなメリットです。
従来のPBXと同じく、内線同士の連絡は通話料金がかからない利点もあります。
そのため、スペースや予算の都合でPBX本体の導入が難しい場合など、クラウドPBXを活用する方法はおすすめといえるでしょう。

ただし、ネット経由のため、通話時の音声品質や緊急通報ができないデメリットには気をつける必要があります。

クラウドPBXの導入はスターティアにお任せ

クラウドPBXは、オフィスのスペースの節約や通話料金の節減に効果のあるシステムです。
また、固定電話にとどまらず、幅広い機器を内線に使える利便性もあります。
インターネットの接続環境が整っている場合、クラウドPBXを活用すれば、さまざまなメリットを得られるでしょう。

なお、現在は複数のサービスがあるため、どれを選ぶか迷うかもしれません。
クラウドPBXの導入について疑問や不明点があれば、スターティアが詳しくご相談を承ります。
弊社は、いずれのお悩みも丁寧にサポートいたします。
これからオフィスでクラウドPBXを導入する予定があり、予算面やシステム選びで迷われている場合、お悩みの解決などはスターティアにお任せください。

まとめ

オフィスで通信回線をつなぐ場合、MDFやIDFから配線を引き込む工事に手間取る可能性があります。
また、内線電話を使うときは、オフィス内にPBX本体を設置するかクラウドPBXを導入するか迷うかもしれません。
いずれのケースでも、お悩みがあればスターティアが伺いますので、お気軽にご連絡ください。

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