『人事評価制度を変えたいんだけど?』
社長、どうしてですか?
『納得感の高い人事評価制度に変えれば社員がやる気になり業績が向上すると思うんだ』
なるほど、そう考えたのですね。社長、お言葉ですが人事評価制度を変えても社員のやる気はマイナスからゼロに上がるだけで、社員がやる気になることはありません。また、人事評価制度の改良は一部の社員が不満を言っている場合ではなく社員の33%以上が不満を感じている時に実施しないとうまくいきません。
残念ながら仕事ができない20%の社員と、普通に仕事をする60%の下位20%すなわち60×0.2=12%の社員、合計すると32%の社員は一般的に人事評価制度に納得していないことが多いです。人事評価の結果が良くないので、32%の社員が不満を感じることは肯定的に受容せざるを得ません。したがって、33%以上の社員が不満を感じている場合に人事評価制度を改良することが成功の近道になります。ただし、その場合もいきなり「人事評価シート」の改良をするよりも、まずは「評価者」と「評価面談」の改良を先にやることが成功のポイントです。
「評価者」
『〇〇課長には評価されたくない!』部下のこのセリフは、良くできている「人事評価シート」を紙屑同然にしてしまいます。どうして紙屑になるのか?部下が評価者である上司のことを認めていなければ、どんな人事評価結果がでようと部下は納得しません。そもそも、部下はその上司に評価されたくないのです。『〇〇課長には評価されたくない!』というセリフには、部下のそのようなおもいがたくさん詰まっています。どんなに最高の人事評価シートも、そのセリフには負けてしまいます。部下の上司への評価が適切ならば、その上司は評価者から外すしかないと思います。もちろん、上司には本人の言い分も聴きながらじっくり伝えた方がいいでしょう。
評価者は上司の上司か、社長に変更します。部下から信頼・尊敬されていない「評価者」は部下のやる気を下げます。そのような上司に評価権限を与えないことが、人事評価制度をうまく運用するポイントになります。
「評価面談」
評価面談は①最低でも3ヵ月に1回、合計すると年4回以上②1回の時間は1時間以上やられた方がいいと思います。
年に1回、評価結果だけを一方的に通知するだけの面談では社員のやる気は下がるだけです。社員は評価面談で人事評価に対する会社の本音に気づきます。日々の業績向上の仕事が忙しすぎて上司が評価面談をやらない、または評価面談に十分な時間を割かない場合、社員は会社の人事評価に対する姿勢に落胆しやる気をなくすと共に会社への信頼感にひびがはいるでしょう。
評価面談は評価結果と昇給金額の通知だけでなく、本人の言い分をじっくり聴き成長への気づきを与える場です。
本人が評価結果に納得していない場合は、再度面談の場を設け納得してもらえるよう努力し面談が終わった後は、本人に新たな気づきが芽生え次回も頑張ろうと!思えるような場にすべきです。特に本人評価と上司評価に負のギャップがある場合は、そうすることで本人の納得感も高まると思います。そのためにも、評価面談は3ヵ月に1回以上実施し1回に1時間以上かける必要があります。
社員の人事評価への納得感が低く社員のやる気が下がっていると悩んでいる社長は、改めて「評価者」と「評価面談」の振り返りをしてみてはいかがでしょうか?
トーマツイノベーション株式会社 前社長
11万を突破した【上司のすごいしかけ】著者
プロフィール
1964年神奈川生まれ。埼玉大学経済学部経営学科を卒業し、IT会社を経て1990年に監査法人トーマツのマネジメント・コンサルティング部門に入社。経営、戦略、業務、IPOのコンサルティングを経験。
1998年からISOコンサルティング会社・審査会社を立上げ3,000社以上を支援。
2006年にトーマツ・イノベーションを設立、代表取締役社長に就任し、7,800社のお客様に入会頂いた定額制研修イノベーションクラブにて中小企業の人材育成にイノベーションをおこした。
2014年に独立し現在に至る。
コンサルティング実績
26年間、製造・建設・サービス・商社・小売・外食・IT業界にて、攻め(売上アップ)・守り(コストダウン)・組織の活性化・経営管理のコンサルティングを1万社以上経験。
セミナー・研修講師実績
23年間、5万人以上の社長・幹部・管理職に対してリーダーシップ・マネジメント研修等を実施。
著書
「上司のすごいしかけ(11万部)」、「デキる上司(6万部)」、「仕事の5力(12万部)」をはじめ、43冊の著書を出版、累計で94万部を突破している。
「経営百科事典」
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オフィシャルサイト
http://www.ssoken.co.jp/index.html
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