近年、マーケティングにおいてツールが活用されることは珍しくなくなりました。
顧客の購買行動の大半がオンラインに移行した現在、効率的にアプローチするためにはツールの利用が必須と言えます。
そこで、MAツールやメール配信ツールと同様に多くの企業で利用され、顧客の購買行動の変化、チャネルの多様化などから注目されているのが「CCCM」です。
マーケティングの担当者の方であれば、具体的にどのような導入メリットがあるのか気になっているかもしれません。
この記事では、CCCMの概要や重要視されている背景、導入メリットなどについて解説します。
CCCMとは
CCCMとは、「Cross-channel campaign management」の略であり、複数のチャネルを駆使して、顧客にアプローチしていく手法を指します。
以下の4つの要素によって構成される造語です。
- Cross(クロス):複数
- Channel(チャネル):顧客との接点
- Campaign(キャンペーン):マーケティング活動
- Management(マネジメント):管理
インターネットを利用して生まれる顧客との接点により、顧客それぞれに合ったアプローチを実施するOne to Oneマーケティングを実現する手法です。
具体的な例として、以下のような流れが挙げられます。
・ECサイトで日焼け止めを見つけた。
すぐに買う予定はなかったため、「欲しいものリスト」に入れておいた。
・後日、日差しの強い日にECサイトからメール。
以前「欲しいものリスト」に入れておいた日焼け止めを案内するメールだった。
ECサイトとメールという2つのチャネルを利用したアプローチの例です。
日差しが強い日にユーザーが過去に興味を示していた商品を案内することで、One to Oneマーケティングを実現しています。
一般的に認知されている「CCCM」とは、こうした手法を実現するためのツールのことです。
この記事においても、「CCCM」をツールとして定義して解説します。
CCCMが注目されている背景
CCCMが注目されている背景には「顧客の購買行動の変化」と「複数のチャネルの台頭」という2つの理由があると考えられています。
以前であれば、顧客や店舗や訪問営業などのオフラインの場で商材を知り、購入を決めることが一般的でした。
インターネットがインフラとなった現在では、商材の認知から購入までオンラインで完結することも少なくありません。
また、類似した商材との比較もインターネットによって簡単にできるようになっています。
加えて、以前はなかった複数のチャネルが生まれたのも、インターネットによる影響です。
オンラインで顧客と接点を持てるようになり、Webサイト、SNS、メールといったさまざまなチャネルが生まれました。
現在は、上記のように競合と比較されやすいため、こうしたチャネルを利用して積極的に顧客とコミュニケーションしていく姿勢が求められています。
顧客の購買行動がインターネットに移行したこと、多くのチャネルが生まれたことから、企業もアプローチの手法を変える必要があります。
オンラインで競合と比較される前に顧客とコミュニケーションをとり、関係性を築いておくことは極めて重要です。
インターネットの普及によってアプローチできる顧客の数は増えましたが、一人ひとりに対して個別のアプローチを考えるのは現実的ではありません。
One to Oneマーケティングを現実的に実施するためのツールとしてCCCMが注目されているのです。
CCCMと各種ツールとの違い
CCCMのほか、マーケティングではさまざまなツールが活用されています。
以下では、CCCMと混同されやすいMAツール、メール配信ツールとの違いについて解説します。
MAツールとの違い
「MA」とは「Marketing Automation」の略であり、マーケティング活動の自動化を意味します。
見込み客の獲得、見込み度の育成、見込み度の可視化など、マーケティングにおける各工程を効率化・省力化するためのツールです。
MAツールが主にBtoBで活用されるのに対し、CCCMはBtoCにフォーカスしている傾向があります。
また、MAツールの主な活用目的が見込み客の育成や管理である一方、CCCMが得意としているのは複数のチャネルでのアプローチ管理です。
ただし、MAツールのなかにCCCMが含まれているとする声もあるように、MAツールとCCCMの役割は重複する部分も多く、明確に分類するのは困難と言われています。
メール配信ツールとの違い
メール配信ツールは、複数の顧客にメールを大量配信するためのツールです。
配信リスト上の顧客にメールを配信するメールマーケティングで活用されています。
細かな機能はツールによって異なりますが、一般的にスケジュールに応じたメール配信や開封率の分析なども可能です。
CCCMはメールを含む複数のチャネルを管理しているため、メール配信ツールの機能を内蔵しています。
メール配信ツールはメールでのアプローチに特化しており他の機能は搭載されていませんが、低コストで導入でき、操作がわかりやすい点が強みです。
CCCMの導入メリット
CCCMの導入を検討しており、どんなメリットがあるのか気になっている方も多いでしょう。
以下は、CCCMの具体的な導入メリットについて解説します。
見込み客に応じてアプローチを最適化できる
CCCMを活用することによって、顧客の購買行動やWeb上での行動に関する情報を収集し、ニーズや特性を読み取ることが可能です。
顧客それぞれのニーズを把握できれば、顧客に応じて柔軟にアプローチを変えるOne to Oneマーケティングを実現できます。
条件に該当する顧客に対して自動でメールを送るなど、アプローチを自動化することもできるでしょう。
人の手だけでOne to Oneマーケティングをおこなうのは現実的ではありません。
顧客の数が膨大になるBtoCでは、特にOne to Oneマーケティングのハードルが高くなります。
BtoCにおいてOne to Oneマーケティングを実現するためには、CCCMをはじめとしたツールの導入が不可欠と言えます。
マーケティング業務を効率化できる
CCCMを活用すると、リードの精査、適切なアプローチの選定、アプローチの実施などのマーケティング業務を自動化できます。
人の手ですべてのマーケティング業務を実施する場合、担当者に大きな負担がかかってしまうケースは少なくありません。
また、多くのリソースが必要になることから、人件費がかさむことも考えられます。
あるいは、業務に余裕がなく、リードの精査などの正確さを欠いてしまうこともあるでしょう。
そこでCCCMを利用すると、あらゆるマーケティング業務を効率化できるため、担当者の負担が軽減されます。
少人数でマーケティング業務を実施できるようになるため、人件費を抑えることも可能です。
ツールが処理するため、リード精査の正確性も向上します。
部署間の連携強化につながる
CCCMは部署の垣根を超えた見込み客管理の共通プラットフォームとして機能します。
チャットやメール、Excelなどによる情報共有は、行き違いやタイムラグが発生しがちですが、CCCMを利用すると、正確な見込み客の情報がリアルタイムで共有されます。
CCCMを導入するためのポイント
CCCMを導入する際は、以下のようなポイントを意識しましょう。
導入の目的を明確に設定する
前提として重要なのは、CCCMを導入する目的を明確にすることです。
CCCMに限らず、「なぜそのツールが必要なのか」という点を明確にしておかなければ、導入したツールが形骸化してしまいがちです。
また、目的が曖昧な状態では、必要な機能が搭載されていないツールを選んでしまうことも考えられます。
現在は多くのCCCMが提供されており、それぞれ機能が異なります。
ユーザー側で目的をしっかりと定めておかなければ、現場とアンマッチなツールを導入してしまうことは十分に考えられるでしょう。
適切なツールを選ぶために、まずは「CCCMの導入によって何を実現したいのか」という目的を明確に設定してください。
運用のための体制づくりをおこなう
スムーズな運用のために、体制づくりをすませておくことも大切です。
CCCMは複数の部署に関連するツールですが、中心的に運用する部署が決まっていないとうまく浸透しないケースが考えられます。
そのため、社内のどの部署が中心的に運用するのか、あらかじめ決めておきましょう。
また、運用中には予期しないトラブルが起こることも予想されます。
トラブル時は必要に応じてベンダーのサポートを利用しなければなりません。
この時、誰が問い合わせを担当するのか決まっていないと、復旧に時間がかかってしまいます。
CCCMに関連する部署や人員に導入のメリットについて共有しておくことも重要です。
新しいツールやシステムの導入には、少なからずストレスが伴います。
実際に現場でCCCMを利用する従業員がツールのメリットを実感していなければ、利用してもらえないことも考えられるでしょう。
事前に、どうしてCCCMを導入するのか、導入することによって部署や従業員にどのようなメリットが与えられるか、具体的に共有しておく必要があります。
まとめ
CCCMは、複数のチャネルによるアプローチを実施、管理するためのツールです。
CCCMの導入により Webサイトに訪問した見込み客に対してSNSやメールで連絡するといった、チャネルをまたいだ複合的なアプローチが可能になります。
近年重要性が叫ばれているOne to Oneマーケティングにおいては必須とも言えるツールです。
マーケティング業務が効率化する、各部門の連携性が強まるといったメリットもあります。
BtoCでOne to Oneマーケティングを実施したい場合は、ぜひ導入をご検討ください。
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電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
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