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2021-10-15 15:02:08

中小企業向けDX特集⑮何から始めたらいい?今すぐできるDXの進め方について解説 (DX 進め方)

中小企業向けDX特集⑮何から始めたらいい?今すぐできるDXの進め方について解説 (DX 進め方)

近年、何かと話題に上がるDXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション」の略称です。
テレビやネットなどの情報から名前や概要くらいは知っているが「いったい何から始めたらいいのかわからない」
「必要であるとわかってはいるが、一歩踏み出せない」という中小企業の経営者の方も多いようです。
そこで今回は、DX化を進めるためのプロセスや、取り入れやすい身近な事例をご紹介します。

1. DX化とIT化の違いと関係とは?

1-1 DX化とIT化の違い

DXは、経済産業省が発表した『「DX 推進指標」とそのガイダンス』で、
『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、
顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』と、定義されています。
ポイントは、「デジタル技術を活用するだけではなく、
企業文化・風土や人々の生活を変革させることを目的としていること」にあります。
一方でIT化とは、「今ある業務プロセスやビジネスモデルにデジタル技術を活用することで、
業務効率化と生産性向上を目指すこと」であるといえます。

DX化では「新しい価値で企業や人々に良い影響を与えること」を目指しているのに対し、
IT化は「今ある業務プロセスやビジネスモデルの効率化」を目指しているのです。
こうしてDX化とIT化の違いを考えると、一番の違いはその目的にあります。
一言で表現するのであれば、DX化は【変革】が目的であり、IT化は【改善】が目的であるといえるでしょう。

1-2 DX化とIT化の関係

DX化とIT化は全く別の次元のものであるかというと、そうではありません。
変化の大きさでいうと IT化<<<DX化 になることはイメージができると思います。
DX化を進めるにあたって、一つの手段としてIT化を進めるということは非常に多いのです。
つまり、IT化はDX化の手段の一つであるといえます。
DX化にもIT化にもIT技術が必要ですが、IT技術をただ使うだけではDX化が進むとは限りません。
また、IT化の先に必ずしもDX化があるわけではありません。
IT技術を使ってどのような変革を起こしていくのかを考えてIT化を進めていく先に、DX化があるといえます。

IT化をして効率化を進めるだけでも十分に価値があることではありますが、
今後はその先のDX(変革)を見据えて取り組んでいく必要があるでしょう。

2. 今すぐスタートできるDXの進め方

2-1 社内DX宣言、体制整備構築 

DXを進めていくために最も重要なのは、経営トップがDX推進の強い意志を持つことです。
ここがブレてしまっては、途中で目的を見失ってしまいます。
経営トップがDXの理解を深めた上でDXの目標・ビジョンを決め、「社内DX宣言」を行いましょう。

DXの目標・ビジョンが明確になったら、社内でDX化を進めていくための体制を整えます。
中小企業は人手不足であることも多く、なかなか人員を割くのが難しいとは思いますが、
できればDX化専門の部隊を作ることをオススメします。大事なのは丸投げにしないこと。
DX化にあたって中小企業の大きな強みになるのは、経営トップと現場の距離が近いことです。
経営トップが旗振り役となって、常に目的を見失わないように組織全体を引っ張っていってください。

2-2 現状調査プロジェクト

続いては現状の把握を行います。把握すべき大きなポイントは
・業務上の課題の把握
・システムの現状の把握
の2点です。

<業務上の課題の把握>
会社全体としての課題がどこにあるのか、部門ごとの課題がどこにあるのか、また部門ごとの接続部分に課題がないのか、
DX推進部隊だけで考えるのではなく、現場の声にも耳を傾けながら課題を明らかにしましょう。

<システムの現状の把握>
既存システムのブラックボックス化は、DX化への大きな弊害となります。
「2025年の崖」と呼ばれる問題として、経済産業省が警鐘を鳴らしていると聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
このままDX化が進まなければ、レガシーシステムにより発生するブラックボックス化などにより、
日本経済全体で12兆円もの経済損失が発生する可能性があるといわれています。
長く使い続けているシステムを変更するのはなかなか勇気のいることだと思いますが、
古いシステムは効率が悪いだけではなく、何か問題が起こった時に対処できる人がいなかったり、
OSサポートの終了などによるリスクにさらされたりする可能性もあります。
また部署ごとに使っているシステムが異なることもDX化の弊害となります。
スムーズにDX化を進めていくためには、システムの現状把握は非常に重要です。

2-3 課題への対応、ITツールの選定・導入

課題が明確になったら、それぞれの課題に対応していきます。
一度に全ての課題に対応することは現実的ではありませんので、優先順位を決めて取り組みましょう。

課題に対して、最適なITツールの選定・導入を行います。
この時に重要なのはベンダー企業のいいなりにならないこと、丸投げにしないことです。
中小企業には、ITシステムの専門家がいないことがほとんどだと思います。
しかし、過去の歴史の中で、システム関連のことをベンダーに丸投げしてきたことが、
システムのブラックボックス化に繋がってしまった部分が大きいのです。
専門家の力を借りることは当然必要ですが、丸投げではなく一緒にITツールの選定・導入を行い、
自社にITシステムのノウハウを蓄積していきましょう。自社の課題を本当に把握しているのは、やはり自社の社員です。
その社員がITシステムの知識を持って判断をできるようになれば、DX化へのスピードも加速するでしょう。

2-4 DX運用、評価見直し

ITツールを導入したら、実際にDX運用の開始です。
本当に目的に近づいているのか?修正点・改善点はないのか?PDCAサイクルを繰り返して、評価見直しを行いましょう。
すでに動き出したものを止めたり、変更をしたり、間違いを正したりすることは難しいことです。
しかし、早い段階で間違いを間違いと認め、修正・改善を図らなければ、大きなロスになってしまう可能性もあります。
DX化は新しいことにチャレンジすることですから、間違いや失敗があって当然です。
間違いを恐れずにチャレンジすること、そして間違いを認めて改善し次に進んでいくのが大切だという
スタンスを会社全体で持ち、運用を進めることが重要です。

3. IT化(デジタル化)からDXへのプロセス

3-1 まずは細かい業務からIT化し業務効率化を進める

一気にDX化を進めるのはなかなか難しいですよね。
まずはその一歩として、細かい業務からIT化し業務効率化を進めていきましょう。
経理であれば経費精算を自動化する、人事であれば給与計算を自動化する、
といった業務効率化が取り組みやすいかもしれません。
こうした業務効率化によって生まれた時間をコア業務に使えるようにすることも重要です。

3-2 組織横断のワークフローをIT化して全社的な効率化を進める

部署ごとや職種ごとの部分的な業務の効率化が進んだら、組織横断のワークフローのIT化も検討してみましょう。
こちらを先に進めるパターンもあると思います。
わかりやすいものでいえば、社内の稟議や申請などの承認フローのデジタル化があります。
リモートワークの際にも、この社内の稟議や申請などの承認フローがアナログなままであったために、
出勤をしなければならないという事態も多く発生していました。
会社全体のワークフローがデジタル化されれば、一気に効率化が進みます。
部門を超えて全社的にデータの共通化を図ることも非常に重要なポイントです。
マーケティングと営業など、組織や部署をまたいで連携が必要な業務がある場合には、
会社全体のシステムやワークフローが共通化・IT化されていれば、データのやりとりが活発になり、さらに効率化が進むでしょう。

3-3 既存ビジネスにデジタル技術を活用してデータを蓄積する

ここまではIT化の段階でしたが、DX化にコマを進めていかなければなりません。
いきなり新規ビジネスを生み出すのはハードルが高いですので(もちろん、やれるならばやっても構いませんが)、
まずは既存ビジネスにデジタル技術を活用してデータを蓄積していきましょう。

3-4 蓄積したデータを分析し、新たなビジネスを生み出して変革を起こす

蓄積されたデータは新しいビジネスの宝庫です。
データを分析し、既存ビジネスを発展させる形で変革を起こす方が、比較的やりやすい場合が多いでしょう。
もしくは、何かしら既存ビジネスと関連するところから新しいビジネスにつなげていくという方法も有効です。
もちろん、データを分析したり、マーケティングを進めたりしているうちに、全く新しいビジネスが生まれることもあるでしょう。
デジタル技術の力があるだけでは、新しいビジネスは生まれません。
自社の事業やマーケットを深く理解した上で、今あるデジタル技術を活かした新しいビジネスを生み出したり、
企業文化の変革を起こしたりしなければならないのです。
DX化の部分では、世の中の課題やニーズを見極める力、アイデア、企画力などのソフトスキルが重要になってきます。
IT技術がわからないからと尻込みしている場合ではありません。
IT技術の細かい部分は外部の力も頼り、新しいアイデアを出し、DXプロジェクトを推進していきましょう。

4. DX(IT化)の身近な例

4-1 DX化への第一歩はペーパーレス化

何から手をつけたら良いかわからない…というときは、まずはペーパーレス化に取り組んではいかがでしょうか?
紙での作業は非効率で、印刷関連コストがかかりますし、DX化に重要なデータの蓄積・分析ができません。
紙データを保管する場所も必要ですし、データを取り出すにも非常に時間がかかります。
紙のデータをデジタル化することでこうした問題が解決でき、
昨今増加しているリモートワーク中のオンライン会議なども非常に効率的に行うことができるようになります。
比較的手軽に取り組むことができるにもかかわらず、非常にメリットが大きいといえます。

4-2 契約の電子化で手間も時間も短縮

契約にハンコが必要であることから、新型コロナの影響でリモートワークが推奨される中でも
出社を余儀なくされたパターンが多く問題となりました。
契約の電子化を進めることによって、リモートでも契約手続きが可能になりますし、
書類を郵送するための手間や費用が削減でき、郵送物の往復が不要となりかかる時間も一気に短縮することが可能です。
こうした契約関連の電子化は、業界全体で導入が進まないと「導入しても使えない…。」と考えてしまいがちですが、
どこかの企業が周辺企業や業界全体を牽引するつもりで導入を進めることにも大きな意味があるのではないでしょうか。

4-3 クラウド上でのデータ共有でリモートワークも容易に

紙データのデジタル化を進めたら、そのデータをどこででも活用できるようにクラウド上での
データ共有ができるようにしましょう。劇的にリモートワークがやりやすくなります。
また、事業部ごとや個人ごとでしか活用ができなかったデータが、会社全体で活用できるようになるので、
会社全体の効率化や企業の変革につながることになるでしょう。

4-4 単純作業の自動化で業務効率が大幅アップ

単純作業の自動化、つまりRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入です。
手順・ルールが決まっている単純作業であるデータ入力・コピーペースト作業はもちろんのこと、
社内ITシステムの管理・データの読み込み、電話の自動対応・メールの自動返信といった業務も自動化が可能です。
自動化により業務効率が大幅アップする上、ヒューマンエラーのリスクも軽減でき、エラー対応の時間も削減することが可能です。
こうして生まれた時間を、人でしかできないコア業務に費やすことで、DX化を推進することできるでしょう。

4-5 クラウド型勤怠管理システムでリモートワークでも勤怠管理ができる

今後スタンダードとなっていくであろうリモートワークという働き方をサポートするためにも、
ぜひ導入したいのがクラウド型勤怠管理システムです。
今でもタイムカードで勤怠管理をしているという中小企業は少なくありませんが、
これではリモートワークの推進は難しいです。また、通常の勤怠管理においても、タイムカードから給与計算を行ったり、
システムにデータ入力を行ったりといった後々の作業もアナログのままで効率化が進みません。
クラウド型勤怠管理システムの導入は管理側の作業が楽になるのはもちろんですが、
リモートワークや直行直帰の際などに勤怠情報をメールや電話で報告していた場合などにおいては、
申請側の手間も省くことができ、申請忘れなども防止できるでしょう。

5. まとめ

DX化を進めるためには、まず経営トップがDX推進への強い意志を持つことが非常に重要です。
経営トップから推進メンバー、そして全社員へとDXの意識を浸透させ、全社として取り組んでいく必要があるでしょう。
システムの入れ替えや導入においては、ベンダー任せにせず、自社にITノウハウを蓄積し、
自社としての判断でシステムの導入や運営を進められるようにすることが、DX化の推進の大きな助けとなります。
経営トップとしては、多少の失敗はあるものと大きく構え、素早くPDCAを回していくことでDX化を進めていきましょう。

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一般建設業 東京都知事許可(電気通信工事業):(般-4)第148417号
古物商 東京都公安委員会許可(事務機器商):第304361804342号
労働者派遣事業 厚生労働省許可:派13-316331
小売電気事業者 経済産業省登録:A0689
電気通信事業者 総務省届出:A-29-16266
媒介等業務受託者 総務省届出:C1905391

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