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2021-08-26 15:00:09

中小企業向けDX特集⑦DX推進に活用されるAI。その実態とDXとの関係性とは?(DX AI)

中小企業向けDX特集⑦DX推進に活用されるAI。その実態とDXとの関係性とは?(DX AI)

DXというと、『AIを導入すること』をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
確かに、DXとAIは密接な関係にあるといえますが、イコールではありません。
そもそも、AIという言葉はよく聞きますが、その実態をよくわかっていないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、AIの実態とDXとの関係性について解説します。

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1.DX(デジタルトランスフォーメーション)とAIの違いとは?

DXと聞くと、AIの活用をイメージされる方もいると思いますが、DX=AIの活用ではありません。
この章では、DXとは何か、AIとは何か、そしてその違いについて解説します。

1-1 DXとは?

「DX」とは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション」の略称です。
2004年に、スウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念であるとされています。
DXの生みの親ともいえるエリック・ストルターマン教授は、
DXを「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と説明しています。

日本では、経済産業省が発表した『「DX 推進指標」とそのガイダンス』で、以下のように定義されました。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、
製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、
組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

DXとは、デジタル技術を使ってアナログな業務をデジタルに置き換えたり、
データを収集・分析して営業活動に活用したりするだけではありません。
IT化が生産性の向上や効率化を目指すものであるとすれば、DXは社会や企業の抜本的な改革を目指すものであるといえるでしょう。
消費者の立場からもっと簡単に表現するのであれば、『生活をより便利に豊かにしてくれるもの』といえます。

1-2 AIとは?

・明確な定義がないAI
『AI』はArtificial Intelligenceの略称です。日本語では『人工知能』となります。
DX推進にあたっても、最も注目されているテクノロジーの一つであるといえるでしょう。
AIという言葉が生まれたのは1956年のことですが、
時代によってできることがどんどん変化していることもあり、実はいまだにAIの統一的な定義はありません。
一般的には、『人の知覚や知性の一部を、ソフトフェアを用いて人工的に再現したもの』であるという意味合いで使用されています。
AIはコンピューター・サイエンスの分野のみならず、認知科学、医学、心理学に至るまで、幅広く議論が繰り広げられているのです。

・AIの仕組み
AIを活用するには、膨大なデータを高速で処理し、アルゴリズムと組み合わせ、そのパターンや特徴を
自動的に学習できるようにプログラミングすることで、コンピューターが難しい作業も行えるようにトレーニングしていきます。
このアルゴリズムというのは、一つではありません。
分野によって異なるアルゴリズムがありますので、適切なアルゴリズムを選択することがポイントとなります。

・第3次ブームのAI。キーワードは『ディープラーニング』
AIは今、第3次ブームです。これは、2000年代から始まったといわれています。
第3次ブームのキーワードとなるのが『ディープラーニング』です。
この『ディープラーニング』の登場により、一気にAIの性能が向上しました。
第2次ブームまでのAIは、大量の情報を読み込ませて、人が指示したことの中でしか機能しませんでしたが、
第3次ブーム以降は『機械学習』といって、AIが自ら学習していくことができるようになりました。
その中でも、『ディープラーニング』が注目されたのは2012年頃です。

そして、『機械学習』と『ディープラーニング』の間にあるといえるのが『ニューラルネットワーク』という仕組みです。
これは人間の脳の神経細胞(ニューロン)を真似た構造になっており、
この仕組みが何層にも重なったものが『ディープラーニング』なのです。

わかりやすい例では、翻訳機能をイメージしていただくと良いと思います。
一昔前の翻訳機能は、「まるで役に立たない」と言われることが多かったですよね。
しかし今の翻訳アプリなどは、それなりにちゃんと使えるようになっていると思いませんか?
それは、この『ディープラーニング』のおかげなのです。

1-3 DXとAIの違い

DXで活用するデジタル技術の中の一つに、『AI』は含まれています。
DXは今後日本が目指していくべき目標(姿)であるとすると、
『AI』はそれを達成するための手段(デジタル技術)の一つであるといえます。
この点が、いちばんの違いでしょう。
『AI』を活用することで、DX化を推進することができる場合もありますが、必ずDXに『AI』が必要というわけではありません。
「DX=AIの活用」という理解をしているとすれば、それは間違いであるといえます。
経営者がDX化を推進する目的で「AIの導入してくれ!」と指示を出したとしても、
自社のDXを実現するために『AI』は必要なのか?ということを検討する必要があります。
その上で必要なのであれば、どのように活用すれば良いのかを慎重に判断し、戦略的に進めていかなければならないのです。

2. DX推進の手段の一つであるAIに『できること』『できないこと』

AIって、なんだかすごい!と感じている人は多いと思いますが、一体どんなことができるのでしょうか?
また一方で、そんなAIにできないことは、どんなことでしょうか?

2-1 AIにできること

AIにできることは、大きく
・認識
・予測
・実行
の3種類に分かれます。それぞれについて解説しましょう。

<認識系AI>

認識には
①画像認識
②動画認識
③音声認識
④自然言語処理
の4つがあります。

①画像認識
画像認識とは、画像内にうつっているものが何かを認識できる技術です。
コンピューターでは、ただのピクセルの集まりとしか認識できなかったものが、AIでは画像の情報や意味を認識できるというわけです。
膨大な画像データを学習させれば、物体の特徴を自律的に認識し、識別・分類などができるようになります。

②動画認識
静止画としてではなく、動きのある情報を読み取る技術(動画認識)の研究も進んでいますが、まだあまり活用はされていません。
表情や動作から感情を読み取る研究が実施されたこともあり、
今後こうした技術の開発が進めば、映画やアニメのようなロボットとの対話ができるようになるかもしれませんね。

③音声認識
音声認識はスマートフォンやパソコンの音声認識システムなどで既に活用している人が多いでしょう。
音声を認識して文字起こしをしたり、音声を人の言葉として理解して質問に答えたり、指示に従って行動したりできます。
後者の、『人の言葉として理解する』というのは、音声認識と自然言語処理技術が合わさったものですね。

④自然言語処理
AIは、音声や文字を自然言語(人間の言葉)として処理できます。
丁寧な書き言葉でなければ意味を理解できない時代もありましたが、
現在では口語調(話し言葉)であっても認識・処理できるようになってきています。

<予測系AI>

予測系AIは、様々な情報を蓄積した上で、数値・意図・ニーズの予測をしたり、複数のものをマッチングしたりすることが可能です。
インターネットショップなどで商品を探しているときに表示されるリコメンド機能をイメージしていただくとわかりやすいです。
検索エンジンでの結果表示も、その検索ワードを検索している人の意図やニーズを予測して表示されていますよね。
現時点では、まだ顕在化しているニーズに対する予測(人が意図的に検索ワードなどを入れている)が主ですが、
今後は潜在ニーズまでも汲み取った提案ができるようになると考えられています。
渋滞予測や事故・故障などの予測も、この領域です。

<実行系AI>

蓄積された情報をもとに、随時変化する状況に合わせて、最適な行動を判断して実行することができます。
単純なプログラムの動作を繰り返すのではなく、最適な判断ができることから、車の運転自動化や工場の機械の自動化が実現するのです。
その他、デザイン設計、記事や音楽の生成などもできます。

2-2 AIにできないこと

AIにできないこと。それは、映画やアニメに出てくるロボットのように『ほとんど人間と同じような感情を持ち、表現をする』ことです。
確かに、AI技術は飛躍的な発展を遂げていますが、まだこのようなレベルには達していません。
人間が決めた一定の枠を、AI自らが出ることはできないのです。
AIに人間が滅ぼされる…などと不安視するのはまだまだ先のことだといえるでしょう。

今の話とも関連しますが、複数の分野に精通したAIというのも、まだ難しいといわれています。
今のAIは、特定の分野に特化して活用されていることがほとんどです。

AIにできないこととしてご紹介していますが、厳密には今のAIではできないこと、といった方が正しいでしょう。
今後、AI技術のさらなる発達により、今では考えられないようなことができるようになるかもしれません。

3. DXとAIの関係性とは?

DXとAIの関係性を簡単にいうのであれば、AIはDXという大きな枠組みの中に入っている一つのデジタル技術である、となります。
しかし、単なる構成要素というには、その存在感は大きすぎるように思います。
例えば、DXを体全体とするのであれば、AIはその脳(思考)の役割を担っているといえるので、
その重要度を感じていただけるのではないでしょうか。
そのほか、DXに関するデジタル技術のうち、IoT(Internet of things)は目の役割を、
ロボティクスは手の役割を果たしていると例えられます。

DXを実現するための一つの手段であるAIを最大限活用するには、どのようにAIを取り入れるのか、
そして、他のデジタル技術とそのようにして組み合わせるのかを考える必要があるでしょう。

4.AIを使ったDXの事例

それでは、実際にAIを使ったDXの事例を見てみましょう!
自社に使えるヒントが見つかるかもしれません。

4-1ヘルプデスクにAIを活用して業務効率化

電話対応のヘルプデスクをAIに変更することで、大幅な業務効率化が実現できます。
マニュアルやFAQを用意していても使ってもらえなかったり、うまく答えにたどり着けなかったりして、
結局は電話問い合わせが減らないという悩みは多いです。
しかし、AIのスムーズな誘導により人が対応しなくても解決できるようになり、対応時間も限られないことから、
問い合わせ対応の時間を削減するともに、顧客満足度も高められる可能性があります。

4-2コンシェルジュにAIを活用して業務効率化

青店舗の案内、商品の紹介などの仕事をAIに任せることで業務効率化ができます。
新しい情報や商品が追加されても、人間よりも遥かに早く正確に情報を蓄積し、案内することが可能です。
人に話しかけるのが苦手な方も利用しやすいという利点もあります。

4-3 AIで工場を見える化し、運用や設備保守業務を自動化

AIの画像認識技術により、工場を見える化。
異常の検出・検知が可能なので、これまで人が行っていた製品の検品作業もAIが行うことができます。
製品のみならず、機械自体の異常を検知することもできるので、設備保守業務の自動化も可能です。
より正確に、早く検品作業が行えることで品質が向上し、
機械の異常を早くに検知することで工場の稼働がストップすることを最小限に抑えられ、顧客の満足度も高められます。

4-4帳票や申込書の読み込みにAI-OCRを活用して業務効率化

従来のOCR(手書きや印刷された文字を読み込む技術)では精度が悪かった手書きの文字の読み込みも、
AI-OCRであれば高い文字認識精度を実現できます。
これまでのOCRではうまくいかなかった企業でも、業務効率化が実現できるでしょう。
これだけではDXとはいえませんが、業務効率化によって生まれた時間を、新しいビジネスを考える時間にあててみてはいかがでしょうか?

4-5 AIによる需要予測で仕入れや商品企画の最適化

AIに需要予測をしてもらうことにより、仕入れを最適化し、廃棄を減らすことが可能です。
それだけではなく、ニーズに合わせた商品企画を行うことで、顧客の満足度を高められるでしょう。

5.まとめ

AIはDXを実現するためのデジタル技術の一つであり、人間の脳にあたるような重要な役割を担っていることをご理解頂けたでしょうか。
このAIは日々進化しており、他のデジタル技術を組み合わせることで、
私たちの生活をより良くしたり、企業の競争優位性を高めてくれるものです。
AIを導入するといっても、その方法は無数にあります。
何にどのようにAIを活用するのかを的確に判断し、DXの推進に活かしてくださいね。

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